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じゃあ俺だけネトゲのキャラ使うわ 〜数多のキャラクターを使い分け異世界を自由に生きる〜

藍敦
 

召喚特典はプレイしていたネトゲのキャラになる能力!? 育成した最強のキャラクターたちで異世界無双!!
クラスメイトとともに異世界に召喚されたシズマは、 元の世界でプレイしていたネトゲのキャラクターになる能力を手にする。 それは外見が変わるだけではなく、ゲーム内のステータスやアイテム、経験までもそのまま引き継ぐという破格の能力だった。 悪辣な王国やクラスメイトのもとを抜け出した先で、シズマは迫害されている狐の獣人の少女、メルトと出会う。 異世界で平穏な生活を彼女と送るため、シズマはネトゲのキャラの力を使い、冒険者として活躍していく!

クラスメイトとともに修学旅行中のバスごと異世界に転移させられてしまった上、クラスメイトに騙されて悪魔の元にひとり置いていかれてしまったシズマ。召喚特典を聞かれてとっさに「ネトゲの自キャラにして」と願ってしまうが、それは20キャラ以上のサブキャラ含めた全てに任意に変身出来るという規格外の能力で……!?

こういうネトゲの小ネタを膨らましていく話大好き

ネトゲの自キャラになれる異能=サブキャラ含め該当が20人以上いる、のところで初っ端からニヤニヤしてしまった。私も全盛期のラグ●ロクオンラインでは女性キャラの本垢・男性キャラ用のサブ垢あわせて(※初期のROはアカウント毎性別固定なので複垢がデフォ状態だった)自キャラを10人以上作ってたもんです。

見た目が可愛いので作ったとかこのジョブの性能試したくて作ったとかアイテムの整理・売却用のサブキャラとか……キャラ作った理由も全体的に「わかる」だったのでいちいち笑ってしまった。こういう、同ジャンルのゲームをやってるとわかる小ネタを膨らませてるタイプの作品、めっちゃ好き。

そんなこんなでネトゲのキャラクターたちを切り替えて色んな状況に対応していくお話なんですが、ただネトゲの能力を無制限に使って無双出来るのではなく切り替えたキャラクターのバックボーン設定や考え方に主人公自身が影響される──果ては人格が少しずつ侵食されていく。召喚特典を与えた側は明確に悪意で異能を与えていて、そこを「ネトゲのキャラ」という相手の知らない概念で裏をかいていく展開が小気味よかったのですけど、相手も相手でただでやられはしない……という。

女性のサブキャラに切り替えている時、ほぼ別人格に乗っ取られているような状態で自分のことを他人のように扱っているのもインパクトあったのですが、比較的影響が少ないはずの男性キャラに切り替えている時でも自分の考えのつもりで自然にキャラの思考に侵食されていくような描写があって、薄ら寒い気持ちになる。しかもこのキャラ、メインキャラだから今後も使用頻度高そうなんだよなあ。

切り替え先の1つとして存在している「本来の自分」にネトゲキャラ達の持つ能力を引き継がせて育成していくのが今後の鍵になっていきそうですが、能力を引き継ぐためには該当のキャラに切り替える必要がどうしてもあるので……どうなっていくんだろう。

細かい設定に説得力があるの良かった

作品ジャンルとしてはクラス全員異世界転移系+追放+成り上がり+ざまぁモノ……という感じだと思うんだけど、突拍子のない展開でも理由付けがきちんとされていて納得の行く展開になっているのが好印象でした。

他のクラスメイトと召喚特典が被ったら死ぬのに彼らが何を願ったのかわからないという限界状況の中で誰とも被らない願いということで「ネトゲの自キャラにして」がでてくるの、ネトゲの自キャラに人格を引きずられる設定によって「平和な日本で生きてきた普通の高校生」の主人公が自分を騙したクラスメイトを殺害してもおかしくない……という展開に持っていくの、どっちも理由付けが上手いな〜と。

そんなこんなで1巻の時点ではここからクラスメイトたちとは無関係の場所でサブキャラ切り替えチートを適度に使って狐耳ヒロイン(変に恋愛方向に持っていかず置いていかれた者同士の絆として描かれていくのがとても良い)とのんびり冒険者ライフ送る方向性になるのか、それともネトゲキャラ人格に引っ張られてクラスメイト全員にざまぁしに行ってしまうのか予断を許さない雰囲気。どっちに転んでいくのか、続きが楽しみです。

それにしてもクラス全員異世界転移もので初手が修学旅行のバスごと拉致なのそこそこ定番な気がするけど、何度ぶち当たっても「バトル・ロワイヤル」を思い出してしまう。実際これのベースになったの何なんだろうな……バトロワとは無関係に生えてきたのか、バトロワよりも前の作品があるのか……。


2025年下半期に読んで面白かった本10選

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

開けましたどころか1月ももう後半に差し掛かっておりますが2025年下半期に読んで面白かった本のまとめです。「2025年読んで面白かったまとめ」として全部まとめようかなとおもったんですが、上半期まとめ及びこのラノの投票まとめ記事との再放送になる作品が増えすぎてしまうのでやめました。興味がある人はURLを再放送しておきますので併せてご覧いただけますとうれしいです。

7月もたけなわで今更感半端ないですが久しぶりに作りました上半期まとめです。だいたい私の通期まとめはまとめ系の企画の締切を軸に回っている(「好きラノ」投票本日まで!) 新作を中...

新作・今季1巻を読んだシリーズ

罠和 ノワナ「やぁ“登校"に挑めニンゲン 〜ゲーマー共は武器を片手に歪んだ校舎を踏破する〜」→感想
初恋をこじらせて性転換してヒロインに近づく主人公×推しを拗らせて性転換して主人公に近づくヒロインとかいう性別が行方不明すぎるVRゲーム系学園青春ラブコメ。VRゲームの天才達がその天才性を無駄遣いして全力でバカをやるお話が楽しすぎたし、ヒロインのために頑張る主人公がかっこよすぎた!!あと、あとがきの面白いラノベは至高なんだよなあ。
楓原こうた「僕らは彼女を王にする!〜クセすご最強パーティーは元リーダーのために暗躍します〜」→感想
2作品連続で私のヘキで申し訳ないんですがやっぱり黙っていれば最強なのにクセつよすぎるパーティーが全力でバカをやるのが最高だったし、ヒロインのために身体を張れる、本気出したらかっこいい主人公は最高なんだよなあ!!という気持ちになりました。主人公カップルの完全に両想いなのに全く進展しないもどかしい関係性も大好物でした。なんかこれは……読んだ後にジワジワと「これやっぱ良かったよなあ…」って評価右肩したやつ。良かった。
神宮寺 文鷹「孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い」→感想
ヒロインと同じ電波を共有出来るわけではないのにそういうものとして受け入れ、等身大の女の子として扱ってくれる主人公のスタンスがあまりにも良すぎて、こんなんヒロイン惚れないわけないわってなり続けてた。懐かしのセカイ系異能バトル的な要素が現代ナイズされてる感じも良かったし、絶妙に主人公に対して重たい主人公の悪友♂も最高でした悪友が魅力的なラノベは名作の法則。
塗田 一帆「1/nのワトソン」→感想
たった一つの真実を見抜く……ではなく数多の正解の中から依頼者にとっての最良を模索し、技術で解決する!という展開が楽しかった〜!一風変わった探偵ものとしても面白かったし、そこに配信モノらしい「映え」を重視した華やかなエンタメバトル展開・推しの炎上と転生を巡るVtuberものとしての要素が絶妙に絡み合っているのも良かったです。
酉柄レイム「稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 1」→感想
他人からは見えない霊的存在と会話出来るという異質な特徴がVtuberであれば芸風や設定として受け入れられ、リスナーたちと同じ世界観を共有出来る……という展開が面白かったです。こういうのが成立しちゃうあたり改めて懐の広いジャンルだなVtuberって。厨二病でビビリだけど芯は通っててたまに不意打ちでかっこいい主人公も魅力的だったし、ちょっと普通じゃない彼を当たり前のように受け入れてくれる同僚・友人達とのやりとりがまたよかった。
壱日千次「荒廃したゾンビ世界を50日間生き残る〜迎撃編〜 ヘガデルのブラックな会社1」→感想
これは良くも悪くも原作動画やマイクラ知識あってこその評価だと思うのでラノベ単体としては……みたいな部分もあるんだけど、原作動画からの調理の仕方があまりにも面白かったので。本来台詞や視点のなかった参加者達を動画内でのエピソードを元にして性格や特徴を違和感なく肉付けし、編集者と魔理沙の掛け合いのみだった元の動画からは別の形の「ゆっくりマルチ実況ノベライズ」として成立させていく手腕が凄かったです。元動画のファンとしては本当にたまらなかっただろうなこれ。

面白かった既存シリーズ

葵せきな「あそびのかんけい2」→感想
ボドゲカフェを中心にした三角関係(?)ラブコメ。1巻が色々な意味でインパクトあったぶん2巻をどう続けるのだろうか……という不安が少しあったんですが、それを吹き飛ばすくらい2巻もめちゃくちゃ面白かった!とにかく情報の出し方が上手くて、気がつけば最初に想像していたのとは全く別の図が浮かんでるのマジで匠の技すぎる。あとがきで「ミステリと間違えられる」ってぼやいてるの自業自得すぎて笑ってしまいました。
富士 伸太「バズれアリス 4 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】」→感想
シリーズ全体通しても面白かったんですけど、それ以上にこの完結編の落とし方がめちゃくちゃ良かった。異世界ファンタジーのバトルと「フォロワー数が力になる」配信者対決という一見別物の2つの要素が完璧に噛み合ってるクライマックスのバトル展開がめちゃくちゃアツいし面白かった。そしてシェフ・ラビットちゃん(ファンタジーの力で物理的にバ美肉したアラサー男性)があまりにも可愛かった。
赤城大空「【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 5」→感想
いやこれ本当に何が凄いかって1巻から最新刊までずっと基本的には同じ事やってるのにずっと新鮮に面白いことなんだよな。ただひたすらお嬢様のビックリスキルや戦闘力にリスナーといっしょにビックリするだけの話なんだけど、全く中だるみせずたゆまぬインフレを続けるの凄い。次巻からは世界を相手にビックリさせていくようなので新展開にも期待。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と福音後記」→感想
上半期で取り上げ忘れたとこなんですが、やっぱ面白かったなあと思って…本編終盤で示された世界観をフル活用してグレンと全ヒロインくっつけていく展開、まあ原作がああなったならこうなるか!という説得力があったしこんな番外編でも途方もないスケールの人生を歩まされてるグレン先生には本当に強く生きてくれと……この終わり方ならもう誰ルートもあるじゃん!!(夢と希望をありがとう)


フェアに便乗してバカテスとゼロ年代後半おすすめラノベを語る

滅多にセールにならない「バカとテストと召喚獣」が全巻セールなので今すぐ買おう(今日の本題)

各電子書籍店で開催されている「KADOKAWAラノベセレクション2006〜2010(リンク先:Book★Walker)」というフェアです。いや、本当にバカテスが(出版社全体系の還元セールを除き)セールに入るの本当にめったになくて年に1度あるか(前回は確か去年のファミ通文庫の周年セールだったはず)なので、興味があるかたはなんとかして買って欲しい。BWの読み放題にも入ったこと無いです(入ったらネタにしようとおもって定期的に確認しているのでないはずです)。

以下バカテスは知ってるからいいよというひとは飛ばして下さい


バカテス自体はゼロ年代後半〜10年代前半のラノベを語るとほぼ確実に登場するほどの有名作品ですし、このブログではここ20年近く隙あらばオススメにぶちこんでいる激推し作品なのですが、学力別に6段階にクラスを振り分けられた学園で最底辺のFクラスに振り分けられたバカ達が汚い畳と卓袱台しかない教室から最上位クラスの設備を求めてあの手この手で、時には真面目に勉強しながら下剋上を目指す!という学園ラブコメです。

テストの点数によって強さが決まる召喚獣バトルを点数ではなく召喚獣操作の経験や戦略で埋めていく展開が爽快であり、その裏で奇策だけではだめだと気づいた彼らがそれぞれの理由から勉強もはじめて、徐々に召喚獣自体も強化されていく……という展開に胸がアツくなります。アニメでは相当はしょられていますが原作ではかなり細かく主人公たちが自発的に勉強して点数を挙げていく描写が差し込まれており、それでもなお届かない点数差をいかに戦略や技術で埋めていくかという戦略面でもアツい物語になっていきます。

なにより、かたや初恋の少女・姫路瑞希が置かれた理不尽な状況(※あくまで明久視点)を覆すためにいつだって一生懸命に空回りする主人公の吉井明久、かたやかつての幼馴染・霧島翔子と再び並び立てる自分になるためにかつての苦い思い出や自らの言い訳をも断ち切って立ち上がる実質裏主人公の坂本雄二……主人公コンビの戦略と奇策と他の個性豊かなクラスメイト達も含めた熱い友情がとても楽しいお話です。

原作は来年で20周年ということで時代を感じる表現もありますが、アニメだと全体的な努力描写がカットされていること、原作7巻分以降のメディアミックスは一切されていないのでこの機会に是非全巻ご購入を検討ください。たぶん全部で4000円くらいで買えます!!!

そんなこんなでめちゃくちゃ珍しいバカテスの全巻割引セールを大プッシュするため、同フェアでセール対象になっているゼロ年代後半のおすすめライトノベルを15作品ほど紹介します。基本的に私の好きな作品ということで人気作が抜けていたり当時の界隈で話題になっていた作品とかも大分抜けてるような感じですが、出来るだけ現在の読者にも刺さるような感じで紹介できたらなと思っているので興味があれば見ていってくださると嬉しいです。読みやすさ重視で巻数が少ない順に並べています。

1〜2巻

うえお久光「紫色のクオリア」
2025年に書泉系で復刊され話題にもなった単巻ラノベの大傑作。
友人から少し不思議な能力を与えられた主人公の少女が、友人を死の運命から救い出すために並行世界を幾度も渡り歩く……というお話。「すこしふしぎ」な女の子たちの友情物語から急転直下して繰り広げられるハードなSF展開がめちゃくちゃ面白かったです。最近の百合ブームに便乗してもう一度評価されてほしい。
入間人間「多摩湖さんと黄鶏くん」
そこはかとなく「不健全」な変態カップルの魅惑の日々。
「みーまー」や「安達としまむら」で人気を博した入間人間の単巻会話劇。3回留年して後輩になった年上のおねーさんと主人公が放課後の部室でちょっと不健全なカードゲームをして遊びながらイチャイチャする、というだけのお話。とにかくこの絶妙な不健全さ漂う会話のやりとりと、その合間合間に不意打ちで挿入されるイチャイチャがクセになるので一度読んでみて欲しい。1冊だし。
甲田学人「夜魔」
全編バッドエンド保証(※個人の感想です)の幻想奇譚。
全2巻。「Missing」のスピンオフとして描かれた短編シリーズ。スピンオフですが本編未読でも楽しめます。甲田学人といえばひたひたと忍び寄る恐怖やそれに翻弄される人々の姿が印象的な作者さんだと思っているのですが、この作品は怪奇と怪奇を呼ぶ者が紡ぐはじまりの物語……ということで、例外なくどこかしら後味の悪い結末になっています。現在刊行中の「ほうかごがたり」が好きな人は是非チャレンジして欲しい。私のトラウマは「薄刃奇譚」!!!
神坂一「DOORS」
トンチキ全振りの神坂一が放つ異世界コメディ!
全2巻。おかしくなった世界の中で唯一「普通」を記憶している主人公・ミヤがドアの向こうからやってきた「修繕屋」と共に様々な異世界を渡り歩いて自分の世界を修繕していく物語。とにかく元の世界の姿を覚えているのが主人公しかいないので最初から最後までずっとツッコミが主人公しか居ない!そんな彼女の前におしよせるトンチキ!!そして妹!!!2冊でぱっと読めるし、とにかく笑いたい人は読んでみて欲しい。

3〜5巻

平坂読「ラノベ部」
ライトノベルが好きなすべての人にオススメしたい部活ラブコメ!
全3巻。「軽小説部(通称ラノベ部)」という部活を舞台にした短編小説。本を読むのが苦手な主人公がライトノベルの「ライト」なところに救われて少しずつラノベの虜になっていく展開、そこから展開される個性豊かな部員たちを交えた時にラノベ&オタクあるある・時には実際の作品をベースにした会話劇にニマニマしてしまう。部活内で展開されていく甘酸っぱいラブコメや百合にもご注目。
杉井光「火目の巫女」
過酷な運命を背負わされた巫女達の儚くも苛烈な生き様に震えろ
全3巻。男性主人公のスターシステムに定評のある(?)杉井光作品の中で割と珍しい女性主人公もので、過酷な運命に翻弄されていく「火目の巫女」達と、彼女たちと同じ立場でありながらもその結末を見守ることしかできない主人公の姿が印象的でした。杉井光といえば「楽園ノイズ」だし「さよならピアノソナタ」を紹介したい気持ちもあったけどやっぱりこっちが好きなので……!!
土橋真二郎「扉の外」
人間ってきたない!閉鎖空間で繰り広げられる絶望の頭脳サバイバル
全3巻。原題は「もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1」。人工知能によって管理されている閉鎖空間に閉じ込められた高校生達がそれらの指示するままに様々なゲームに挑まされる物語。とにかく人工知能のやりくちが悪趣味で、彼らの思うがままに不和を起こしていく生徒たちにも虫酸が走る。人間って汚い!という気持ちになりたい人にオススメの1冊。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
異種族たちが繰り広げる生存闘争、それに巻き込まれた死人達の物語
全4巻。異種族に生殺与奪の権利を握られ、彼らの代理として殺し合いを強要される少年少女達の物語。作品に終始流れるねっとりとした閉塞感、そして進むにつれて明らかになっていく絶望的な状況で懸命に生きる主人公たちの姿が印象的でした。終盤ででてくる双子の殺戮姉妹の百合が色んな意味でスゴいし、高二病を拗らせた主人公とシンプルクズな悪友ショタのやりとりが好きって話ずっとします。同作者の「ダークエルフの森となれ」が刺さった人はこの機会に原液を体感してみてほしい。
林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ」
無能の引きこもりがハッタリだけで世界最強決定戦に挑む物語
全5巻。とにかく見た目のコワさと意味ありげな言動だけで異能者達が集まるバトルロワイヤルを勝ち抜いていく展開がアツくて楽しい!林トモアキ作品はほぼ全作品が世界観リンクしているので薦めづらいとこあるんですが、マスラヲは巻数もそこそこだしこれ単体でも十分面白いので入門編として是非。これが刺さったら過去編の「お・り・が・み」、続編の「レイセン」「ヒマワリ」が待ってます!!!
柳実冬貴「Re:バカは世界を救えるか?」
ヒロインのために身体をはって頑張る男の子はいくらあっても良いもの
全5巻。邪気眼を拗らせた主人公が本物の異能(ただし最弱)を手に入れ、様々な異能者と出会いながら一目惚れした少女を救うために頑張るお話。他者の異能を「劣化」コピーするという能力が絶妙に使い勝手良さそうに見えて使い勝手悪くて面白く、様々な異能者や本物のコピー能力者としのぎを削りながら過酷な運命に翻弄されるヒロインを救うため生命を掛けて戦う展開がアツかった!

長編(6巻以上)

竹岡葉月「SH@PPLE-しゃっぷる-」
双子の姉弟が繰り広げる「とりかえばや」ラブコメ!
全9巻。男まさりでお嬢様学校の生徒会長をしている姉と公立中に通う平凡で引っ込み思案な弟……見た目はそっくりだけど性格は正反対なふたりが入れ替わって学園生活を送るお話。女装や女子校潜入といった派手なあらすじからは想像できないほど堅実に繰り広げられる見た目は男男・女女のラブコメが微笑ましく、その一方で立場を入れ替えて生活するうちにお互いや周囲の人たちの意外な一面が見えてくる展開が印象的でした。
細音啓「黄昏色の詠使い」
世界よこれがゼロ年代の「呪文詠唱系」ファンタジーだ!
全10巻。現在様々な作品がアニメ化している細音啓のデビュー作。色を触媒に臨むものを呼び出す「名詠式」を学ぶ学校を舞台に、異端の名詠式を学ぶ主人公・ネイトと徐々に自らの中に眠る大きな力に目覚め翻弄されていくヒロイン・クルーエルを中心に繰り広げられるファンタジー。「色」を用いた呪文・名詠式がとにかく美しくて、主人公とヒロインのふたりが残酷な世界に立ち向かう物語が美しかったです。
田口仙年堂「本日の騎士ミロク」
「剣」を持たない騎士団と変わり者のお姫様が繰り広げる王道ファンタジー!
全11巻。どうしてもこの作者さんだと「吉永さん家のガーゴイル」か未電子書籍化の「魔王城」を挙げてしまいがちなんですけどこの作品もド直球な王道ファンタジーでめちゃくちゃ好きだ!剣を使わない騎士団に入団し、実は敵国の皇子という出自で葛藤しながらもお姫様であるジュジュを助けるためにニンジン一本で戦うミロクの姿がかっこいい!騎士団の仲間たち、立ち向かうライバル達も魅力的で大変楽しいお話でした。
あざの耕平「東京レイヴンズ」
時空を超えてふたたび巡り合う、陰陽系異能バトル!!
既刊21巻。陰陽道を学ぶ学園を舞台に個性豊かなキャラクターたちと繰り広げられるドタバタ騒ぎもありな学園バトルの序盤、主人公たちの出自が明かされて徐々にきな臭くなっていって……そして全てが集結・日常が崩壊する第一部終盤、そして学園を離れた彼らが再び巡り合うためにそれぞれの場所で戦う第二部……と学園ものとしても幼馴染ラブコメとしても前世要素ありの異能バトルとしても楽しい!今から読めば完結に間に合うはずなので頑張って追いつこう。
葵せきな「生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録」
「あそびのかんけい」葵せきなが放つ謎部活(?)系会話劇。
全10巻+番外編・後日談が全11巻。顔の良さで選ばれた美少女ばかりの生徒会に特別枠を使って潜り込んだ主人公・杉崎鍵を加えた5人が放課後の生徒会室に集まりとりとめもない話題で盛り上がる会話劇。連載当初のリアルタイムネタが多いため今読むとわからないネタも多いかもしれませんが、このテンポの良い会話劇がとにかく楽しいので読んで欲しい。生徒会室を飛び出して杉崎のクラスメイト達が繰り広げる「日常」シリーズ、ハーレムエンドにたどり着いた杉崎にハーレムエンドの是非を問うシリアス重視な「新生徒会」も面白いのでオススメ。


孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い

 
MAIRO

彼女の“おもい”を受信できるのは、俺ひとり。
「私、世界を救わないといけないから」 そんな妄言を言う彼女に、楠木将臣は告白をした。もちろん、罰ゲームに決まっていた。なのに、その嘘は受け入れられてしまったんだ。 “精神界”の“救世者”と電波な妄想を垂れ流し、周囲から孤立していた美少女、貴家雲雀。そんな彼女と付き合うことになったわけだけど、噂と違って普通に会話できるし、なんなら素直に甘えて来るし……。あれ、普通に可愛くない? 気づいたら本気になっていた将臣だったが、彼女のことを知るたびに、その妄想は「現実」だと分かって――。 「――ねえ、将臣くんは私の“世界”、信じてくれる?」 嘘から始まった想いが本当に変わっていく、ちょっぴり電波な恋物語。

友達との罰ゲームで、発言が「電波」なせいで敬遠されている美少女・貴家雲雀に告白することになってしまった楠木将臣。どうせ成功しないだろう……と思っていたのにOKを貰ってしまった!?噂通り電波ゆんゆんな彼女だが、付き合ってみたら自分の前だけで特別な顔を見せてくれるようになって……あれ結構普通に可愛いかも……?

こんな主人公にヒロインが惚れないわけないだろ!!!(何度でも言う)

自称異能力者の少女と「普通」に憧れる少年を中心にして繰り広げられる物語。懐かしのセカイ系や現代学園異能バトルの気配を感じる前半、一転して世界の本当の姿が明かされていく後半……色々と懐かしくて新しい物語が良かった!

とにかく電波ゆんゆんしているヒロインの語る「世界観」を理解はできないてもひとつも否定せず、等身大の少女として共にあろうとしてくれる主人公の姿があまりにも好感度高かった。異界の存在を頭から信じるわけでもバカにするのでもなく「俺が知らないだけでそういう世界もあるのかもしれない」と考えてくれるのあまりにも凄い。こんなん惚れないわけがないやろ……。

時に電波な世界観を語ったり主人公の感知できないところで異能バトルしたり、時には普通の高校生男女のようにイチャイチャしながら徐々に関係を深めていく姿が印象的でした。理解してくれるわけがないと考えていたのに普通に受け入れてくれた主人公にときめいてしまい、年齢相応の少女としての一面を見せてしまい、それを普通に受け入れてくれてまっすぐに好意を返してくれる主人公に更にときめいてしまい……の繰り返しがとにかくくすぐったい。いやこんなん惚れないわけがないやろ……。

いやもう本当に、昔ながらの現代学園異能やセカイ系の空気感を出しながらもとにかく主人公に対してこんなん惚れないわけないだろ!!!という気持ちになってしまうの、良い意味で令和のセカイ系だった。翻弄されるわけでも否定するわけでもない、主人公の好感度が高すぎる。

ヒロインを救うために「普通」すら踏み外す主人公が良かった(こんなんヒロインが惚れないわけないだろ)

物語は異能バトルすら踏み台にして主人公カップルの蜜月が続いていく前半から、少しずつ彼女の語るセカイについての真実が明かされる後半に。急展開と言うよりも少しずつおかしくなっていく物語がしんどかったです。

もう完全に両想いになっているはずなのに告白のきっかけが「罰ゲーム」だったことを知られてしまってギクシャクしたり、彼女の語る異界がただの妄想ではないことが明かされて……ちょっとしたすれ違いのはずが修復できるかわからないところまで悪化してしまって。

でも、消えてしまいそうなヒロインを助けに行くのはやっぱり主人公の役目で──しっかりと彼女の手を掴んで、現実に掴み上げる姿に胸が熱くなりました。いや本当に良かった……最初から最後までこんなん(ヒロインが)惚れないわけないだろ以上のコメントが出来ないくらい良い主人公だった。

主人公の悪友が大変に良かった(語彙力消失)

私は主人公を手のひらの上で転がしつつ時には利用しつつそのひたむきな姿に憧れずに居られない、頭が良いばかりに損ばかりしていて主人公に激重感情を持っている主人公の悪友とかいう概念が大好きなわけなのですが、本当にこの物語の主人公の悪友がそういう感じで……自分の大切なものを守るために主人公を利用しようとして、お互いの譲れないもののために殴り合って……最高じゃないですか……ああ……。

いや本当にこの二人の関係性もとにかく好きなんですけど、あと個人的に地味に気になるのは彼らのもうひとりの親友・かすかのことなんですけど。彼女の台詞のフォントまわりの話ってなんか説明あった……?な、なかったよね……?この辺、今後への伏線なのかなんなのかとても気になる。異界がある世界だし、実はテレパシーで喋ってるとかそういう設定でもおかしくはない気がするんですけど……。


だって、私はフリーダム! 魔工士フェイ、古代文明に挑みます

 

剣の天才少女、帰還――その手に機関銃を携えて!?
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』の羊太郎が放つ、考古学ロマン×バトルアクション、開幕!

フェイ=リオンハート。17歳。 由緒正しき武家に生まれた剣の天才少女が、最強剣士を目指す武者修行の旅から帰還――なぜか、その手に魔導機銃を携えて。 「ぶっちゃけ、剣より銃の方が強いですよね?」 いつの間にか剣を捨てて古代技術に傾倒し、研究バカなトリガーハッピーと化していたフェイ。当然オブ当然、家を勘当され、路頭に迷うことに。 「だったら、このまま古代技術を極めてみるかぁ!!」 だが、勘当されども自重せず――フェイは持ち前のフリーダムさで古代文明の謎に挑む! 今日も遺跡に鳴り響くは銃声と爆音、仲間たちの怒号と悲鳴。 自由すぎる考古学バトルファンタジー、ここに爆誕!

剣の名門リオンハート家に生まれた天才少女・フェイ。武者修行から帰還した彼女は──なぜか古代技術にドハマりし、魔導機銃のトリコになっていた!!父親に銃を向けて発砲し当然のごとく実家を勘当された彼女は憧れた魔工士になるため、知識欲を満たすため、そして日銭を稼ぐため!?SSS級の古代遺跡が眠る街・アーカムへとやってきて……。

超強い女の子が我が道を突っ走る姿がとにかく楽しい!

はちゃめちゃに強い女の子の主人公がこれからは剣じゃなくて銃だ!!と思い立ち、古代技術を求めて古代遺跡探索に挑む物語。色んな意味で常識にとらわれず我が道を突っ走る主人公・フェイが大暴走する姿がとにかく爽快で気持ちよかった!ちょっと方向性違いますが、少し(?)昔の女性主人公が一人旅する系のファンタジーラノベを思い出しつつも、イマドキな要素も詰め込んで古臭くなってない感じの物語。

冒険者ライセンスが発行されないからって他のパーティーについて無理やりダンジョン内に侵入しようとしたり、遺跡で発見した古代遺産の少女を報告せずに研究しようとしたり……と時には無茶な行動も色々とあったのですが、基本的に道理に合わないことはしないし、性根が善良なことが伝わってくるのでニクめない主人公・フェイのキャラクターがとにかく良かった。彼女を騙そうとした冒険者をそうと気づかないままこてんぱんにやっつけてしまい、それでもなお「ダンジョン内に入るのに協力してくれた親切な人」扱いなのとか笑ってしまう。世間知らずで常識がなくてクソ強いだけで、いい娘なんだよなあ。

何より魔物に襲われていた冒険者を助けて面倒を見てあげたり、研究対象だといいながらも古代遺産の少女を助けるために奮闘したり……とその強さを善いことのために使っているのに好感持てる。自然にノブレス・オブリージュを理解していると言うか……色々と無茶苦茶なんだけどいい娘なんだよなあ……色々と無茶苦茶なんだけど……(2回目)

そして実力不足を魔工技術で補うのではなくて、むしろ最強な女の子が古代の魔工技術によって普通の人間では突破できないようなさらなる高みまでをも切り開いてしまう展開。別に銃なんか使わなくても主人公のフェイが笑えるくらいに強いんですが、冒険者ライセンスが発行されなかったり悪者に騙されそうになったりめちゃくちゃに強い敵がでてきたり……と彼女がちゃんと苦手とするような展開もあって、絶妙に主人公が無双するような展開にはなりきらないのも楽しいですね。強い女の子が大暴れする姿を何も難しいこと考えずに楽しめる物語でした。

ストーリー的には1巻でそれなりに綺麗にまとまってはいるもののいろんな匂わせを含めつつまだまだこれからだぞ!と思うような引きで。というかこれ絶対続巻で巨大ロボットバトル展開ご用意されてますよね……!?2巻の発売も決定したとのことで、楽しみだなぁ……!!


妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件2

 

コミカライズ企画進行中! ノーブレーキ配信コメディ第2弾!
VTuberの妹の配信に入り込んだ切り抜き動画ってやつが妙にバズり、その謝罪配信をしたのはよかったが、何故かそれから立ち絵が勝手に作られ、あれよあれよという間に公式の非公式ライバー「兄者」としてVTuber扱いされて数ヶ月。バカ(妹)、オタク、酒豪、魔王といったいつもの面子に新たにデビューしたライバーが加わった。ゲームしたり、晩酌配信したり、ドッキリを仕掛けたり……俺たち兄妹の日常は、まだまだこれからだ!

Vtuberをしている妹の配信にそうと知らずに映り込んだ切り抜き動画がバズり、実質Vtuber扱いされるようになってしまった「兄者」。妹の同期や先輩達となんだかんだ楽しくやっていたが、妹の所属するVtuber企業『プリズムシフト』にも新人が到来して……!?

テンポ良い会話劇だけでずっと面白いの凄いよなあ

面白かった〜。1巻読んでた時に気になって細かい部分(主にサブタイ前後の改行とかサブタイ前後の改行とか)が解消されて、テンポの良い会話劇だけが残った。そしてそれがずっと面白いので凄い。

前巻と比較して兄者のスタンスがはっきりしてきて、なんだかんだ言いつつもそれなりに現状を楽しんでると伝わってくるの良かった。1巻の時は良くも悪くもなんでこの人文句言いまくりながら金も貰わずに慈善事業でVtuberもどきやってるんだろう?というのが結構あって……なんだかんだで色々考えて意識的にこのスタンスをやってるんだと解ったの良かったです。そして、兄者自身の本音がちょっとだけでも見えてしまうと一連の兄者をデビューさせたいライバー達やリスナーとのやりとりがじゃれ合いにしか見えなくて一気に面白くなってくる。

妹である桜との家族だからこその容赦のない掛け合い、スミレ先輩との間に巻き起こる大人の鈍感ラブコメの空気、周囲でわちゃわちゃしている他女性ライバー達との絡みも良かったんですけど、個人的にはやはり夜斗との自然な男性同士の悪友感がとても良かった。変に重たくない、それこそ物語の外でも自然に集まって飯食ってゲームやって遊んでそうな自然な悪友感が本当に好み。ラストのエイプリルフールの話とかめっちゃ好きです。

ただ個人的にこの話、1編1編は凄く楽しいんだけどずっとテンポが同じなので一気読みするとだんだん胃もたれしてくるのはあるな……もうちょっと1冊に入れる話数減らしてもいいと思うんですが……。良い意味で頭を空っぽにして読める物語と言うか、なにかの気分転換に1話ずつ戴きたい物語って貴重なので末永く続いて欲しいけど、同じくらいに一気読みしようとすると謎のカロリーの高さを感じる(そういう意味でなろうで1話ずつ読むのが一番正解なのかもしれない)。

でもサブタイ(配信タイトル)の前後に空行いれてくれたのは全力で称賛したいです。いや原文からしてこうだったんだよ1巻本当になんだったんだよ。本当は配信タイトルのフォントのウェイト変えてちょっと装飾するくらいはしてくれてもいいんだよ。


やぁ“登校”に挑めニンゲン 〜ゲーマー共は武器を片手に歪んだ校舎を踏破する〜

 

レーベル史上初のW受賞! 迷宮登校ストーリー開幕!
人を殺せるホログラム――改め「触れるホログラム」。これを自在に生成するAIは、世界を創造するAIと呼べるのではないか。 彩淵学園の管理を担うAIは、世界を書き換え放課後の学園に巨大な迷宮を生成する。目的は不明だがAIはその頂上へ辿り着く最強の生徒を常に求めており――そうして呼ばれたのが、VRゲームを極めた少年<晴斗>だった。 攻略が進むにつれ、校舎型迷宮の雰囲気は不気味に変わっていく。だがそれでもAIの指示は変わらない。登れ、校舎の頂きへ――すなわち「“登校“に挑め」と。 ……なんて、ここまで真面目そうな空気を匂わせたところで衝撃の事実。なんとこのラノベ、ジャンルは驚異のラブコメディ。

彩淵学園に入学した初日から生徒会長である緋菊七姫に一目惚れしてしまった新入生の羽零晴斗。彼女が同性を嗜好すると聞いて早速「男」を捨てることを決意!?早速女性用のVRアバターを用意して行動を開始する。一方、緋菊七姫は彩淵学園を管理するAIが学園に作り上げた大迷宮の攻略のため、戦力となる新入生を探していた。羽零晴斗が世界トップクラスのVRゲームプレイヤー『セイテン』であると知り、彼を仲間に引き込もうとするが……!?

「天才」と書いて「バカ」と読む

進化したAIによって現実すらもVRによって上書きされてしまう学園を舞台に、放課後に展開される巨大迷宮を踏破しようとする天才(バカ)共が奏でる青春の狂騒曲。

片方は恋愛感情を拗らせ・もう片方はファン感情を拗らせた結果何故かお互いに性転換して相手の懐に入り込もうとする主人公&ヒロイン(ほぼ両片思い)があまりにも天才の無駄遣いで最高だし、もうそこからひたすら紙一重の所でお互いの正体がバレないまま展開していく性転換あべこべラブコメっぷりが最高に面白かった!でてくるキャラクター誰も彼もが天才すぎてバカすぎる!!!正直、七姫が性転換する理由いくらなんでもどうしてすぎたけど細けえことはいいんだよ。

というかこれ迷宮に潜れるのが同一性のパーティーのみという縛りを考えると、多分お互いの正体がバレたあとも性別変更版アバターが活躍する流れだしなんなら他キャラの性別変更アバターがでてきてもおかしくはない流れなんですよね。まったくどこまで性別を行方不明にするつもりなんだ(期待するな)

ヒロインのために一生懸命戦う主人公はいつだって最高なんだ

基本的には異常な学園を舞台にバカどもが繰り広げるTS学園バトルラブコメディ(要素が多い)なわけですが、その一方で最強の能力を持つVRゲームの天才達がその知識と技術の全てを駆使して肥大化したAIが作り上げた叡智に挑む物語でもありました。ゆるい感じでわやわやしていた序盤から一転、一気に不穏な空気を醸し出しはじめる後半とその不穏な空気に見合うだけの恐ろしくてスリリングな迷宮攻略展開がめちゃくちゃ楽しい。

いやもうそしてほんとに普段はバカしかやってないのにクライマックスになったとたん冷たく見えるくらい冷徹に無双していく主人公が性癖ど真ん中すぎて……!!!そしてそれ全てが窮地に陥ったヒロインを救うためでもあるのが最高の高。生命を掛けて主人公を助けようとするヒロインと傷ついたヒロインを救うために自らの生命を掛けて戦う主人公、どっちもいくら食べても良いものですからね。

それに加えて主人公の悪友・蓮司と晴斗のお互いを信頼し合っているからこその遠慮のなさすぎるどつきあい・掛け合いが最高にヘキですありがとうございました。蓮司自身もその幼馴染である夜魅さんも今回は顔出し程度の活躍だったので、今後掘り下げが来るだろうし本当に楽しみしかないな。

余談ですが、あとがきが10年来稀に見るレベルでキレッキレでめちゃくちゃ笑ってしまった。その担当編集さんとカップリング談義させてほしい。性癖が合うというよりも男の娘vs女装男子、同一人物カップリングvs主人公の悪友×主人公のカップリングで激論をかわしながら時折性癖が一致してガッツポーズ取るような旨い酒を飲みたい。BW特典小説のタイトルどうしてそうなった??(ありがとう)


1/nのワトソン

 

技術ガチ勢、人気Vtuberの相棒に!?
探偵系Vtuber「ほむるちゃん」。 彼女のもとには視聴者からの一風変わった依頼が舞い込んでくる。 それを解決するのもまた視聴者であり、1万人の「ワトソン」たちが“正解”を目指して競い合う。 エンジニア男子・啓×Vtuberオタク女子・ひかりの幼馴染コンビが、インターネットを、ゲームの世界を、メタバースを、そしてリアルを駆け抜けるーー。 第19回小学館ライトノベル大賞〈優秀賞〉受賞! なんでも有りなアンチミステリ・インターネットバトル、ここに開幕!

幼馴染であるひかりから頼まれたのは、彼女の推しである探偵系Vtuber「ほむるちゃん」がリスナーたちに出した「依頼」を解決することだった。エンジニアをしている啓は持ち前の技術力を活かして彼女からの依頼を解決していく。3回依頼を解決したリスナーにはチャンネルのコメント削除権限であるスパナが贈られるというのだが……。

数多の選択肢から「愛ある解」を模索する物語

技術ガチ勢である主人公がプログラミングやAI技術を駆使して「ほむるちゃん」から投げかけられた依頼を鮮やかに解決していく展開がとにかく楽しい物語でした。たった一つの真実を見抜くのではなく、数多ある解の中から依頼者にとって最良となる「愛ある解」を選び取り更にそれを主人公の持つ技術力で解決していく展開が面白い!依頼者本人の事情や心情を掘り下げてそれによりそうだけでなく、リスナーに依頼したほむるちゃん自身にとっての最良ということで動画の撮れ高まで意識した華やかなエンタメバトルになっていくのがまた面白かったです。

そして、鮮やかな探偵劇の裏側で明かされていく主人公・啓とその相棒である幼馴染・ひかりの複雑な関係性。徹底的に依頼者の心情を重視する啓が胸のうちに秘めた過去の事件と後悔。探偵系Vtuberほむるちゃんの前世・宮本ミカンが引退した事件の真相。これは宮本ミカンの炎上に際して何も出来なかったひかりが転生した推しに今度こそ何かをしたいと思って力(スパナ)を求めてはじまった物語であり、ほむるちゃん自身が「宮本ミカン」というかつての自身の未練を振り払うための物語でもあったんですよね。2つめの依頼まで物語を進めるための書割みたいな存在でしかなかったほむるちゃんが「3つめの依頼」の掘り下げによって一気にリアルな人間として肉付けされていく姿が印象的だったし、ラストの啓とほむるちゃんとの対話がめちゃくちゃ良かった……。

もうひとつの「推し心の後始末」

ところで、いなくなったVtuberに対してファンがなにかしようとする物語と言うと同作者の「鈴波アミを待っています」をどうしても連想してしまいます。こちらもめちゃくちゃ好きだったな……。

あちらの主人公がひとりよがりに迷走して自身も傷つきながら浮かび上がった推しを一瞬だけ再び舞台に上げてどちらも表舞台から消えていく物語であったのに対し、この物語は宮本ミカンを喪ったひかりが幼馴染である啓の助力を得て他のファンも巻き込みつつ新しい姿になった推しを今度こそ輝かせようと奮闘する物語となっていて、読み終わってみると対象的な展開になっていたなと。展開もジャンルも全然違うんだけど、もう一つの「推し心の後始末」の物語だったなと感じました。

どちらもめちゃくちゃ面白かったのでこちらが刺さった人はあちらも読んでほしい。

1年掛けてシンデレラロードを駆け上がっていったVtuber鈴波アミ。彼女は1周年記念配信の直前に失踪してしまう。鈴波アミの帰りを待つファン達は、毎日彼女が配信を行っていた23時に1...


魔術師クノンは見えている 8

 
Laruha

禁断の研究を食い止めるべく、造魔学の第一人者である教師と発明勝負!?
クノンの試作品から魔道具の技術に興味を持った造魔学の教師ロジーは、最強の生物兵器の構想を閃いてしまう。いざ実験と意気込むロジーの好奇心を禁断の研究から逸らすべく、クノンは兄弟子と共に発明勝負を申し込み下剋上に挑む! 一方、ミリカとの約束であるヒューグリア遠征の準備も怠れない。だが同行予定だった聖女レイエスが、学園長である世界一の魔女から直々にある“依頼”を課され……? 教師達に己の実力を示せ――試練の冬が始まる第八弾!

眼を作るという目的のため、造魔学の教師ロジーから教えを受けることになったクノンだが、クノンから魔道具の話を聞いたロジーは造魔学と組み合わせた危険な研究を提案しはじめる。それを止めるため、兄弟子カイユとともに師匠と発明対決をすることになるのだが……!?

面白かったんですけど話の切り方が中途半端すぎる

造魔学の師にうっかり魔道具の知識を与えたばっかりに危険な発明勝負をするはめになったり、婚約者・ミリカが当主代行を務める領地に出向いたりする第8巻。

造魔学の師弟対決の話、クノンの善性と持ち前のひらめきが全開で生かされるめちゃくちゃ面白いお話でしたね……どうしたって危ない魔術のイメージが付き纏う造魔学の悪いイメージを中に隠して何の変哲もない便利な発明としてお出ししてしまうの流石すぎる。そして発明対決の後の造魔学師弟の様子、こういうのが見たくてクノン読んでるんですよすぎて最高でした。

そして後半は前巻でちょっと示唆されていた婚約者であるミリカが居る将来のクノンの領地に視察に向かうお話。聖女レイエスやらクラスメイトやらワケアリの準教師を連れて大人数で向かうクノンも大概でしたが、迎え撃つミリカ様の方も「ここにいちゃいけない人」のオンパレードで腹抱えて笑った。どこをどうしたらそういうことに!?クノンが魔術師達を引き連れて何やろうとしていたのかも気になるけど、それ以上にマジでなんでこんな領地が治外法権化してるのか知りたすぎる。初々しい許婚ふたりのやり取りにはニヤニヤしてしまいましたが、ミリカ様も色んな意味で只者じゃないんですよねと改めて思い知らされるエピソードでした。

今回も安定して面白かったんだけど、展開的には前巻からやってた造魔学まわりの話と次巻に続く領地視察の話の間に挟まってて中途半端な終わり方と言うか、色んな意味で盛り上がりに欠ける回というか、とにかく座りの悪い一冊だったな。前半を7巻に、後半をこれから発売される9巻になんとかぶち込むことはできなかったんだろうか。造魔学の話とか本当に面白かったんですけど7巻の感想に書いたことの繰り返しになっちゃうんですよ最終的に……。

カドカワBOOKSは後ろに他作品の試し読みをぶちこむくらいならそのページ使ってこういう変な所で切れるなろう小説のページ数を上手く調整してくれたほうが嬉しいんだけどなあ……。


あそびのかんけい2

 

想い人とのデートイベントが発生──告白までカウントダウン!
想い人である小鳥遊みふるへの告白を決意した常盤孤太郎だが、適切なタイミングが見当たらず未だできないでいた。 そんな中、新作ボードゲームの買い出しにみふるが突然同行を申し出てきて──「一緒にいて楽しい人とは、たくさん遊びたいじゃん!」まさかの休日デートイベントが発生! 「腕組むとか、友達でも普通だから」 いろいろと距離が近いみふるに心揺さぶられ、告白もカウントダウンかと思いきや……。『クルマザ』常連客のウタマルから孤太郎は衝撃の告白を逆に受けることに。 秘めた想いを打ち明け一歩を踏み出し始めた三者三様の恋は次なる盤面へ!

ボードゲームカフェ『クルマザ』で店長代理をしている孤太郎は、同僚でありギャルの小鳥遊みふるさんに告白を決意。でもなかなか上手くいかない。みふるさんと買い出しに出かけてデートみたいな甘い展開になったり、常連客のウタマルから思わぬカミングアウトを受けたり……そんな中で疎遠になっていた学生時代の友達から連絡が来て……。

三角関係ラブコメとして盛り上がってきた!!

前巻に引き続き、メイン3人が水面下で一歩前に踏み出そうとして自分のついた嘘に足をとられて七転八倒する様子がとにかく楽しかった!気持ち的には両想いのはずなのに一向に進展しないバンジョーとみふるさんのラブコメ具合がひたすらくすぐったい。

そんな中で前巻での傍観者に近い立場から一気に盤上に躍り出てきた歌方月乃。恋愛初心者のはずなのに、二人の逃げ場をなくしてから目当ての駒を取りに来る手つきが鮮やかすぎてさすが若手女流棋士、重畳でした!!今回はみふるさんも可愛かったけどそれ以上に表紙の通りに月乃がメインというか、もう最後まで彼女に持っていかれた1冊でしたね。バンジョーの性格を逆手に取ったスピード展開が吉と出るのか凶と出るのか。いや3巻が楽しみすぎる。

とにかく読者の期待の裏切り方が上手すぎる

そしてもう一つのメインとなっていたのがバンジョーの元同級生の武士、そして武士の自称元カノ・半杭とのアレコレ。あとがきで「この作品はラブコメなのにミステリって言われる」とかぼやいてましたけど、なんていうか「こういうとこ」だよ!この作品がミステリーって言われちゃうのこういうとこだよ!!!

殺人事件や謎解きが起きるわけではなくてあくまで日常系のラブコメなんだけど、作中での情報の出し方がめちゃくちゃ上手くて……読んでるこちらとしてはめちゃくちゃ惑わされるんですよね。読者の期待の裏切り方がめちゃくちゃ上手い。期待を裏切るといっても悪い意味じゃなくて、むしろ読んでて期待を裏切られて気持ちよくなれるめちゃくちゃ凄い作品だなと改めて感じました。あと本文だけでも上手いのに挿絵まで使って惑わせてくるのは卑怯ではないでしょうか。

いやなんか本の感想であんまり素人が上手いとか下手とか言いたくないんですけど、中盤以降はひたすら「葵せきな、物語書くのが上手い……」って唸ってた気がする。一杯食わされたというかなんならもう4杯くらいは喰わされた。

3巻が楽しみです!!あとこのラノ1位獲得おめでとうございます!!!