眼を作るという目的のため、造魔学の教師ロジーから教えを受けることになったクノンだが、クノンから魔道具の話を聞いたロジーは造魔学と組み合わせた危険な研究を提案しはじめる。それを止めるため、兄弟子カイユとともに師匠と発明対決をすることになるのだが……!?
面白かったんですけど話の切り方が中途半端すぎる
造魔学の師にうっかり魔道具の知識を与えたばっかりに危険な発明勝負をするはめになったり、婚約者・ミリカが当主代行を務める領地に出向いたりする第8巻。造魔学の師弟対決の話、クノンの善性と持ち前のひらめきが全開で生かされるめちゃくちゃ面白いお話でしたね……どうしたって危ない魔術のイメージが付き纏う造魔学の悪いイメージを中に隠して何の変哲もない便利な発明としてお出ししてしまうの流石すぎる。そして発明対決の後の造魔学師弟の様子、こういうのが見たくてクノン読んでるんですよすぎて最高でした。
そして後半は前巻でちょっと示唆されていた婚約者であるミリカが居る将来のクノンの領地に視察に向かうお話。聖女レイエスやらクラスメイトやらワケアリの準教師を連れて大人数で向かうクノンも大概でしたが、迎え撃つミリカ様の方も「ここにいちゃいけない人」のオンパレードで腹抱えて笑った。どこをどうしたらそういうことに!?クノンが魔術師達を引き連れて何やろうとしていたのかも気になるけど、それ以上にマジでなんでこんな領地が治外法権化してるのか知りたすぎる。初々しい許婚ふたりのやり取りにはニヤニヤしてしまいましたが、ミリカ様も色んな意味で只者じゃないんですよねと改めて思い知らされるエピソードでした。
今回も安定して面白かったんだけど、展開的には前巻からやってた造魔学まわりの話と次巻に続く領地視察の話の間に挟まってて中途半端な終わり方と言うか、色んな意味で盛り上がりに欠ける回というか、とにかく座りの悪い一冊だったな。前半を7巻に、後半をこれから発売される9巻になんとかぶち込むことはできなかったんだろうか。造魔学の話とか本当に面白かったんですけど7巻の感想に書いたことの繰り返しになっちゃうんですよ最終的に……。
カドカワBOOKSは後ろに他作品の試し読みをぶちこむくらいならそのページ使ってこういう変な所で切れるなろう小説のページ数を上手く調整してくれたほうが嬉しいんだけどなあ……。
