ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編6 | 今日もだらだら、読書日記。

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編6

 

「ねえ堀北さん。櫛田さんを残したのは本当に正しかったって言えるの?」
満場一致特別試験の代償は大きく、綾小路たちのクラスには大きな亀裂が入ってしまった。櫛田、長谷部、王の3人が学校を連続欠席。体育祭の詳細が発表されるが、堀北への反発からミーティングは紛糾、綾小路クラスは練習すら始められない。大きなポイントを得てクラス昇格を果たしたはずが、このままではマイナスの結果になりかねない。3人の生徒のクラス復帰に向けて堀北や平田が動き出すが……。一方個人の実力が大きく影響を及ぼす今回の体育祭。小野寺は最良の結果を求め、須藤との共闘を申し出て――!?  「私は認めない。この先何人が堀北さんを認めたとしても、私は絶対に認めない」 選択の先に待つ未来は光か闇か。

再び巡ってきた体育祭を前に、Bクラスに昇格した堀北達は空中分解の危機を迎えていた。堀北がこれまで築いてきたクラスメイト達との信頼関係は半壊し、櫛田をはじめとした三人の生徒達が不登校状態になってしまう。とても体育祭の練習どころではない状態で、堀北や平田はまず彼女たちを復学させるために奔走することになるが……。

「満場一致試験」のあとしまつ

2年目を迎えた体育祭編、まずは満場一致試験の後始末からスタート。櫛田ちゃん確かに前巻のあのラストでどういう顔して翌日学校行くんだろうと思ってたんですがそりゃあ休むか……。しかし、時間は掛かったけれど彼女が作り上げた堅牢な壁を壊し尽くしてようやく腹を割って話すことが出来たという一面もあり、前巻でのアレは完全な無駄撃ちじゃなかったんだと思わせるようなやりとりもあったのでよかった……のかな。「共通の敵に対して共闘出来る」関係まで関係性を修復できたのは怪我の巧妙というか有史以来の快挙と言えるのでは。櫛田を切り捨てなかったこと、代わりの生徒を切り捨てたことが本当に正解だったかというのは、もっと先になってみないとわからないけど。

櫛田・堀北が共通の敵を前に一時共闘するの大変美味しかったですが、そこに伊吹が絡んだときの化学反応がまた凄い楽しいですね。良くも悪くも考えすぎな二人に対し、伊吹は良い意味で「脳筋」で裏表がない。良い緩衝材なんだよなあ。

でも今回の場合、櫛田なんかよりもよほど深刻だったのが満場一致試験によって親友を失った波瑠加で。2巻くらいから少しずつ不協和音を感じていたけど、「綾小路グループ」は今回ので完全に崩壊状態になってしまったな……なんだかんだでクラス内で居場所がなく寂しさを感じているらしき綾小路にキュンと……いやまあトドメを刺したのは綾小路本人なんだが……。逆上する櫛田とは対象的に静かに綾小路・堀北への復讐を決意する波瑠加の姿には不穏なものしか感じない。

久しぶりの黒幕・綾小路清隆大活躍回(おまえというやつは…)

なんとかクラス内でのまとまりを取り戻して体育祭に臨む面々。堀北達Bクラスは龍園達のDクラスと手を組み、Aクラスの陥落を狙うことに。去年の体育祭でも大きな活躍を果たした須藤は同じクラスの体育が得意な女子生徒・小野寺と共闘して戦果を上げていく。Dクラスの伊吹は一年前の雪辱を果たすため、堀北に勝負を挑む。一方、坂柳を抑えるために綾小路は思い切った策に打って出て……。

今回の話、クラスの立て直しの所からはじまってこの体育祭と、一貫して堀北をはじめとしたクラスメイト達の様々な成長・関係性の変化が描かれるお話だったと思う。櫛田のキャラ変が一番顕著ですが、一年前に誰を頼ることも出来ずに龍園のし掛けた罠にハマりかけた堀北がクラスメイト達を頼って見事な戦略を見せ、一年生編では何度もクラスの足を引っ張ってきた須藤が怒りを抑えることを覚え……各所で巻き起こる小さなドラマに思わず胸が熱くなってしまいました。

クラス外だと今回共闘相手となった、孤高の王だった龍園の変化も良かった。龍園がやりすぎそうな部分は葛城がストッパーになってくれる一方で持ち味である汚いやり口も忘れていない。久しぶりに龍園・石崎コンビの汚いやり口が炸裂してニヤニヤしてしまったんですが、その裏で無邪気に綾小路・龍園のW誕生日会を提案してくる石崎が解釈一致すぎて早くW誕生日会の短編が読みたいです(気が早い)。これまで生徒たちを突き放すような態度を取っていた茶柱が自らの過去のトラウマでもあった「満場一致試験」を乗り越え、生徒たちを気遣うような言動を取るようになったのも印象深かった。

しかし、各生徒達が名勝負を繰り広げる中で夏の無人島から南雲会長のかませ犬っぷりがひどすぎてそろそろ相手してあげてくださいよ綾小路さん……南雲の挿絵に哀愁漂いすぎてて笑っちゃったよ……。

級友達を「見守る」と言ってできるだけ手を出さないスタンスを取る今回の綾小路ですが、見守ってたと言うよりも“今後”を見据えてクラスメイト達の成長の裏で色々と暗躍していた印象が強い。久しぶりの「黒幕・綾小路清隆」だったなあと。ただ、その今後というのはあくまで綾小路自身の目的を果たすためであって……本当にエピローグの独白で久しぶり(11.5巻以来6巻ぶり)にひっくり返ってしまった。いやみんなの成長が目覚ましい凄い!って流れからのその終わり方ある!?最終的な目標が「ホワイトルームを打倒する」ことであるならば、確かに最終的に「ホワイトルームの最高傑作」の敗北こそがこの物語の幕引きに相応しいのだろうというのは以前から感じていましたが、それにしてもタイミングが酷い。

綾小路を救けるような態度を取る謎の電話の声、天沢の意味深発言……と、ホワイトルーム周りの話は綾小路自身が外部からの来客と対峙するであろう次巻の文化祭に続くのか。エピローグで語っていた「計画」を綾小路はいつ決行に移すのかも気になるし、軽井沢さんに不穏なフラグが見え隠れするの本当に怖すぎるんですけどほんと彼女は幸せになって欲しいよ……。

それにしても軽井沢に続いて坂柳と、露骨な匂わせ描写の連続に爆笑してしまった。いや後者はどうだろうだけど前者は明らかにそうでしょ。挿絵からしてもそうでしょ。「特別授業」じゃねーんだよ綾小路!!!

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