俺TUEE物というよりコミュ力ポンコツな脳筋令嬢と彼女のフォローをしてくれる奥手な青年貴族のポンコツ系ラブコメ(コメ強め)としての色合いが強くなってきて超楽しかった!全然噛み合ってない会話の応酬で何度も笑ってしまう。それにしてもユミエラは本当にこのコミュ力で前世社会人やっていけてたの……?(ブーメラン発言)
思った以上に優しい世界になってる…!?
両親とのごたごたの末、両親の地位を(半ば強制的に)譲り受けて新たなドルクネス伯爵となったユミエラ。長いこと代官にまかせきりだった領地は荒れており、代官から渡された報告書にも不審な点があるという。第二王子エドウィンを担ぎ出そうとする過激派が盛り上がり、不穏な空気が漂う王都を尻目にパトリックとともに領地に向かった彼女を待っていたのは、領民達の意外な反応で…。あらすじからして内政話をやるのかな?とおもったらそのへんは9割位は力技で解決していて流石でした。やはり筋肉(ダンジョン周回)は全てを解決するんだよなあ。
ユミエラ幼少期の悪行(レベル上げ)がまさかの結果オーライに。ユミエラの両親とアリシア&その取り巻き達が1巻時点で排除されてしまったせいか、よくも悪くも「悪人」の居ない世界観になったなという印象。代官もパトリックの実家も予想外に「良い人」達で……だからといって、主人公の最大のライバルが無機物(結界)なのはどうなんでしょうかね!?ユミエラのそういうとこほんと好きだけどさ!!
奥手×恋愛オンチのポンコツラブコメ(コメ寄り)が最高に楽しい
ユミエラのバトルジャンキー&脳筋具合は相変わらず健在なんだけど、それ以上に今巻はコミュ力底辺恋愛ポンコツ娘なユミエラと奥手でいいヤツなパトリックが繰り広げるラブコメ(コメ寄り)が最高に楽しかった!もう完全に両想いで1巻のラストで恋人同士になっているはずなのに本人も知らない間にバッキバキに恋愛フラグを叩き折っていくユミエラと、勇気を出してユミエラにアタックしては勘違いされて砕け散るパトリックの恋愛模様が可愛くてたまらない。指輪の件とかは正直サプライズにするよりも本人を交えて選んだほうが後腐れもすれ違いもなかったのでは!?と思わなくもないんですが、喋れば喋るほど恋愛とは程遠い方向にズレていく会話の応酬に何度も腹抱えて笑ってしまった。いやもうほんと、こういうギャグ要素の強い残念なラブコメ、めちゃくちゃ好きなんですよ!!一方、何かと誤解を与えやすいユミエラの行動をパトリックが不断の努力で誤解を生まないよう立ち回ってくれるのが読んでて凄く高感度高いんですよね。修復不可能だと思われていたエドウィン王子とユミエラの関係を修復することができたのも彼の行動があってこそでしたし。そして、こんなに自分のために一生懸命になってくれる男の子にユミエラが惚れないわけがないんですよね。パトリックの挙動挙動にときめいてしまうユミエラの姿にニヤニヤが止まらないんですが、なんでここまで解ってるのに自分への好意だけは理解できないのかなこの娘は〜〜!!
エレノーラとユミエラの「友情」もアツかった
第二王子・エドウィンを担ぎ上げようとする過激派貴族の筆頭・ヒルローズ公爵。そして、彼の娘でありながら底抜けのお人好しで騙されやすい令嬢エレノーラ。エレノーラに懐かれたことを「面倒くさい」と思っていたユミエラが、少しずつ彼女の境遇に共感し、感情移入していく姿が印象的でした。立場は違えど自らの生まれ持ったもののせいで同性の友人と呼べる存在に恵まれなかった二人が距離を縮めていく姿が印象的。そして、圧倒的な力を持つ反面、なんだかんだと人が良いユミエラの「弱点」を突いてくるヒルローズ伯爵との対峙。カンストしていても決して無敵ではない彼女の窮地を再び救ったのは常に彼女に並び立たんと不断の努力を続けてきたパトリック、というのがまた良かった!一種の俺TUEEモノでありながら、最初から一貫してパトリックがユミエラの「ヒーロー」として描かれているの本当に良いですね……。