今年の無人島での特別試験はクラス対抗のサバイバルゲーム。3泊4日の期限内に定期的に追加される物資を確保しながらペイント銃を使って他クラスの「役職付き」を倒していくというもの。綾小路率いる3年Cクラスは初っ端から予想外の襲撃を受け、クラスの人数が少ない中で不利な戦いを強いられることに。各クラスの思惑が交錯する中、生き残ることは出来るのか……!?
よう実の夏、無人島サバイバル特別試験の夏。
昭和生まれのオタク私はルール説明聞いたときからずっと令和のオタクの私と「バトロワだ」「いやスプラだよ」「進入禁止エリアはバトロワだろ……!?」と戦争していたわけですが、最下位クラスは退学者を選ばないといけないルールやこれ以上負けるとそろそろ下位クラスに逆転の目がなくなるという状況や綾小路のクラス移動問題も相まって今までになく殺伐とした気配が漂っていました。表面上は直接対決なしだった1年次、個人のミッションクリアが重要で頭脳戦としての比重が強かった2年次と比較して今年の無人島は生徒同士を合法的にころしあわせようという学校側の殺意がエグい。ライバルとなる堀北・龍園が綾小路の動きをめちゃくちゃ警戒していて、その結果大胆な動きを取れなくなっている姿が印象的でした。堀北は特に終始綾小路の掌の上で転がされちゃってた感。龍園も一見派手な動きをしているようで、追撃が甘いんだよなあ。それに対して元クラスメイトどころか現クラスメイトにすら手心を加える気が全くない綾小路と、彼を勝たせるために動くと決めた協力者・一之瀬のガンギマリぶりが凄い。良くも悪くも各クラスの「覚悟」の差が浮き彫りになった試験だった気がします。
いやでも、高円寺や綾小路がひとりで7人とか8人とかをアウトにしてくの見ると改めてやっぱおかしいわこいつらと思うしそりゃ堀北と龍園も警戒せざるをえないんだよ。綾小路も大概におかしいけど、綾小路よりも多くの人数を鼻歌交じりにアウトにしてそれでもなお余裕のある高円寺どういうことなの……物語の最終盤でこの二人がいつかぶつかったらどうなってしまうのか、今から楽しみすぎる。
「無人島サバイバル特別試験が終わるとどうなる?」「知らんのか?」
そんなこんなで不利な展開すらも利用して自分の都合の良い方向に導いていった綾小路の無双プレイが大変楽しい1冊でありました。余裕で目標達成した上で最後に龍園と「お楽しみ」の時間まで作ってうきうきで対決に臨みにいく綾小路マジで龍園のこと大好きすぎて笑ってしまう。いやでもあれは本当に良いリベンジマッチになりましたね……1年生編の7巻を昨日のことのように思い出す。山村を盾にしようとして失敗して脱落する森下、対象的に石崎を盾にしてまんまと生き残る伊吹、Cクラスに対しやたらと殺意の高い平田(でもあれは橋本の煽りっぷりが……なんだこの元彼今彼対決は……)などなど過酷なサバゲーの中で細々と見えるいつもの面々の様子も楽しかった(?)のですが、何よりも最後の最後の衝撃発言に椅子から崩れ落ちた。そんなことってある!?(脳内に浮かぶコ○ラのネットミーム)
いやたしかにプロローグのシーンが全然繋がってないなとか船の中まで一緒だった2年生以下どうすんのとはおもったけど……いやあ……。
