表紙や順番を考えて耀回かとおもってたら三大問題児の中でも最強のチート・十六夜の過去が明かされる回でした。
チートだらけのこの作品の中でも飛びぬけた実力を持つ十六夜だけど、それは以前から「力」の使い方・御しかたを学んでいたせいなのかと納得。ありあまる能力とそれを持つが故の空虚さや退屈を御しきれず、迷走する十六夜が金糸雀と出会い、共に行動する内に諦観と共に得た大切な感情。強大な力を持つ彼が、腐り諦観しながらも『壊さないように』と思う程度に矮小な世界をかけがえのない大切なものだと語る様は本当に胸が熱くなった。色々な意味でフリーダムで自分勝手な行動が目立つ十六夜だけど、同時に人一倍仲間思いで、不器用な優しさを持ったキャラだというのがたまらなくいとおしい。
同時に、一見何のつながりもないと思われてきたキャラクター達に色々な繋がりがあることがわかって、ますますこの世界の謎が深まった感じ。十六夜の育ての親である金糸雀の正体を考慮しても、他にも色々繋がりがありそう。個人的には1巻のプロローグで語られた3人の召喚シーンと矛盾する場面が2巻からちょくちょく挿入されるのがとても気になるんだけど、これもなにかの伏線なのかなあ。
物語自体は南の「収穫祭」を舞台にした大規模なギフトゲームを巡る前哨戦というかんじで、完全に次巻に続く引き。最後に降りかかってきたギフトゲームの決着を含め、どうなってしまうのか本当に楽しみです。