エリス兄妹の長年のわだかまりが解けてホっとしたのもつかの間、フロワードの襲撃によってフェリスが重症を負わされてしまう。パワーアップしたライナとルシルに手によって取り押さえられるが、フロワードはライナの大切にしている人間達が狙われていること、新たな神的存在の出現を伝えてきて……。
まさかのライナ中心ハーレムラブコメ展開突入!?
不穏な動きはいろいろとあったのですけど、(一瞬ではあるんですけど)キファやミルクがライナの元に戻ってきてフェリスとライナ争奪戦を繰り広げる、ハーレムラブコメみたいな展開に思わずニヤニヤしてしまった。「とり伝」イエット共和国編でミルクとフェリスが対決する展開はちょくちょくありましたが、キファを含めたヒロイン3人が一同に会したのってこの巻が初めてだし、ライナ自身も彼女達を恋愛対象として見ているのが大きい。そこに更に妹と和解してシスコン兄ちゃん状態のルシル、ミルク隊長の部下兼面倒くさい保護者であるルーク、田舎のオバチャン状態でデバガメしてくるシオンまで絡んでくるのがもう楽しくて仕方がない。途中で過去のローランドの実験で喪われたルークの感情をライナが戻そうとする話とかありましたけどルークは今の時点でも十分感情あるよね。一方、特に感情をいじられた訳でもないフロワードが理性が強すぎて自分の感情・欲望に素直になりきれなかった……みたいなこといって複雑な顔してるのが印象的でした。いや、彼が自分の欲望に素直になられたらなられたで困るんですけど……。生真面目すぎて冗談を言ってるように見えないミラーのジョーク以上に笑って良いのか悩むなフロワードジョーク。
それにしても、これまでの物語であれだけ強キャラとして描かれてきたルシル・ルーク・フロワードの3人が戦闘力をそれなりに保持した状態で「味方」として描かれることもあって大伝になって一番賑やかで楽しい巻だった気がします。本当に敵にすると恐ろしいけど味方にしたらこんなに頼もしい3人もいないな。そして同時に、現在その3人の中で一番純粋な戦闘力を持っているフロワードをあっさりと下してしまったライナの成長ぶりが頼もしい。まあ、それはそれとして北の方では不穏なフラグがバリバリなんですが……。
確かに「次巻もすごい」とは言ってたが!!??
レイルードでライナ中心のハーレムラブコメやってる中、中央大陸の元三大国家最後の1つ・エルトリア共和国がガスタークに宣戦布告する。その戦場では異常な力が振るわれ、神的存在の干渉がなくなったことで登場した新たな神的存在と思しき不穏な影が見え隠れしていく。レイルードでもキファが生命を狙われる事件が起きて、ライナ達は警戒を高めていく。ところが、今度はレムルスの結界によって干渉を封じられたはずの《神》達も再び世界に干渉を仕掛けようとして……。ほんと、楽しいハーレムラブコメ展開の裏でジワジワと不穏な影が見え隠れしてくるんですけど、最後の最後でそのオチはないでしょうっていうか前巻あとがきで今巻のラストがひどいことは既に予告されてたけど本当に前巻以上に切り方がエグいな!!!!!???3大ヒロインが一同に会したのマジで一瞬すぎない!?5Pくらいしか(BWのブラウザリーダー基準)ないじゃん!!??もうちょっとドタバタしてからでも良かったんじゃないですか!!?????っていうかモラトリアム1年しか無いんだからその1年のギリギリ限界までわちゃわちゃさせてくださいよぉ!!!