堕天の狗神 -SLASHDOG- 1 ハイスクールD×D Universe | 今日もだらだら、読書日記。

堕天の狗神 -SLASHDOG- 1 ハイスクールD×D Universe

 

イッセーを支える、「刃狗」チーム誕生を描く『D×D』前日譚!
高校生・幾瀬鳶雄は、幼馴染たちの行方不明事件をきっかけに「ウツセミ」と呼ばれる化物に襲われる。彼の元に現れた美少女・夏梅やヴァーリ、漆黒の狗『刃』と共に、幼馴染を取り戻すため、戦いに身を投じていく!

謎の沈没事故によって修学旅行中に行方不明となり、全員死亡と見做された同級生達。そこには幼馴染の少女・東城紗枝の名前も含まれていた。風邪で修学旅行を欠席したおかげで数少ない生存者となった幾瀬鳶雄は新しい学校でどこか空虚な日々を送っていたが、行方不明になったはずの同級生から襲撃を受ける。彼らはウツセミと呼ばれる異形と化していて……。

ゼロ年代ラノベの血脈を受け継いで新生した現代学園異能バトル!

著者の過去作である「SLASH/DOG」を代表作である「ハイスクールD×D」の世界とリンクさせ、前日譚スピンオフとして仕立て直した作品。ハイスクールD×Dの方はソシャゲやアニメでざっくり触れた程度の知識なのですが、特にあちらの作品の知識が無くても楽しめる&それとなく匂わされてくる設定で向こうの展開が気になってくる……という塩梅でとても楽しく読むことができました。平成初期からのラノベオタクとしての感想はゼロ年代の暗黒系学園伝奇異能バトルラノベの血脈を受け継いだ現代学園異能バトルだーー!!!ヒャッハーーー!!!!!という感じです(迸る過去への執着)

それぞれの理由で修学旅行を回避し、『四凶』と呼ばれる異能─セイクリッド・ギア─を発現させた元同級生の仲間たち。彼ら彼女ら、そして自らの影から生まれた刃を持つ狗のセイクリッド・ギアと共に異形と化した同級生たち・そして彼らを操る黒幕と戦うことになった鳶雄。しかしその狗は『四凶』とは少し違うもののようで……。四凶、五大宗家、セイクリッド・ギア、魔術と異能、天使と悪魔、霊獣、そこはかとなく匂わされる姫島家という古き異能の「血」の繋がり……もう中二心をくすぐる単語が大量に飛び交う物語にゼロ年代の現代異能バトル大好き心が刺激されてニヤニヤがとまりませんでした。漢字にカタカナのルビは基本装備。しかし、これだけ中二設定が飛び交いまくっているのに少年ヴァーリが残念な中二病患者みたいな扱い受けてるの結構かわいそうだな!?

生まれた時から強大な力を持ってしまった鳶雄が祖母からの深い愛情を受けて育って、自分の能力を知っても決して驕らず、困っている人を見過ごせない・他人の痛みがわかる「良い子」として育っていくというのがとても良かったし、気難しいメンバーを餌付け……もとい豊かな食生活によって懐柔していくの良かったです。おばあちゃん自体は作品に一切出てこないのだけど、要所要所で彼女からの深い愛情を感じる事ができるのにほっこりする。しかしだからこそ、彼女の遺した「最期の言葉」と、そこを起点に覚醒していく鳶雄の異形の姿にはゾクっとしてしまった。

幼馴染ヒロインの紗枝、同じ立場の異能力者として共に戦う夏梅、魔法を使って戦うミステリアスなお姉さんポジション・ラヴィニア……と魅力的なヒロインがたくさん登場するのですが個人的には乱暴者かとおもいきや予想外に情に厚く良いやつそうな鮫島、ハイスクールD×Dアニメとファンリビの未実装ボイスでお噂はかねがね…!!なヴァーリくんが大変気になります。魅力的なヒロインを前に押し出しつつ魅力的な男子がいっぱいでてくる現代異能バトルは最高×最強なので……あとファンリビユーザー的にはラストに登場した神父が最高に気になる。

原題・派生作品も気になる

これと同じ世界観なのだとおもうと改めて「ハイスクールD×D」本編が気になってくるわけですが、とりあえずこちらが3巻まで出ていて4巻が準備中の状態とのことなので、頑張って続きも読んでいきたいです。1巻で綺麗にまとまってはいるんですが、ここから物語がどう続いていくのか楽しみ。

そして原題作品である「SLASH/DOG」、ブックウォーカーのまるよみ10分でざっと内容を確認したら本筋は同じながらもかなり設定違うみたいでこっちの設定もちょっと気になる。こちらは1巻しか出ていなくてその1巻も今回の1巻のラストを更にビターにしたような終わり方のようなのですが……いやでもこの救いのない感じ、まさしくゼロ年代の暗黒学園異能ラノベでめちゃくちゃ好きそうなやつなんですよね。そして2017年のリブートでその辺の結末が変わっているのも割と時代の流れを感じる。1冊だし、そのうち時間を見て読みたいなあ……。

「SLASH/DOG1 ─スラッシュ・ドッグ 胎動─ (富士見ファンタジア文庫)」
石踏 一榮(著), 横溝 大輔(イラスト) (著)
KADOKAWA

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