声優ラジオのウラオモテ #08 夕陽とやすみは負けられない? | 今日もだらだら、読書日記。

声優ラジオのウラオモテ #08 夕陽とやすみは負けられない?

 

「ねえ、佐藤」「なによ渡辺」「わたしたち、一緒に暮らさない?」
 『ティアラ☆スターズ』ライブの第一弾「ミラク」VS「アルタイル」が終了し、遂に乙女たち「アルフェッカ」に挑むことが決まった夕陽とやすみ。調子を取り戻した若手随一の人気声優・乙女に率いられて盤石な体制の「アルフェッカ」を前に、二人は一時休戦、協力して後輩の指導とチーム強化にあたることを決める。  しかしアイドル声優活動を疑問視する年上の新人・羽衣纏は、ライブへの注力に不満な様子。その姿を以前の自分と重ねた千佳は、ぎこちないながらも彼女と対話しようとするが――。

『ティアラ☆スターズ』ライブのサプライズゲスト・桜並木乙女に圧倒的な実力差を見せつけられた夕陽とやすみ。次のライブはそんな彼女が率いる「アルフェッカ」との対決で……なんとしても彼女に勝ちたいと闘志を燃やすふたりだが、ユニットメンバーであり年上の新人声優である羽衣纏が煮え切らない態度を見せる。彼女はアイドル声優としての活動そのものに否定的なようで……。

もうすっかり不仲が建前になってるんだよなぁ

どちらかというとふたりの「親友」「相棒」としての関係がクローズアップされてた回だと思うんですが、無理に対立する必要がないからか由美子から千佳への好意が基本的にダダモレだし、それを「あなたのそういうところ、本当に嫌い」で躱しながらも満更でもない顔の千佳にニヤニヤが止まりませんでした。いや、今回まじでことあるごとに千佳ちゃん「あなたのそういうところ〜」って言いすぎじゃなかったですか?もはや完全に好意を取り繕うのに使われてるんだよなあ。そんな流れから始まる一週間のお泊り合宿、新婚夫婦の仕草すぎて笑う。

メインとしては6巻で未解決のまま終わった羽衣纏の掘り下げが中心。「仕事用」ではない彼女の意外な素にはニヤニヤしてしまいましたけど、他の新人声優達と違い出だしが遅れてしまった彼女がアイドル声優活動をすることに対して感じる畏れは察して余りあるものがあり……そんな彼女に、不器用ながらも直球な夕陽が心を尽くして「どんな経験も役者として無駄にはならない」と伝えていく展開がとても良かったです。実際、彼女が内に抱える無理しすぎてしまうことへの畏れなんかは桜並木乙女の過労問題を解決した経験がなければ解く事ができなかったと思えて、回り道に見えたとしてもその経験は糧になっていると実感出来る展開も良かった。

その一方で、『ティアラ☆スターズ』での配役に自分たちの関係を重ねずにはいられない由美子は、アイドル声優活動に否定的な纏の言動を見てかつて彼女と同じ思いを抱いていた夕暮夕陽が現在のアイドル声優としての活動をどう感じているのか不安に感じ始める。彼女が現在の仕事のことをどう感じているかなんて、一番近くで見ていたやすみが一番よく理解しているはずなんですが……それでも実際に言葉にしてもらわないと不安な時ってあるよね。

夕陽がふと漏らした言葉によってその不安は加速し、なんとしてでも今回のライブでアルフェッカに勝ち、夕陽に「最高の景色」を見せようと意気込むやすみ。それでも、実力差は圧倒的で……焦りだけが空回りして少しずついつもの自分を保てなくなり、夕陽とも噛み合わなくなり……救いを求めるかのように自分が演じるキャラクター・レオンに感情移入していく彼女の姿が見ていて辛かった。

オタクくん生きてるーーー!?私死んでるーー!!!

……からのソシャゲの期間限定イベントのボイス再収録、そしてクライマックスのライブの流れ……もうここ、やすみと夕陽よりもライブを見ていたオタクのほうに感情移入せずにはいられない。レオン(※やすみのキャラ)のオタク、生きてる!?お前らライブでサイリウムちゃんと振れた!?私は感極まってサイリウム振るどころじゃなかった!!!隣に立ってたオタクに介護してもらわなきゃ……って思ったけどひとり参戦だった上に隣もレオンのオタクだったから誰も介護してくれなくて無言で崩れ落ちたし光る棒振るどころじゃなくて棒立ちでライブ見てたし中盤の演出に気付いてもう一回膝から崩れ落ちた(見てきたように幻覚の話をするオタク)……いやだってこんなの絶対耐えられないでしょ……めくる先輩よく最後まで平静保ってたよなこれ。

こういったライブって歌の上手さもダンスの上手さも確かに重要だけど、そんなことより「ここに確かにキャラクターが居る」とオタクたちに思わせることこそ重要、ホントそれなんですよね……だってこれはアイドルのライブじゃなくて「二次元アイドルコンテンツの声優ライブ」だから。あまりにも大正解で唸ってしまったし読んでいたら勝手に脳が架空の存在しないオタクになって幻覚を見てしまったので私はもうだめです。このシリーズ、割と「アイドル声優」としてのお仕事・「声優」としての演技のお話を別々にやってる印象だったんですが、アイドル声優としてのライブ演出を突き詰めた結果、一周回って声優としての演技力に話が戻ってくるのあまりにも完璧な帰結だし最高でした。これまでの7巻分の全ての物語があったからこそのこの結末で、文句なしに最高。

そしてライブでのやすみの演技を見た夕陽の反応がなにより最高ですよね自分で仕掛けておいてあのモノローグ…………この…このぉ…!!!二人はやっぱりこうでなくっちゃな!!!決め台詞とも言える「〜本当に嫌い」が最後に挿入されるのも最高で……イヤほんと、この作品アニメ化したら第一話から最終話までの夕陽役の声優の「あなたのそういうところ、本当に嫌い」の切り抜き比較動画を作って欲しい。第一話初回から今回のラストでどのくらい言葉のニュアンスが違うんですかって話で。もう公式が自ら切り抜き動画作るくらいの勢いでお願いします。改めましてアニメ化おめでとうございます!!!!!

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