超巨大複合企業《SANADA》の跡取りは世襲制ではなく、一族の中で優れた者の中から選出されていた。現当主の嫡流・真田燐之介は次期当主候補としての教育を施されて全能といってもいいほどの優れた才能を持ちながら、常識がないために「出来損ない」と呼ばれている。そんな燐之介の教育係を務める静目圭は燐之介の常識はずれな行動に振り回される日々を送っていたが……というお話。
常識を知らない燐之介と常識に縛られて生きてきた圭がお互いの出来ないところを埋めあっていく姿がとても好きだ…!あらすじだけ読んで「主従モノのBLかな!?」って5回くらい呟いてたんですけど、思ってた以上に圭と燐之介の相棒関係および主従関係がメインのお話でした。バカテスは明久・雄二の行動理由に常に女の子の存在があった分まだなんだかんだでラブコメしてた……。秀吉枠も居るんですけど秀吉みたいなお色気展開は全然なくて、下手するとセンパイの性転換設定って圭とくっつくためのフラグじゃ!?って思ってしまうんですけどその辺どうなんですか怖い。
基本的には対等な関係なんだけど、真田の他の人間の目があるところでは『主従』としてふるまう二人の関係が個人的に大変おいしいです。圭の「大人が子供を歪めてしまうようなことが大嫌い」って設定どう考えても元凶はセンパイですよね……。『端男』って設定わりと意味深ですよねとか夜の教育(意味深)とかぜんぜん思ってません。
古き慣習に縛られた財閥一族を舞台にした後継者争いという大人の世界に挑む子供たちの物語で全体的に割と重たい世界観設定があるんだけど、重たさを感じさせないサバサバした空気感と、公衆の場で読めないギャグは健在。ギャグはバカテスよりも下ネタ増えたかな、チンチン電車のやり取りには思わず爆笑してしまった。下ネタもそうだけど、割とバカテスがギャグ時空でごまかしていた部分にがっつり踏み込んでくるので、割とドキっとします。今回は後継者を決める争いに参加する『チーム』を作るための下準備といった感じのお話でスタートラインに立ったところで終わったので、今後どうなっていくのかとても楽しみです。
しかし、いろんな意味で圭ヒロインだったな……ライバルの親戚に身分上とらわれていて動くことができない圭をどさくさ紛れで奪いに行くお話(曲解)だったもんな……。
付録の「バカとテストと召喚獣」小冊子は明久達の性別が逆になってしまうお話。冗談で何度か「常に同人誌の定番展開を貪欲に喰らっていくバカテス」「やってないのもう性転換くらいじゃない?」とかいってたんですけどほんとにきたよ……しかも恐らく最後の最後で。
イラストがほとんど見た目的に変化のないムッツリーニと秀吉だけで正直見た目が大幅に変わったあたりのビジュアルが見たかったような見たくなかったような。姫路さんの見た目に変化ないのが救いなのかもしれないけど翔子×雄二の性転換が本当にただの犯罪で危険が危ない。
ババア長の実験シリーズやらギャグマンガ時空特有のファンタジー設定等で割と強引に公式と地続きのところで二次創作みたいな展開をやりまくってきたバカテスにしては珍しく定番の同人誌見たいなオチでしたが(何を言っているのかわからないとおもうが俺も)、久しぶりに生き生きとしたバカやってる明久達の姿が見れて楽しかったです。これで終わりなの寂しいので、ネタが浮かんだらでいいからこういう形でもちまちま続けてほしいなんて思ったり。
個人的には一番最初の明久と雄二のやりとりが大ご褒美なので全力でごちそうさまでした明久の家に雄二が使う用のゲスト用布団が容易されてる設定おいしいですありがとうございました。