ハズレ姫は意外と愛されている?〈上〉 〜前世は孤独な魔女でしたが、二度目の人生はちょっと周りが過保護なようです〜 | 今日もだらだら、読書日記。

ハズレ姫は意外と愛されている?〈上〉 〜前世は孤独な魔女でしたが、二度目の人生はちょっと周りが過保護なようです〜

gacchi
 

虐げられていた前世の記憶持ちの王女ですが、私……意外と愛されていた!?
ユーギニス国第一王女のソフィアは、九歳にして魔女の前世を思い出した。二百年前、孤独な生涯を終えるなか最期に願ったのは「次の人生は覚えた魔術を使って幸せに暮らす」こと。 でも、今の自分は「ハズレ姫」と呼ばれ、城の使用人からも虐げられて栄養失調状態。魔術は使えるし、祖父である国王陛下に訴えて、改善されなかったら王宮を出て行こうと思っていたけれど……あれ? 私、意外と愛されている? 孫が大好きな国王やちょっと過保護な美麗騎士たちと紡ぐ、虐げられ王女の痛快逆転物語、開幕!

国を守る結界の礎となり、ひとり孤独に死んだ魔女。転生後9歳になって前世の記憶を取り戻すが、今生では王太子の座を狙う叔父一家から「ハズレ姫」・ソフィアとして虐げられる孤独な生活を送っていた。ダメ元で国王である祖父に境遇を訴えてみたところ、すぐさま動いてくれることになり……!?

家族から愛情を貰えなかった子供達のものがたり

転生先で虐待を受けていた王女が前世の記憶を思い出し、自分を愛してくれる祖父や護衛騎士の少年たちと共に逆境を跳ね返して幸せになっていく物語。コミカライズで序盤だけ読んで転生チート要素ありのざまぁ……?と思いながら手に取りましたが、主人公が前世ボーナスに胡座をかくこと無くたゆまぬ努力と民を思いやる心で立派な王太子になっていくのが凄く良かったです。そして彼女と同じように問題のある家庭で育った護衛騎士のふたり・クリスとカイルが時にはお互いの傷を癒やしながら支え合っていこうとする姿に胸が熱くなりました。どちらかというと家族からまっすぐな愛情を受けられずに育った子供達のひたむきな努力が報われていくというお話でした。

国に女王が立つ場合トラブル防止のため王配を3人選ぶ……というともすれば逆ハーレムにもなりそうな展開にびっくりしたのですが、王配候補であるふたりが明確にそれぞれ違う名前のクソデカ感情をソフィアに向けているの良かった。恋愛的な展開もあるのですが1対2とかにはならない形で、家庭環境もあり感情面での発達が未熟なソフィアを見守りながら決して急がず自分達の歩調で絆を深め合っていこうとするのが良かったです。

一方、彼らと敵対していくことになる従姉妹のイザベラや隣国の第三王子ハイネスなどもやはり親から歪んだ愛情を貰って歪んでしまった子供達で……過酷な境遇を耐え抜いた主人公達と自らも歪んでしまった彼らの対比がなんというか……決して相容れない彼らの心の断絶が胸に刺さる。ざまあというほど主人公側から感情の動きがあるわけではなく、ただただ深い断絶を感じるのが印象的でした。

敵がみんなおろか!!(おろかなことに説得力はある)

全体的に凄く良かったんですが、主人公サイドが皆ものすごくクレバーなのに対して対決する敵やライバルが最低限の常識も持ってない感じでおろかな上に複数回似たようなヤバいやつがでてくるので、もう少し骨のあるライバルはいませんか!!ってなる部分はかなりある。いやもう、一つ前で語った通り家族の愛情をまっすぐ受け取れなかった子供達と彼らを歪ませた親達の話だからそうなるのもさもありなんではあるのですが……!!

話の全く通じない相手がありえないことを言い出して主人公陣営が「は??」ってドン引きするまでがテンプレで、これが何回も繰り返されるのが個人的にはちょっと食傷気味だった。このレベルの人は1冊に3人くらいまでにしておいてほしい。

ただ、冷静に考えると主人公の祖父である国王は賢明ではあるけど壊滅的な人手不足で手が回らずブラック労働状態になっており、その国王を支えないといけないはずの前王太子や高位の貴族達が残らず腐って甘い汁を吸っており彼らの作った慣習が下まで行き届いているみたいな状況なので、まぁこうなるのもちょっとわかるんですよね……周りがみんな常識なかったらそれが常識になるんだな……彼らが「おろか」な理由の説得力がある……。

主人公もほっといたら抱え込むタイプだとお見受けしたので護衛騎士のふたりをちゃんと頼って無理のない国づくりを目指して欲しい。適度な勤労で幸せになれ!!

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