2年生最後の特別試験である『学年末特別試験』が開催。事前に代表者を3人選ぶこと以外、当日まで詳細が全くわからない状態で堀北クラスは一之瀬クラスと、坂柳クラスは龍園クラスと戦うことに。そして、坂柳と龍園は今回の試験で負けたほうが退学するという密約を交わしていて……。
綾小路清隆、人の心がない(※褒めてる)
いや凄かった……本当に凄まじかった。もうこれ書くだけでネタバレかもしれないんですけど、2年生編を読みながらうすうす想像していた今後の展開、今回で一気に何もわからなくなったまであった。いやこれまでの前提とか関係性とか全部ひっくり返ったじゃん誰がここまでやれと言ったんですか!?(いや、全く先が読めなくなってしまったの最高といえば最高なんですけども!!!!!)というわけで2年生最後の試験は3人の代表者を選出して残りのクラスメイトを7人×5組に分けて対戦クラスと人狼亜種的な役職当てゲームで戦わせる。更に代表者同士がその様子を見ながら並行して役職当てを行ってその勝敗によってお互いのHPを奪い合う……という複雑な試験。正直試験の内容が複雑すぎて、実際試験が始まるとフィーリングで読めるんですけどもうちょっとなんとかなりませんかってことだけは毎回地味に思う……。自らの進退を掛けて激突する坂柳と龍園、得意ジャンルである洞察力を活かせる試験で最強のプレイヤーとして堀北・綾小路の前に立ち塞がる一之瀬、綾小路も自らの目的のために水面下で動き始めて……という試験会場でも試験の外でも苛烈な戦いが巻き起こる、波乱万丈だった2年生編のクライマックスに相応しい、最高に面白いお話でした。
いやでもほんとに凄かった……何が凄かったって久しぶりに綾小路清隆に人の心がなさすぎて凄かった。いやヨーグルトメーカーほしすぎて発狂してたり交流会でひたすら土こねたがったり学園生活の中で初めて人間らしい自然な温かい感情を芽生えさせたり……2年生編3学期くらいからジワジワと描かれてきた彼のかすかな人間性の萌芽みたいなやつどこやっちゃったんですか!?というか綾小路清隆、半端に人間性を獲得したせいで自分の欲望のために行動することを覚えちゃった感と言うか、これまで以上にやることが凶悪になってるまであるのが怖い。今までを遥かに超える大惨事だった。
軽井沢さんとの倦怠期は前巻からずっとなので百歩譲って置いておいても(この男次巻で完全にフるつもりである)、ゆっくりと築き上げた信頼を最悪の形で裏切り、救うと見せかけて最後の最後でこのうえなく完膚なきまでに切り捨てて、自分の障害になりそうな身内の錆をしれっと再起不能にし、更にどうみても破る気まんまんの約定持ち出してきたり……いや本当に今回あまりにも人の心がなくてビビる。堀北さんは綾小路といい雰囲気になってるのとか一旦忘れて、なんかわからんうちにクラスメイトが減った件についてちゃんと追求してほしい。いやでもそうだよ「よう実」ってこういう話だったよね。ヨーグルトメーカーまじでなんだったんだろうね……。
ラストもなんかきれいに落ちたみたいな気がしたけど冷静に考えるとぜんぜん綾小路に人の心がないし、そこまでして掴み取った一番求めていた人物は再起不能レベルに心折られてませんか?大丈夫??いやまあこうなるの想定済みっぽいし綾小路だから上手いこと叩いて治すんだろうけどよ……。
いやもう細かい部分への言及しはじめるとキリがないので差し控えるんですけど最後の最後で焦土作戦(オブラート表現)取ってきたのとか本当に草だったんですけど、ほんとうにこれ最後にどうオチつけるんですかね。色んな意味で何もわからなくなった。今回の綾小路がやったことに対する各人のレスポンスがほとんど次巻回しになった上、地獄の親子面談・七瀬翼の正体・軽井沢との関係の決着・綾小路自身の進退問題……と春休みは激重イベント目白押しなんですよね。どうすんだこれ。2年生編の終着点が見えない。
軽井沢さんが次巻でフられるだろうことだけは確実……と思ってたんだけど、マジでそれすら覆りそうなくらいのひっくり返りぶりなんだよな……。