ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典16

 

魔術師の覚悟と禁忌教典の騒乱。
準決勝へと駒を進めた帝国代表選手団。日輪の国との対決で試されるシスティーナの魔術師としての覚悟。一方、アリシア三世の手記の解読を終えたグレンに待ち受ける禁忌教典の騒乱。ここに、前哨の火花が散る!

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今までの戦いとは別側面から見えてくるシスティーナの成長が熱い魔術祭典、過去の記憶を追体験することで物語の核心に迫っていくグレンの過去探索、各国各勢力の思惑の入り乱れまくり殺意入り乱れ過ぎな首脳会談。そこからのラストのアレ…って1冊に詰め込み過ぎではーー!?(でも面白いから困る)

前巻とは別側面から描かれるシスティーナの成長物語

魔術祭典の準決勝まで勝ち上がったアルザーノ帝国代表。準決勝で日輪の国のメインウィザード・サクヤと対決するシスティーナだが、突然攻撃に迷いが出はじめて、調子を崩してしまう。それは相手チームに潜む『呪言師』による精神攻撃で……。

アルザーノ代表チームメンバーそれぞれのバトル面での活躍、そしてシスティーナによる統率や判断力の高さが面白かった前巻とは打って変わって、今回は相手方がシスティーナの弱点である精神面の脆さを突いていく展開。完全に跳ね除けることは出来ないけど違和感に気づけてなんとか対処しようと足掻くことができる彼女の姿に確かな成長を感じました。そしてグレンの言葉を得てからのシスティーナの頼もしいこと。この一件を経て改めて自分の気持ちを自覚して…の展開は胸アツだったけどクライマックスへのお膳立て感を感じてそちらの意味でもドキドキする。

不調なシスティーナを支える仲間たち、そして彼女の頑張りを知った上で敢えて憎まれ役を買って出ようとするリズ先輩の姿も良かった。何割か知り合いが混ざっているとはいえ急造のチームであるアルザーノ帝国代表チームが、「優勝」という利害の一致をもってここまで団結出来る姿がアツかった。

いよいよ、物語の核心へ…

準決勝も終わり生徒たちが温泉に覗きに勤しむ中、グレンはフォーゼルが解読したアリシア3世の手記を読み解こうとしていた。ところが、本に仕掛けられていたトラップによってグレンは本の中に閉じ込められてしまう。

アリシア三世の半生を綴る「書記」によって明かされる、様々な謎。幼馴染の少年二人と共に無邪気に研究に打ち込んでいた少女が女王になり、考古学者となり、長年追い求めてきた古代の謎の一端に触れてしまう。しかしそれは、あまりにも危険なものだった──研究者でありながら国を統べる立場の彼女が少しずつ研究に傾倒し、残酷な真実を知り、正気を失っていく。散り散りになっていく幼馴染たちの姿がしんどかった。

謎の存在による“検閲”を受けて核心である『禁忌教典』こそ謎のままでしたが、嘆きの塔の謎や『異能者』が迫害され続けてきた理由など、これまで登場した様々な事件や遺物が一本の線で繋がれていくさまに最高にワクワクしました。しかしこれまでのいろんな事件、だいたいアリシア三世のせいじゃないですかやだー!!

情報量が多い…でも面白かった!!

魔術祭典最終日。アルザーノ帝国vsレザリア王国で繰り広げられる決勝戦の裏ではアルザーノ帝国とレザリア王国の首脳会談が行われる。アルザーノとレザリアの巨頭会談──であるんだけど、その裏ではアルザーノの実権掌握を目論むイグナイト、エリサレス教皇庁の強硬派と融和派、天の智慧研究会までが絡み合い一歩も気を抜けない展開に。融和路線で進んでるはずなのにみんなして殺意高すぎじゃないですかね!?っていうか今更ですけどシスティーナ達の魔術祭典パート、グレン達の過去探索パート、そしてこの首脳会談って1冊に入ってる情報量多すぎじゃないですか!?

キャラ何十人どころか2桁近い勢力が別々に動いてるのいろいろな意味で凄いし、それなのに(実際若干空気になってたキャラやキャラがぱっと思い出せなくて混乱することはあったけど)この縦横無尽に張り巡らされる駆け引きの数々が最高に面白いからホント困る。こんなに面白いのに内容的には完全に次巻への種まき巻なんですよ…次がコレ以上に面白いだろうことが半ば確定なんですよ…こんなんずるいでしょ……。

ルミアやリィエルだけでなくシスティーナにも色々な伏線がはられてきた感じだしグレンはいわずもがなだし…でほんと楽しみすぎるんですけど、ここで続くの!?早く続きを!!

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リベリオ・マキナ4 ‐《白檀式改》紫陽花の永遠性‐

 

敗北と失意を越えて??ついに吸血鬼軍 VS 新公国軍の戦端が開かれる。
 オートマタコンテストがもたらしたもの。それは圧倒的敗北と喪失だった。  水無月、桜花、全てを失ったその夜。リタの導きにより、カノンは密かにイエッセルを脱出。アルプスの山村で待ち構えていた吸血鬼王・ローゼンベルクから、彼女は驚愕の提案を受けるのだが……。  一方、時を同じくして一人の吸血鬼が新公国軍の研究所を脱走した──「俺は陰からカノンを護衛する。ハウエルズとの戦いはまだ終わってないからな」  吸血鬼軍と新公国軍の戦いの火蓋が切られる時、二人の姫たちとその騎士の、最後の反攻が幕を開ける。正義と反抗のバトル・ファンタジー第4巻!!!!

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タイトルと口絵でなんとなく展開を察してたけどおおよそ最高(最悪)の展開で紫陽花が登場して思わず叫んだ。終盤ちょっと駆け足な印象はあったけど、最終決戦にふさわしい総力戦に最後の最後でオチまでついてとても良いクライマックスでした。

水無月と紫陽花、二人を巡る様々な想い

リタに連れられ、イエッセルを脱出したカノン。吸血鬼達が隠れ住むアルプスの山村に匿われた彼女は、吸血鬼王ローゼンベルクからひとつの提案を受ける。しかしそれは、彼女の立場を大きく変えてしまうものだった。一方その頃、消滅したはずの水無月はなぜか“生身の”身体で覚醒する。

色々あって期せずして生身の身体になってしまった水無月の動揺がめちゃくちゃ面白い。いままでのオートマタとして過ごしてきた自分の人間の情緒を理解できぬ行動・発言に頭を抱えるのも面白いんですが、カノンが作った新たな《白檀式改》に対して必死に自分と同じ過ちを繰り返させまいとする姿に爆笑してしまった。以前の彼の、極端に恋愛感情の機微を理解できない設定にしっかりとオチがついて(こんなところに1巻最大の謎だった白檀博士の『不適合』発言をもってくるのかよ〜!!)、二度笑ってしまう。全体的にしんどい展開の多い巻だったのでこの辺本当に癒やしでしたね…。

“ゼクス”という名を名乗り、ひとりの吸血鬼としてカノンやリタと再会した水無月。彼の瞳に映るのは自分の喪失を受け止めきれないふたりの姿と──自分のお気に入りの服を着て瓜二つの姿でカノンの隣に並び立つオートマタ《白檀式改》紫陽花。もうこの展開、カラー口絵とサブタイの“紫陽花”というネーミングからしてある程度察してしまいましたけど、本当に一番しんどいタイミングで爆弾を落とされるので破壊力が高い。

以前のように戦えないもどかしさに加えて、自分ではない誰かに自分の居場所を取られたかのような喪失感を感じるゼクス(=水無月)。そして甲斐甲斐しく紫陽花の世話を焼くカノンに複雑な感情を抱くリタ。そんなリタだって水無月を忘れられているわけがなく……一見穏やかなようで、剣呑としているような、不穏なような、それでいて物悲しいような空気感に震えました。そして感情を創造する過程である紫陽花の無垢さが、彼の辿る運命が、余計に胸に痛かった。

失意の中で、少女は成長する

母親を喪い、実家からは冷遇され、水無月までをも奪われ、今また政治の道具として狙われ続けるカノンが自らの境遇に改めて向き合い、公女として強く成長していく姿が印象的でした。特に3巻までは割と情緒不安定なイメージが強かったので、ここまで強くなったのかと。いやもう途中で紫陽花が登場したときにはいろいろな意味でめちゃくちゃに心配したのですけども…。

水無月に戦わせまいとする一方で、どうしても戦わなければいけないときのための『力』をも用意しておく用意周到さすらも手に入れた彼女の成長が、最終決戦の場には居なかったにもかかわらず、どうしようもなく心強かった。

少し駆け足にも感じたけど、良いクライマックスだった

“公女カノン”の決起に呼応して吸血鬼達とカノンや水無月達の連合軍が首都奪還のために立ち上がる。このへんの展開は無理やり3巻で終わらせるためでしょうか、ちょっと駆け足な印象を受けてしまいましたが、その後の宿敵・ハウエルズとの最終決戦(巨大ロボが来る予感がしてた!!)や1巻からの因縁の敵との決着、リタによって目醒めさせられた新たな能力とカノンによって再び水無月の元に戻された武力の覚醒、最高に良いシーンでのタイトル回収──と全部乗せマシマシなクライマックスが最高に楽しかったです。

良い最終回だった……と言いたいところなんですけどあとがきを見ると続きとなるプロット自体はある模様で今回は第一部完的なアレだそうで…。いつかなにかの機会に続きが読めることを楽しみにしていたいです。(あとがきから全力で漂う打ち切り臭がとてもかなしい…一応終わったと思える形で終わってるのがありがたいけどかなしい……)

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リベリオ・マキナ3 − 《白檀式改》桜花の到達点−

 

決裂した吸血鬼と人間。全ての理不尽に抗うため、絡繰騎士はもう迷わない。
 仮初めの平和が終焉した。波乱のオートマタ博覧会と、ハウエルズによる軍事用オートマタ《HW式》の発表から一週間。首都・イエッセルは反吸血鬼感情に支配され、軍のオートマタ部隊は罪もない吸血鬼たちを弾圧。国を二分する対立は、加速度的に悪化の一途を辿っていた。  そんな中、大公家からカノンに告げられたのは、とある人物との政略結婚。一方のリタも同胞の窮状を前に、ヴァンパイア王族としての覚悟を決め……。イエッセル条約破棄のその先で、水無月たちが選択するそれぞれの反攻作戦とは──?  吸血鬼王も参戦し物語は佳境へ。正義と反抗のバトル・ファンタジー第3巻!!!

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面白かった〜〜!!絶望的なまでに追い詰められた彼らが一発逆転の道を模索していく展開が楽しいし、さらにその一発逆転をひっくり返してくる、どこまでもゲスな敵との対峙が熱い。周囲の人々の力を借りて少しずつ自らの感情を理解していく水無月、そして新たな「白檀式」として生を受けた桜花の成長と闘いが印象的でした。

すれ違い、引き裂かれる仲間たち

ハウエルズの策略により吸血鬼の排斥運動が激化してリタが学園を離れざるをえなくなり、カノンにはハウエルズとの婚約話が持ち込まれる。更に「結婚」の意味を理解できない水無月がカノンとすれ違ってしまう。ハウエルズとの婚約を破棄して実家の庇護から独立するために改めて「オートマタコンテスト」での優勝を狙うカノンだが、そのオートマタコンテストも戦争が近いからという名目の下でオートマタの戦闘能力だけを問われるバトルトーナメントへと変更されてしまい……。

それまで奇跡的なバランスで共存していた人間と吸血鬼が互いに憎み合う姿にやりきれない気持ちになるし、それでなくても戦争が始まりそうでシリーズ最大のピンチとも言える状況なのに全員がバラバラになってしまい、色々と不安しかない始まりだった。特に、いろいろな意味で癒やしだったカノンのテンションの高いオートマタ語り節が聞けないのがなんとも寂しい。前巻ラストから一貫してツンを貫くユーリが癒やしまである。

水無月と桜花、それぞれの「心」の成長

恋愛感情周りの機微が理解できず、ただハウエルズの懐に潜り込むための手段としてカノンに結婚を薦めてしまう水無月。その水無月の言葉を恋愛の機微がわからないオートマタの戯言として受け流すことができず、皮肉にもそれによって自分の本心を自覚してしまうカノン。二人のすれ違いがなんとも切ないけど、リタやユーリの助言を受けながらも自らの気持ちを自覚し、やがて彼女への本当の気持ちを自覚していく水無月の姿に胸が熱くなりました。それどころじゃないんだけどふたりがやっと両思いになったあとの展開は微笑ましすぎてニヤニヤしてしまいますね!

そして過酷な運命を打開するためにカノンが創り上げた新たなる《白檀式改》、桜花。周囲を“模倣”しその情報の蓄積によって人間のように成長していくオートマタ。一貫して感情のようなものを見せなかった、本来であるならばまだまだ成長途中であったはずの彼女が最後に見せた運命への抵抗と感情の発露が、なんとも切ない。

凄いところで終わった!!!

ハウエルズの生み出した《HW式》の真実を暴き、カノンと寄り添って生きていくために吸血鬼に『戻る』道を選択した水無月。絶望的な状況の中でも自らの信条を曲げずに愛のあるオートマタを作ろうとするカノン。ハウエルズの思惑を人間の、吸血鬼の“感情”が超えていく展開は最高に熱いんだけど、同時にそれ以上の災厄を生み出してしまったのも人間と吸血鬼の感情で、それを食い止めたのがオートマタとしての信念、だなんてそんな悲しいことあるかよ……。

いろいろな意味で続きが気になりすぎる終わり方で次巻が気になりすぎる。
というか次巻のカラー口絵そういうことなんですかねやっぱり……。

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かくりよ神獣紀 異世界で、神様のお医者さんはじめます。

 
Izumi

異世界に転生したら、神様(怪異)の医者でした。世直し和風ファンタジー!
名により本質が定められる『此の世』――亥雲の国に転生した八重。ある日、化け物に襲われた八重は、かつて神だったという金虎・亜雷を解き放つ。俺様な彼に振り回されて弟捜しを手伝うが、見つけた弟・栖伊は本質を失い、異形と化す病に冒されていた。亜雷は、独特な魂を持つ八重ならば栖伊を治せると言うが……? 「俺はおまえのために解き放たれた」アブない虎に懐かれて、魂の意味を取り戻す“神様治療”はじめます!

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転生前の記憶を持つせいで周囲から少しだけ浮いて生きてきた主人公が、かつて神だったと自称する不思議な兄弟と共に名前を喪ったモノを治療する和風ファンタジー。古代日本風の世界観に現代のモノが“流れ着く”という世界観が面白い。小さな積み重ねで少しずつ自信を失っていた主人公が、少しずつ自信を取り戻していく姿がアツい。

和風ファンタジー×異世界転生な世界観が楽しい

気がつけば異世界に転生していた八重。この世界では転生者は珍しくなく、しばらく過ごすうちに前世の記憶は薄れてしまう──というのだが、彼女の場合は現在に至っても前世の記憶を鮮明に持ち続けており、そのせいもあってどこか周囲と馴染めない毎日を送っていた。

まず古代日本を思わせる和風ファンタジー世界に異世界=現代日本から漂着したと思われるモノやヒトが根付いている、という世界観にときめきました。巨大なウィスキー瓶やコカ●ーラの缶の中に人が住んでる設定、その時点でワクワクが止まらないんですよね。この辺の風景どしどし挿絵にしていってほしいしなんなら気が早いけどコミカライズの際はぜひとも背景が上手い人にお願いしたいまである。(カラーピンナップで1枚まるっと世界観のイメージイラストとか関連地図とかあったらめちゃくちゃテンション上がった気がするんですが、ビーンズはそもそもカラー口絵ないんですよね…)

まだ何者にもなれぬこの世界では名前が魂を規定している。それを見失うと魂が歪んで異形と化してしまう。前世の記憶を強く持っていてこの世界の理に縛られない八重ならば異形と化した魂までももとに戻すことができるはず──ということで、ひょんなことから生命を救ってもらった金色の虎・亜雷から頼まれて(半ば強引に)異形と化した魂を“治療”することになる、というお話です。

見た目より大人びた少女の、等身大な悩みと成長

20代半ばで転生し、その記憶を失わないまま大きくなった八重。外見よりも大人びていて、よくも悪くも『聞き分けの良い子供』だった彼女は生まれ育った村に馴染むことが出来ず、疎外感を感じていた。やがて、同じ村の少女達とともに隣村に嫁入りすることになるが、嫁入りの最中にそんな彼女が決定的に自信をなくすような出来事が起きてしまう。

どこまでも自分に自信がなく、後ろ向きな八重の姿にもだもだすることも多いのですが、彼女が繰り返し訴える「少しだけ後回しにされた経験」、そういう小さな出来事の繰り返しが彼女に自信を失わせたという話にはどこか共感してしまう部分がありました。別に気にしなくても良いような些細なことでも、自分が弱気だったり、何度も続くと気になってしまう事ってありますよね。

前世から持ち続けてきた小さな自信のなさが、転生後に自分だけ前世の記憶を持ち続けたことで周囲に壁を作ってしまったこと、そしてこの世界の住人の殆どが持っている魂の形「四環」を持たなかったことで大きなコンプレックスになっていく。そんな彼女が亜雷達と出会い「四環」を持たないからこそ出来る“神様治療”を通じて少しずつ我を取り戻していく姿が印象的でした。

1巻の時点では恋愛要素は薄め(でもそれが良い)

八重が意味もわからず行っていた儀式により魂を縛られ、色々思うところはあるが彼女を守ると決意した金色の虎・亜雷。そして八重が初めて意識的に“治療”を施した白い虎・栖伊。1巻は八重が対象的な兄弟に振り回されながらも少しだけ自信を取り戻し、自立していくことを選ぶ物語です。

少女向け文庫の物語にしてはびっくりするほど恋愛要素がなかった(最後にちょっとだけ恋心の萌芽みたいな描写はある)んだけど、亜雷と八重の間にはまだまだ色々な心の壁があるわけだし、そりゃそうだよな、となる。無理にそういう方向に持っていかれない展開が個人的には好印象でした。

いろいろな意味で獣系男子な亜雷の野生で生きてるぶりも良かったけど、めちゃくちゃ爽やかな笑顔でしれっと爆弾発言する栖伊がお気に入り。いや恋愛的には亜雷ルートで確定だと思うんですけどね!!

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魔王のJK冒険者育成計画! 〜お前をトップ冒険者にしてやろう〜

心裡
 

ダンジョンに潜り、動画を撮り、その閲覧回数で人気とお金を稼ぐ仕事──冒険者。女子高生で冒険者になった掛田志保は悩んでいた。急に魔王を名乗る男が自宅に押し掛け「吾輩がお前を一番上の冒険者にしてやる」と宣ったのだ。志保のレベルは1で、人気ランキングも下から数えたほうが早い。しかし魔王は「モンスターのことなど熟知しておるわ」と志保にある指示をするのだが──。魔王の知恵でランキングを駆け上がれ! 魔王×JKのサクセスコメディ!

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知識チートで魔物を倒していくお話だけど、地力が上がらないと強い敵とは戦えないバランス、魔物の倒した数だけではなく動画再生回数が「力」になるというシステムが絶妙に捻られていて面白かった。微妙に世間(世界)知らずな魔王のキャラと、関西弁な女子高生の遠慮のない掛け合いも楽しい。

現代日本×ダンジョン探索×ゲーム実況

勇者との戦いに飽き、新たな刺激を求めて「異世界」にやってきた魔王。転移したのは魔力ではなく科学力が発達しており、「冒険者」となった者たちを安全な形でダンジョンに潜らせてランク付けし、エンターテインメントとして演出している現代日本だった。冒険者ランキング底辺の女子高生・掛田志保に目をつけた魔王は彼女の家に押しかけ、異世界で得たモンスター知識を元手に彼女を成り上がらせようとする。

現代日本を舞台にしたダンジョン攻略モノという題材にゲーム実況動画文化をかけ合わせた展開が新鮮で面白い。ただ強いだけでも攻略が早いだけでもいけなくて、良い装備を揃えたり高ランク冒険者として成り上がるためには人が見てくれる面白い動画を配信しなければいけない。装備を揃えるには動画配信回数毎に取得できるポイントが必要で、ポイントを換金することも可能だがお金でポイントを買うことは出来ない──など、ダンジョン攻略と同様かそれ以上に動画配信がキモになってくるシステムがすごく絶妙なバランスで好印象でした。それ以外にも突然強いモンスターには挑めないようなシステムになってたり、魔王の助言を受けてモンスターを倒せるようになったあともアイテムを使い果たすと弱かったりして、草の根的な努力でちまちまとレベルを上げていかないといけないようになってるんですよね。

方言混じりの掛け合いが、テンポ良くて楽しい

“魔王”として様々な世界を渡り歩いてきたが、このような世界は初めて──と、ドヤ顔しつつも色々と世間知らず状態な魔王と、そんな魔王に容赦なくツッコミを入れつつも徐々に彼を信頼していく志保の掛け合いが楽しい。魔王が毎回オレオレ詐欺や迷惑メールに引っかかりそうになり、キレて該当組織を潰しに行くの笑ってしまう。

明らかに友情以上の気持ちを志保に向けていて魔王への圧が強い志保の親友・美優、あっさり懐柔されてしまう保護者キャラと思わせておいて色々曲者感のある志保の母親、クールビューティを気取っているけど実は存外にうっかり者で気さくな女性トップランカー・曽根美咲など濃ゆいキャラも多くて魔王や志保がタジタジになる姿にニヤニヤしてしまった。

方言もテンポの良さに拍車を掛けていました。志保が緊張すると標準語になってしまうの、可愛い。

今後どうなるのか楽しみ

かくして魔王の異世界でのモンスター知識を駆使し、簡単に準備出来るアイテムを用いた「初心者でも出来る系攻略動画」で順調にポイントを稼いでいく志保。個人的には新人賞の1巻目だし1巻の時点でもうちょっと結果が見える終わり方にしてほしかった気がするんですけど(ランキングの推移とか章の最後に毎回入れてあってもいい気がしたけどシステム的にそんな頻繁には見られない仕組みになってるのか…)、割とダンジョン攻略以上に魔王と女子高生の異文化交流に主眼が据えられている雰囲気だったのでこれからなのかな。

あと割と色んな方向性の動画実況があるみたいだったのでもう少し主人公周りの人間関係が広がると楽しそうだなあと思いました。ダンジョン飯動画がジャンルになってるらしいのめちゃくちゃ気になるじゃん。同じ冒険者仲間で顔が見えたのが曽根崎さんだけだったのが少しもったいない。いろいろな意味で今後どう転がっていくか読めない話だったので、次巻を楽しみにしたいと思います。

それにしても、徹夜でバズりそうな動画の傾向を分析してくれる魔王さん、しみじみと趣深いな……。

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ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編2

 

「オレはおまえが退学になることは絶対に許さない」
新1年生の仕掛けを回避した綾小路。だが「取れるはずのない満点を綾小路が取った。俺は……手品を見てるみたいだ」数学試験の満点獲得が波紋を広げる。そんな中、試験の結果を受け堀北鈴音が生徒会入りを要望する。来るもの拒まずの南雲はそれを受け入れるものの色々な思惑が絡むようで……。 軽井沢との仲が少しずつ深まるなど、状況が変化を迎える中、全学年で競いあう無人島サバイバル試験の夏休み開催が発表された。戦いはグループ戦で上位3グループに莫大な報酬が与えられる一方、下位グループは退学ペナルティを受ける。前哨戦として上陸前にグループ作りが許可された結果、全クラスを巻き込んだ人材獲得合戦が始まる!

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全学年を巻き込む無人島特別試験──の前哨戦。動きこそ静かだけど1年から3年までのこれまで登場したキャラすべてが縦横無尽に動き回る展開で楽しかった。各クラスの情勢の変化、そして動きの見せなかった“ホワイトルームからの刺客”や高円寺が動く気配を見せて、次巻での試験本番に期待しかない。それにしても、石崎のアホの子ぶりがめちゃくちゃに可愛いな〜。

本気を見せ始めた綾小路に対する、クラスメイト達の動きが印象的

波乱だらけで始まり綾小路の数学満点獲得という衝撃の結果で幕を閉じた特別試験から暫く経ち、夏休みを1ヶ月後に控えたタイミングで次の特別試験が告知された。それは、夏休みを舞台に繰り広げられる去年経験したものとは全く別の、全学年・全クラスで競い合う無人島サバイバル。試験のためには事前に同学年の生徒3人以内でグループを組んでおく必要があり、早速学園すべての思惑を巻き込む“人材獲得合戦”が始まるのだった。

しょっぱなから綾小路グループ内でギスギスしてて最高に興奮す…胃が痛かったです。なまじ秀才であるがゆえに綾小路の満点がどれだけ「ありえない」ことか解ってしまい苦悩する幸村と、同じような形で綾小路の運動能力面での才能を察してそれでも冷静に綾小路のフォローのために動ける須藤という正反対の動きが印象的でした。須藤は自分が絶対に綾小路に勝てる部分(バスケ)までは崩されていないのもあるけど、本当にこの1年を通して成長したし、めちゃくちゃかっこいい男になったよな…。綾小路が握力で60出したのだいたい須藤のせいなんだけどな。一方の幸村も、最初こそ動揺して綾小路を糾弾する側に回ったりもしたけど、それでも自分の中の複雑な感情を押さえつけて、(おそらくそのハイスペックが数学だけじゃないと気づきながらも)これまで通りに「良き友人」であろうとする姿に胸が熱くなりました。まだまだ色々不穏な伏線はあるけど、彼らの1年間の心の成長を改めて思い知るエピソードだったなあと。

そして、今回のメインは再び開催されることとなった夏休みの無人島サバイバル───を目前ににした前哨戦。動きの少ない静かな物語でありながら、名実ともにダークホースとなった綾小路の周囲で1年から3年までこれまで登場したほぼ全てのキャラクター達の思惑が交錯していく展開は相変わらず情報量が多いし忙しいけど最高に面白い。他クラスを蹴落とすことに注力するか、それとも協力して他学年を妨害して高額ポイントの独占を狙うのか。縦横無尽な動きが面白かったです。

クラス・学年入り乱れた縦横無尽な「水面下での戦い」

一之瀬率いるBクラスと龍園率いるCクラスが入れ替わったことによって学年内の関係が大幅に変化。坂柳率いるAクラス対龍園の新Bクラス、一之瀬率いる新Cクラス対Dクラスの対決構図が表面化する。正直こうなると石崎じゃないけど龍園さん&綾小路の共闘展開を改めて期待してしまうな…。一方、板柳率いるAクラスと一之瀬率いるCクラスの共闘はカモにされる未来しか見えない怖い。それにしてもここにきて割とクラスの変動がちょくちょくあるので固定のグループ名付けてほしい……。

ホワイトルーム生との戦いにクラスメイトを巻き込まないためにグループを介さない、自分に何かあれば一発退学な単独行動を決意する綾小路、そんなにクラスメイトに思い入れあったの!?スケープゴートを用意するくらいするだろってって思ってたんですけど(失礼)、正直綾小路は単独で動いた方が面白い図が見れそうではあるんですよね。いやでもこれだけやっといて最後でしれっと地文を裏切って血も涙もない戦略立ててくるのが綾小路なので油断はできないけど……(思い返される3巻のラスト)(連想して11.5巻の挿絵)。

それにしても軽井沢とキスできなかったのを地味に根に持ってる上にその後の挽回を軽井沢の方から仕掛けさせようとするところとか、ものすごい面倒くさい男っぽくて趣深いですね。いやこれ本当に綾小路のことクールで謎めいててかっこいいとか思ってる軽井沢さんにこの一面を告げ口してどんな反応するか見たい。軽井沢さんはあいかわらずかわいい。

3学年すべてで動きがありそうな次巻、これまでと違った勢力図の中で綾小路以上に底が知れない男・高円寺の本気が見れそうだったり久しぶりに櫛田も動きそうだったり、なにより月城・ホワイトルームからの刺客との最終決戦の舞台にもなりそうな気配で本当に期待しかない。っていうかラストでその正体明かしちゃっていいんですかーーー!?

ところで石崎がアホ可愛いんだがどうすればいい?

正直11.5巻くらいから石崎ほんと可愛いやつだなと思ってたんですが今回須藤が圧巻の成長を見せつけたせいもありめちゃくちゃ石崎がアホかわいい巻でしたね。Dクラスのアホのこ担当・山内&須藤がアホの子枠を卒業してしまったので今回特に石崎が光ってた気がする。今回の巻の感想を端的に3行でまとめると「石崎初のカラーイラストおめでとう」「石崎がアホかわいい」「石崎とアルベルトとひよりと綾小路の挿絵が可愛い」になります。

アルベルトは色んな意味で面白すぎるから次の短編集あたりで一度メイン回作って欲しい。綾小路のツッコミがまたじわじわくる。

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電子書籍の本の整理に悩む

ここ数年で紙書籍から電子書籍への依存度がぐっと上がって、それまであまり気にしていなかった電子書籍アプリにものすごく使いづらさを感じるようになったよという話をします。

BOOK☆WALKERの購入書籍一覧が使いづらい。

そもそものはじまりは「BOOK☆WALKER」で2016年12月にブラウザビューワー機能が実装されたこと。

PC版アプリをいちいち立ち上げるのに使いづらさを感じていた(BWアプリは微妙に使いづらかった)のでそれまで電子書籍はラノベ中心に限定的な使い方しかしていなかったのですが、PCブラウザから手軽に読めるようになったことでそれまで画面が小さい/見開きができないという理由で紙書籍で買っていたマンガが殆ど電子書籍に移行していった。

2017年を境目にわかりやすく電子書籍の購入冊数が増えていく。

2015〜2016は純粋に本を読めなかった時期なので減っているというのもあるのですが、それにしても2018年くらいから一気にコミックの割合が増えていく。それまで、ラノベの電子書籍はアプリの購入書籍一覧を購入美順に並べて使っていたんだけど、すごい勢いで買った本が一覧の下の方に埋もれはじめた。

前述の通りマンガはほぼスマホで読まないんで非表示にしたい。
でもスマホアプリの購入履歴一覧に「ジャンルでしぼる」という機能はない。
レーベル並び替えならあるけど違うそうじゃない。

PCブラウザ版の書籍一覧ではかなり細かい絞り込みが出来るのだが、問い合わせてみた所いまのところスマホへの実装予定はないらしい。なお一覧の表示形式は3種類あるけど書影なしにしても8冊が限界。書影のみ表示に至っては上下左右4方向へのスクロールが発生する。なんでこんな↓UIに……?(横スクロールやめて書影をもうちょっと小さめにしてせめて15冊くらいは一画面に入れてほしい…)


マンガだけ別書店で買う、とかも考えたんだけど今まで買ったマンガを移せるわけではないので根本的な解決にはならない。

本棚機能を今更使うことにした。

悩んだ挙げ句、●月に買ったラノベという本棚を作ることにした。
並び替え機能がスマホだと使いづらすぎて放置してしまっていたけどいつのまにかブラウザから本棚編集できることに気づいたので活用することにした。
書影が小さすぎると判別つかないので20冊弱くらいの本棚レイアウトにしてそこからはみ出すようなら増やす。一定以上昔の本は未読のもののみ本棚を分けて1シリーズ1冊で少しずつ格納していく。ずぼらな性格なのでちゃんと整理し続けられるか自信ないんですけど、まあ本棚の限界数に達したら一度別名保存して作り直せばいいよな、くらいの気持ちでおります。

まだ仕分け途中なんですけどそのうち一番奥底までたどり着く……んじゃないでしょうか…。


これはPCブラウザで見た本棚整理中の画面。購入冊数あまり多くないので現状2ヶ月分で1棚で足りてます。てかPCブラウザの本棚ページ、めちゃくちゃこれテンションあがりますね…!?これもっと宣伝したら良いと思うんですけど…。

ちなみにBWアプリの書籍一覧には「本棚順」というソートがあるんですけど、一番上に「未整理」が来てしまったのでだめでした。違うそうじゃないなんでわからないんだ。未読だけに絞ると読みかけの本とか消えちゃうしほんと悩ましいなあ……せめて本棚順+購入日順とか二重ソート出来れば良いなぁ……むしろスマートソートくれ。

BW〜!!!「一ヶ月以内に買った+未読の+ラノベ」とかで勝手に本棚作ってくれ〜!!頼む〜〜!!!

他の人の電子書籍の整理法が知りたいです。

私はまだ電子書籍のマンガはその場で読んでくスタイル+ラノベは月10冊前後購入だからこれで済んでるんだけど、もっとヘビーに利用してる人はどうやって整理してるのか知りたいです。こんな隅っこのブログで叫んでも反応ないかもしれないけど気になるので一応聞いてみたい。答えは自分のツイッターかブログで適当に言及してほしい。

いやでも他の人も7年くらい前の初回ニコカド祭りかなにかので気が狂って買った本とか大量に詰んでますよね?
私だけじゃないよね……?

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魔王の右腕になったので原作改悪します

木村
 

異世界転移して、大好きな魔王様をデッドエンドから救い(幸せにし)ます!
社畜OLの刈谷透が見つけた唯一のオアシス――漫画『ラピスラズリ・ワールド』の最推し《魔王》が死んだ。 絶望の中、ビルから落ちていく透。 しかし次に目を覚ますと、そこは魔王城の前だった!? 異世界転移した透はまさかの魔王に保護され、“トール”として仕えることに。 それならやることはひとつ!  「私が絶対魔王さんを幸せにしてみせます!」

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主人公が「推しキャラ」である魔王さんにキュンキュンしてる時と、魔王さんを守るために奮闘している時のギャップがとても好み。主人公が元居た世界にも、魔王という存在にも明かされてない秘密がいろいろとありそうで先が気になる。それにしてもさすがに推し作品に「課金」できないとはいえ週刊誌を毎号1000冊購入(アンケ付き)は盛りすぎでは……リアルに時間足らないのでは……。

新鮮なオタクの叫びは健康に良い

ビルの上から突き落とされた社畜OL・刈谷透は、気が付くと重課金で推していた打ち切りマンガ「ラピスラズリ・ワールド」の世界に「落ちて」いた。最推しキャラであった魔王(最終回で勇者に殺され爆死する)に拾われ半ば強引に主従の契りを結んだ彼女は、前世での知識を駆使して原作漫画の展開を“改悪”し、魔王を幸せにしてみせると誓う。

意味ありげなSF&サスペンス風の導入から、いきなり落下中に「もうあと落ちて死ぬだけだから好きなことだけ考えるわ」ってアツい打ち切りマンガの布教が挿入されて噴いた。心を殺される社畜の日々の中で運命的な出会いをして沼に落ちるエピソードは一周回って感動的ですらあるし、打ち切りまでの重課金エピソードは色々ツッコミどころはありつつもオタクの馴れ初め系長文noteみたいな微笑ましさがあり、異世界に落ちて推しキャラであった魔王さんとリアルで出会い、彼と主従関係を結んでからも定期的に挟まれる魔王さんへの一連の推しコメントがツイッターに居る声がデカいオタク(※主語がデカい方ではなく、叫びがデカい方)そのものでニコニコしちゃう。毎号1000冊購入とか若干オタクのリアリティ的に気になるところはありましたが、魔王がちょっと萌えることするたびに逐一挟まれる「天使かな?」「魔王だが?」の掛け合いがテンポ良くて楽しかった。いやあ他人のオタクの叫びは健康に良いものですね!!

孤立していたふたりが心を寄せ合っていく

本来入ってこれないはずの居城に突然現れ、初対面からなぜか好感度MAXで、魔法で心を読んでも頭の悪い推し発言しかでてこない幼女(生前は24歳だったがこちらの世界に来て見た目が若返った)を不審に思いながらも、彼女の一途な「自分を幸せにしたい」という気持ちに心を溶かされていく魔王。一方、社畜OL時代に高い能力を持ちながらも周囲に認めてもらえず孤立していた透も、自分の行動が魔王に認められるたびに心に温かいものを宿し、二次元のキャラクターとしてではない魔王という人物自身に惹かれていく。不遇な扱いを受け「ひとり」で生きてきたふたりが少しずつ心を寄せ合っていく姿に胸が暖かくなりました。

魔王さんが普通に考えられているような悪い存在ではないことはしょっぱなの主人公の作品語りの時点で十分すぎるほどに語られるのですが、魔王と相対する勇者一行も普通に良い人達で、透が「箱推し」っていう気持ちもわかる。頭が悪く考えなしだがどこまでも真っ直ぐで人を惹き付ける魅力を持つ勇者、そんな勇者の頭の悪さに辟易しながらも彼に救われ、付き従う覚悟を決めているキースの主従関係も魅力的。というか私この作品リアルであったら勇者主従に萌えながら勇者と魔王早くもっと濃厚に絡め〜〜って叫びながら数少ない魔王の登場回を反芻し恋愛感情のない巨大感情をぶつけ合う薄い本探してたかもしれないのであぶなかった。いやほんとリアルに存在しなくてよかったな(見つからなくて飢える未来を幻視した)(文字にしたら予想以上にリアルにありそうな展開で怖かった)。

そんな勇者が自分の浅はかさ故に大きな「失敗」をしてしまうエピソードに介入し、魔王と勇者の関係性を変えることで原作の魔王爆死エンドを阻止しようとする透。魔王の助力が期待できない状況にありながら、魔力もなんの力も持たぬ彼女が冷静な判断力で難局を打ち破っていく姿が印象的。普段魔王の前で見せるテンションの高い魔王さん大好きオタクな彼女の姿とは対象的な、高い知性と発想力を併せ持つ“研究者”としての一面のギャップがものすごく好きです。彼女の素性は、魔王の素性以上に謎が多くて今後どういう形で明かされていくのか楽しみです。

コミック版との世界観の違いが気になる

城自体が意思を持つというちょっぴり不思議な魔王城と、魔法で彩られた「ラピワル」の世界観がとても楽しいお話なのですが、一方で透が元いた“現実”の世界にも色々と私達の住む世界よりもちょっとSF寄りの設定があるような気配で、そのへんがとても気になる。「私が死んだら対消滅戦が始まってしまう」とは一体……。そもそも両方の世界がどこか繋がってるような気配を感じるし、彼女を突き落とした上司が意図して彼女を送り込んだみたいな気配も感じるし、彼女がビルから落ちる際に聞いた“落ちてこい”というセリフも意味ありげ。

そんなこの作品、元々は裏サンデー×ピクシブ主催の「異世界転生・転移マンガ原作コンテスト」の大賞受賞作品だそうで、原作はpixiv小説、メディア展開的にはコミック版が主体。コミカライズは現在2巻まで発売されていてこちらの小説版よりもずっと先のほうまで進んでいるのですがそちら読むと透のSF的な設定がばさっとカットされているんですよね。死因も第三者による突き落としではなく事故で落下したことになってますし。というかpixiv小説版も触りだけ読んだけど突然ビルから落下してたので小説版の追加設定?なのかな?

基本的な展開は同じようなのですが、透の設定の違いが今後の展開にどう影響を与えていくのか、次巻でどのくらい変わるのかかなり気になります。だって小説版だと透のその辺の設定が割とキモだと思うので、完全に同じルートに行かない気がするんですけどどうなんでしょう…。

コミカライズ、小さくなったトールの冷静沈着な顔が大変に好みでした。2巻でいろいろと世界観バレや衝撃的な展開があったのでそのへん小説版の続きでも踏襲するのか気になります。

木村(著), じろあるば(著) 「魔王の右腕になったので原作改悪します(1) (裏サンデー女子部)」
木村(著), じろあるば(著) (著)
小学館
発行:2019-11-19T00:00:00.000Z

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悪役令嬢レベル99 その3 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜

 
Tea

ユミエラVSユミエラ!? 魔王より強い裏ボス令嬢、Wで大暴れ! 突如現れた神を名乗る少年から「並行世界から、世界を滅ぼしたユミエラがやってくる」と告げられたユミエラ。最初は興味が薄かったが、自分を倒せばレベル上限が解放されると聞いて俄然やる気になってしまい??!?

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物語開始当初からカンスト状態だったユミエラのパワーアップ回。並行世界のユミエラとの罵り合い殴り合いを交えつつもお互いを嫌いになれない関係がとても良かったし、「最強」のふたり(+1人)が繰り広げる初めての──ギリギリの戦いがアツかった。それにしてもエレノーラはいつからこんな大天使に?

別の魂でありながら確かに「同一人物」なふたり

乙女ゲームの世界通りであれば「裏ボス」として覚醒し、アリシア達「勇者一行」に倒されるはずだったユミエラ。彼女の屍が無数に横たわる並行世界の中にあってただひとつ、奇跡的にユミエラがアリシア達を倒し、ユミエラによって滅ぼされた世界があった。その並行世界のユミエラがレベル上限を突破するために唯一生き残った並行世界のユミエラ(=この物語の主人公のことである)を倒しにやってくるという。一方、並行世界の自分を倒せばレベルキャップが開放されると聞かされたこの物語の主人公である方のユミエラも、地味にテンション上げていくのだった。

前の巻でユミエラ2号=「ゲーム本来のユミエラ」が裏ボス化するまでの流れについては既に考察が行われて(そしてその想像がおおよそ正しかったことが今回の冒頭の2号の回想によって示されて)いるので、これだけ殺し合いのお膳立てをされていたのにふたりのユミエラがなんだかんだいいつつ仲良くなってしまう話が自然に始まるの上手いなあ。いや、元々ユミエラはちょっと誤解されやすくレベル上げジャンキーなだけの良い子なので、人間らしい少女の側面を覗かせる2号を見たらその時点で殺してまでレベル上限突破を果たそうとはしなかったでしょうけど。

ユミエラと2号が同じ身体を持つ別の魂であることを明示した上で、それでも彼女たちが明暗を分けたのは(他にも理由はあるけれど)魂の違いではなくてパトリックの手を取れたかどうかなのだと暗に語られていくのにニヤニヤしてしまう。この世界のユミエラだって、孤立を深めた挙げ句に世界を滅ぼしてしまうような結末はありえたわけだし、並行世界にも彼女に手を伸ばそうとするパトリックやどこまでもお人好しなエレノーラが存在したわけで。本当にこの物語の、パトリックが一貫して「ユミエラにとってのヒーロー」として描かれていく所が最高に好きだなあ。

お互いに殴り合い罵り合いつつもお互いのことを嫌いになれない二人のユミエラの関係がかわいかったです。また、親切なようで人間の「個」に興味がない闇の神、神らしい無関心さを装いながら人間らしい感情を捨てられない光の神の姿も印象的でした。ところでエレノーラは3巻になったとたんどうしてこんな大天使になってしまったのか!?たしかに1巻からチョロ可愛い娘だったですけど…ユミエラが手のひら返しすぎじゃありません!?

ふたりのユミエラ、『神』殺しに挑む

小競り合いをすることはあれどユミエラを害そうとはしなかった2号。彼女の真の目的は、彼女をそそのかして世界を滅ぼさせた『邪神』を退治することで…かくして、ユミエラはおおよそ初めての「勝ち目の薄い戦い」に挑むことになる。

それにしても、ふたりのユミエラ(Lv99)+パトリック(おおよそ99)を持ってしても倒せるかどうかわからない相手に対し、少しでも勝率をあげようとダンジョンから強い武器を拾ってこようとして、だいたい以前ユミエラが取得済みという流れに腹抱えて笑ってしまった。夏のダンジョンボス周回祭りありましたね…。

やっぱりレベル上げは全てを解決する

2巻を読んだときにパトリックのレベル上限到達が早すぎると思っていたんですよね。予想以上にオーバーキルキルしていた…。ユミエラにとってのヒーローは絶対にパトリックなんだけど、勝利のカギはパトリックじゃなくて筋肉(たゆまぬレベル上げ)なところ、本当に最初から最後まで論点ゆがまなくて好きです。

ユミエラと2号の道を分けたのが「パトリックの手を取れたかどうか」という話も、そこは本当にアツいところなんですけど、それはそれとして2号とその他のユミエラの明暗を分けたのは「ユミエラ式レベリングをしたかどうか」なんですよね。どういうことかわからないとおもうが明らかにそうなんだよ……やはり筋肉(レベル上げ)は全てを解決するんだな……。

しかし、こうなると次巻はいったいどうなってしまうのか。どんどんレベル上限を開放していったら大変なことになりそうだな…。いろいろな意味で気になります。

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声優ラジオのウラオモテ #02 夕陽とやすみは諦めきれない?

 

第26回電撃小説大賞、選考委員満場一致の《大賞》受賞作!! 第1弾は発売即日重版で話題の青春声優エンタメ、おまちかねの第2弾です! 裏営業スキャンダルが何とか収束を迎え「コーコーセーラジオ!」も、めでたく続行決定! ――とほっとしたのも束の間…… 「本当甘ちゃんだよね。ふわふわ友情ごっこがしたいならよそでやれよ」 ストイックな実力派の先輩声優・柚日咲めくるに突然浴びせられた強烈な罵倒。でもそんな彼女も実は、秘密の《ウラオモテ》を隠していて…… さらに、夕陽とやすみの高校まで追いかけてくる、不躾な視線やシャッター音。事態に業を煮やした夕陽の母が、ふたりに課した超難題とは!? こじらせ先輩声優めくるのホントの思いも明らかに――! 「そのまま行け、ふたりとも――ッ!」 声優生命最大の危機でも、夕陽とやすみは止まれない、中途半端じゃ辞められない……! 諦めきれないふたりの声優ラジオ、ここに再びON AIR!!

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1巻に引き続き仲が良くて仲が悪い主役二人の言葉の応酬とアツい展開がとても楽しかった!クライマックスはいろいろな意味で現実ならありえない展開だなと思うんですけど、現実にありえないからこそ胸が熱くなってしまう。ところで余談ですが2巻の表紙が1巻の表紙に対応したやすみピンのものに変わったみたいなんですが、1巻のふたり表紙が良かっただけに「ええ?」となってしまう。これ2巻と3巻の表紙を対にするんじゃいけなかったんですかね…(2巻完結か?とおもったけど、どうとでも続けられそうな終わり方なんだよな)

前回やらかしてしまったことへの「けじめ」のお話

ラジオの打ち切り騒動や夕暮夕陽の炎上騒ぎも乗り越え、なんとか平和な毎日に戻った…はずの由美子と千佳。ところが、炎上騒ぎの結果『アイドル声優』という顔を棄てざるをえなくなった影響は思ったより大きかった。仕事にも大きな影響が出た上に学校前で待ち伏せされたり、先輩声優からキツい言葉を浴びせられたり……由美子自身も現在の状況にスッキリしないものを感じていて!?

1巻のラストが素のキャラを出したおかげでラジオの人気が好転して──という終わり方だったのでこのままなしくずしに次のステップに進むのかな?と思っていたのですが、2巻では彼女たちが「キャラ変」をした悪影響と、それに対する「けじめ」の物語でした。

1巻であれだけアイドル声優としてのキャラ作りを切り捨てたふたりが、2巻で元の性格を強調した「キャラ作り」を要求されるのめちゃくちゃ元の木阿弥っぽくてしんどいんだけど、そんな中でふたたび「アイドル声優だった自分たち」に焦点を充てていく展開が印象的でした。1巻はアイドル声優であるふたりが声優として成長するお話だったけど、2巻は彼女たちが「アイドル」という声優業の一面を受け入れるお話だったのかなあと(正直声優さんの中身は知りたくない派なので本当にいい演技してくれればいいじゃんって思うんだけど、たとえアイドル声優じゃなくなったとしたって現在の業界だとほぼ芸能人みたいなもんではあるよな…)。

夕陽の炎上騒ぎに介入したことで事務所に迷惑をかけたこと、千佳のアイドル声優としての生命まで共に奪ってしまったことを反省しつつも「後悔はしていない」と言い切る由美子がかっこよかったし、その後の展開でどんなにしんどくても同じ轍を踏むことは出来ない彼女の姿が良かったです。たとえそこに元売れっ子である千佳への嫉妬や「他人の事に自分の声優生命までは賭けられない」という後ろ暗い本音があったとしても、前回と同じような短慮に走らなかったのは成長といって良いんだと思う。

現実にはありえないけどだからこそアツいラストが素晴らしい

自分たち本来のキャラを強く印象づけることで再起を図ろうと奔走するふたり。以前よりも無理してキャラを作らなくて良くなったはずなのに以前よりも息苦しさを感じるのはなぜなのか──そんな状況に少しずつ答えが見えてきた中、ファンの粘着騒ぎを重く見た千佳の母が「夕暮夕陽」の声優活動の休止を事務所側に申し入れてくる。何も出来ない事にもどかしさを感じる由美子だが、話を聞いた由美子の母が更にとんでもないことを言い出して──!?

いろいろな意味で、クライマックスの勝負の件はこんなご都合展開ありえないでしょって思うんですけど!!現実にありえないからこそ最高にアツい展開でした。アイドルだった頃のふたりのファンの皆も、面倒くさい先輩も、「売れない元アイドル声優・歌種やすみ」本人ですらも。みんな腹に後ろ暗い思いを抱えつつも「それでもあなたにここから居なくならないでほしい」と声を大きくして叫べる世界があまりにも優しい。いや本当にこんなご都合展開ありえないだし、千佳母の言う通り厳密には負け条件抵触してるよな!?(オタクの独り言が多すぎる!)ですけど!!それでも、彼女たちを害そうとする人たち以上に彼女たちを応援したいと思う人達がたくさんいて──それを理解してくれたからこそのラストなのだと思いたい。

そしてエピローグの展開がいろいろな意味で声優さんならではだな〜と思って笑ってしまうというか、昔の声優ラジオの間に挟まれるドラマCDみたいなことになってますね!?この対応ファン的にどうだったのかすげー気になるので、なんとかして3巻も出してほしいです。

ところで新キャラの「柚日咲めくる」さんが好きです。

ところでストーリーの本編とは微妙にズレてしまうのですが、新キャラで夕暮夕陽の先輩声優・柚日咲めくるがめちゃくちゃ好きです。序盤からツンデレの気配を感じていたんですけどそれ以上に面倒くさいオタクじゃないですかやだーーー!!!本性明らかになったときのバレかた最高に可愛いし、クライマックスの一番良いところを持っていく彼女の発言がいちいち面倒くさくて可愛くて好きです!!

といったら電子書籍版特典SSがめくるさん視点の話だったので小躍りした。完全に面倒くさい声優オタクで可愛い。短編とかでじっくり彼女視点の話やってほしい。

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