ロクでなし魔術講師と追想日誌5 | 今日もだらだら、読書日記。

ロクでなし魔術講師と追想日誌5

 

正義の品格――。
惚れ薬により学院中から追い回されるルミア。猫の姿から戻れなくなったシスティーナ。虫歯治療から逃げ出すリィエルと学院はいつでも大騒動! 書き下ろしは、グレンとジャティス、それぞれの正義を争う因縁の秘話!

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「ロクでなし魔術講師と禁忌経典」シリーズの日常主体、ラブコメあり、ドタバタありの短編集第5弾。4巻と続けて読んで改めて思ったんですけど良い意味で安定しているというか、お約束な展開をしっかり面白く書いてくれるので読んでて安心感があるなぁ。あと5巻はとにかく表紙だけで白飯10杯食べれる。最高。

イヴ絶望!ツッコミが絶望的に足りてない特務分室

書き下ろしの過去話以外ではかなり珍しい特務分室がメインの短編「室長サマの憂鬱」が最高に面白かった。グレンが抜けた後の特務分室で補充のメンバーを募集する話なんだけど、美女以外はどうでもいいバーナード、天才である自分を判断基準にしてしまうアルベルト、なぜかイヴにお見合いをさせようとするクリストフ、そもそも何をしているのかよくわかっていないリィエル──というボケしか居ないメンバーにひたすらツッコんで疲弊していくイヴが最高に強く生きてほしかったっていうかなんでこいつらに手伝わせようと思った??? 良くも悪くも「凡人」であり教師としての適性も持っているグレンがいたら輝いていただろう状況で肝心のグレンがいないので、これはイヴも自棄になってグレン取り返しに行くわ……って感じでした。ツッコミが致命的に足りてない。

モテ薬を飲んだルミアが性別不問で全教師全生徒から取り合われる「勃発、愛の天使戦争」やリィエルが虫歯の治療を嫌がって校内で大暴れする「リィエル捕獲大作戦」、タイトル通りの内容の「猫になった白猫」も面白かった。なんというかどれもこういう短編にありがちというか良くも悪くも「お約束」なお話なんですけど、そういう題材を凄く面白く書いてくるシリーズですよね、と改めて。惚れ薬の話でモテるのが主人公であるグレンではなくルミアな所とか絶妙で好き。ていうかグレンが自ら率先して惚れ薬に手を出そうとするところ本当にそういうとこだぞ。

ひと(狂人)がこい(執着)におちるところをみてしまった

書き下ろしの過去編「THE JUSTICE」は特務分室時代のグレンがジャティスと初めての共同任務に挑むお話。絶対に相容れない者同士、いつか道を違える事を互いに予感しながらも今は決定的な破局を迎えていないし同じ組織の同僚なので共にいるという関係性は大変に良いものだ。表紙のふたりで白飯10杯行ける(2回め)。

世界を数式で捉え、先の展開を読むことが出来る、自らの独自の“正義”に殉じるジャティスが『正義の魔法使い』を目指し甘っちょろい正義を捨てられないグレンを最初は見下し、少しだけ興味を持ち、戯れに試し、そして目の前で自分の予想の上を行かれて更に興味を惹かれる──という展開、本当に人が恋に落ちるところを見てしまったという感想しか出てこない。あとがきでも言われてたけど本当にこのジャティスに執着されてるグレンは強く生きてほしい。しかし、自分が正義の魔法使いになれないと知りながら、それでも擦り切れるまでその思想を貫こうとする当時のグレンの姿には熱い気持ちと同時にジャティスと別の方向の狂気を感じるのでそれはジャティスも惚れてしまうわね……。

ジャティスの狂気を改めて感じることが出来る短編であると同時に、特務分室時代のグレンの危うさと一端の狂気を感じることが出来る良い短編でした。いやしかし本当に表紙が良いな……表紙が良い……。

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