その能力を畏れた魔王によって幽閉されている聖女に転生した主人公が、正体を信じてもらえない無力感を感じながらネトゲ世界で「聖女」を名乗り、「勇者」「王子」「姫」を名乗る人物とパーティを組んで廃プレイをするお話。
3話完結(一応番外編の予定あり)でさっくり読めて、短く綺麗にまとまってるので気軽に読めた。パーティーメンバーの正体は言わずもがな…という感じなんだけど、なまじ転生していて人間社会を知っている彼女が感じる自分以外の人間と触れ合えない孤独・信じてもらえない絶望感と、その孤独を癒やしてくれる「勇者」達との触れ合いが暖かく、楽しかった。ネットの反応がおもくそリアルで人の心がないし、自分も同じ書き込みを見たら同じ反応するだろうと思うので震える。
メインの話は綺麗にまとまってるから必要ないといえば必要ないんだけど、転生者周りの設定は面白そうな割にラストでざっくり設定解説されるだけなのが少し残念。番外編の予定があるみたいなので期待したい。
幽閉された聖女は塔の上でネト充する
作者: ツルギ聖女は魔族に幽閉されていた。
逃げる手段もない塔の上で、魔法ネットワークの世界に助けを求める。
「私は聖女です。幼い頃からずっと魔族の塔の中に閉じ込められています。助けてください」
しかしネットの海は、彼女の声をかき消すほどに広大だった。
――そして数年後。
勇者「それで、場所はどこなんだ?」
聖女「その話はクエストをクリアしてからだ」