無事に単位を取得し、魔術学校の二年生に進級したクノン。新学期を控えたある日、ジオエリオンから彼の従妹が特級クラスに入学したと聞かされる。魔術にイマイチ興味を持てない彼女を魔術の深淵に引きずり込んでほしいと頼まれるが……?
新入生を加えてますます賑やかな新学年編!
進級したクノンがいつも通りに波乱を巻き起こしまくる二年生編開幕。色々な意味でこれから起きる新展開に向けての種まきの巻という感じではあったのですが、魔術に興味の薄かったジオエリオンの従姉妹が早速魔術(と美しいお姉様方)の世界に引き摺り込まれて沼ってるのにニヤニヤしてしまうし、サトリ先生主導のフィールドワークで相変わらずの「紳士」ぶりを発揮して何も知らない地元女性住民達のハートを鷲掴みにしたり、男だらけの現地調査でやる気を見失ったり……今回も面白かったなあ。クノンの塩対応の餌食になったサーフ先生は強く生きろ。とにかく一貫して魔術を探求する者達が夢中で自分のやりたいことやってる話になってるのが、ひたすら楽しいんですよね。ジオエリオンの従妹・セララフィラは色々な意味で魔術探求以外の邪念(お姉様)もあったように思えるのですが、そんな彼女だからこそ従者含めた周囲の人間に現在の自分の姿を絶対に見せないようにして、なりふり構わず魔術の鍛錬に打ち込もうとする姿が印象的だったり。
謎多き教師・クラヴィスからの挑戦状、「鏡眼」の見せる不思議な視界に関しても少しずつ新たな事実が明らかになったりして……色々な意味で今後の展開が楽しみになる1冊でした。あと意味ありげに巻末で始まったゼオンリーの過去編気になる。