“結城 あみの” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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腐男子先生!!!!!3

 

オタク生活に卒業という文字はない!……はず?? 腐女子JK・朱葉(神絵師)もついに高校3年生に進級! イケメン生物教師としてのオンの顔と、残念なオタクのオフの顔を持つ担任の腐男子先生・桐生(信者)との関係にモヤモヤしつつ 進路相談(三者面談)をすると、まさかの反応が……!? 受験に向け、同人活動休止にゲームも漫画もアニメも自制! 我慢の先にある二人の未来は……?? 「オタクの予定は半年先まで決まり続けるからな」 共感しすぎるオタクラブコメ、堂々完結!!!!!

高校3年生になり、大学受験が目前に迫ってきた朱葉。母親を踏まえた三者面談で桐生から何気なしに出てきた言葉にショックを受ける。桐生にとって自分はただの生徒でしかないのか?ジャンルが変われば次の「神」をみつけてしまう程度の存在なのか……と、なんとなしに桐生を避けるようになったまま、高校生活最後の同人イベントを迎えることに……。

「卒業」おめでとうございました!!!

いやもうまず本当に3巻が出てくれたことがめちゃくちゃ嬉しいしめでたい!!!前巻から一年以上経ったし、色々と文庫での完結は難しいのかなと思い始めた矢先の出来事だったので喜びもひとしおでした……。同人オタクの悲喜こもごもを描くお話だからこそ、「紙の本」で最後まで読めるのにはまた一層の感慨深さがあります。いやもう本当に好きな話なので素直に紙で読めてよかったWeb版初読時の感想はこちらです!!

っていうかもうあのシーンやこのシーンに挿絵がついたことに喜びを感じざるを得ないのですが、特に文化祭編のふだせん挿絵最高でしたそこに挿入ると信じてましたーーー!!!あとほんとラストの挿絵はもうね、ああやって気合い入れて描かれると、泣くしかないよね。

変幻自在に色を変える桐生と朱葉の関係性が楽しい。

あるときは気の合うオタク友達、またあるときは同人作家とその信者、そしてあるときは教師と生徒──と、色とりどりに変化していく二人の関係性がとても良かった。特に、今巻で語られる作家と読者の関係性の話がめちゃくちゃ好き。「神様は、信者を選べない」という言葉の本当の意味に、神作家と信者として始まった関係が徐々にそれだけではない、かけがえのない相手へと変化していった道程を感じて胸が熱くなってしまう。

後半に行くにつれて不器用ながらにお互いの気持ちを自覚した二人の関係が少しずつ甘くなっていくのがたまらないのですけど、それはそれとして終始挟み込まれる気の合うオタク男女なやりとりが大変に楽しく。最後まで一貫して「オタク楽しい!」のお話なのが最高でした。

きりゅせんほんと「そういうとこ」だぞーーー!!!

朱葉との関係や問題児・都築の進路指導を経て、桐生にとって“擬態”でしかなかった教師という職業が彼にとっての天職となっていく姿が印象的でした。教え子たちに一生モノの“好き”を見つけてほしいという桐生の願いにも似た信念は、紛れもなく彼が“オタク”として生きてきてそして見つけ出した人生観なわけで、タイトルの通りの“腐男子先生”になっただなあと。いや、だからといって都築への進路指導の結末は色々とどうかと思うんですけどね!?あとやっぱり何度読んでもあの流れからの個室焼き肉はいかがなものかとおもいます!!!いやそこ選ぶのわかるし、あながち間違いではないんですけど、ムードぶちこわしだからね!!?ホントそういうとこだぞ!!??

都築くんといえば電子書籍版の短編がめちゃくちゃよかったので全都築くん好きのオタクに読んでほしい…………。あと小説家になろう版の後日談のマリカさんと都築くんの話がめちゃくちゃ好きなので全マリカさんと都築くんが好きなオタク読んでほしい…………。(小説家になろう版、特に3巻は削られた部分が多いので書籍版から入った人には読んでほしいんですよね。都築の進路指導の話とかも結構削られてたし。あと後日談が好き。R18書く書かないのやり取りとかもニヤニヤする)


腐男子先生!!!!!2

 

イベント会場で残念な出会いを果たした腐女子JK・朱葉(神絵師)と腐男子先生・桐生(信者)。イケメン生物教師としてのオンの顔と、残念なオタクのオフの顔を使い分けながら朱葉とオタ活に勤しんでいた桐生だったが、世はまさに新学期。図らずも桐生は進級した朱葉の担任になってしまい…!?「早乙女くんの人生からブロックされたら、すごく、困る!」朱葉の熱烈なフォロワーも学校に入学し大波乱のオタクラブコメ第2巻!!!!!(「BOOK」データベースより)

同人活動をしている女子高生と、彼女の面倒くさいファンだったイケメン教師(※隠れ腐男子)が繰り広げるオタク系ラブコメ。1巻からめちゃくちゃ間が空いたのでこれは2巻が出ないコースかなおのれエンブレと思っていたのですが……続きが出ました!!

序盤のオタクネタがとにかくキレッキレで、今リアルタイムでオタクしてる私がめちゃくちゃ楽しい。二次創作や腐女子あるあるを盛り込みつつも、ここ数年をオタクとして生きてきた人ならピンとくるあのネタこのネタがこれでもかというほど詰め込まれているのが楽しくて仕方がない。特にここ4年ほどアイドルマスターSideMのオタクをしているので、私はとある腐男子先生の国民のチョコレートの日直前休日の話でわかりすぎて死んだ。っていうか現地に居た。分かる人は是非原作該当部分を読んでから一覧に戻って投稿日時を見て欲しい。……ねえこれリアルタイム過ぎない!?Web小説ってすごい!!

どちらかというとオタク男女のドタバタが中心だった前半から、朱葉の進級が近づくに従って少しずつラブコメ比重が高くなって来る気がする。トリプルフェイスで執行するけど。信者から粘着される話はリアルで想像すると怖すぎるんだけど、読んでいくと最終的に一番ヤバイのって先生じゃない!?ってなるの本当に不思議ですね……なんでこの人、朱葉のフォロー関係からリプライまで朱葉自身よりも把握してるんだろう。いっそ粘着犯の言い分の方がある意味「オタクあるある」的だったな!!(普通はそこからリアル粘着はしないけど)

三年生になり、ただの「同じ学校の教師と生徒」から「担任と教え子」にランクアップしてしまった二人。一見距離が縮まったようにも見えるけれど、むしろ以前よりも不自由になった事の方が多くて。物語の舞台も放課後の生物準備室から教室と部室に。朱葉の大ファンである後輩の咲やリア充クラスメイトの都築を加え、少しずつ変化していく二人の関係が印象的でした。

2巻ラストを飾るカラオケボックスのエピソードはなろう版と商業版でオチが違うと聞いて、なろうの該当箇所を読み直しに行ったのですが、あっちの話もめちゃくちゃ好きなので単行本からの人は是非原作版も読んでください。該当箇所は61〜62話です。

書籍版は口から砂糖吐く感じで大変けしからんのですけど!!
「早乙女くんに向けて歌うよ」のあの遠回し感も!!
「そういうプレイ」って嘯くのもすごい好きで!!!
(ところで早乙女くんに向けて歌うやつの元ネタがわからない…)
↑これの話言及いただきましたありがとうございます……某スケートアニメだそうです。

余談なのですが電子書籍版特典のおまけ小説がすごく良かったです。リアルでの付き合いがある気のおけないオタク友達の家で泊まりで遊ぶってまじこういうノリになりますよね……空気感の再現度が高すぎる。


腐男子先生!!!!!

 

ごく普段の腐女子・早乙女朱葉のスペースに同人誌を買いに来たのは、ごく普通の腐男子・桐生和人。ただひとつ、ごく普通と違ったのは、二人は高校の教え子と教師だったのです―。イケメン生物教師の真の姿がもっさり残念メガネ男子かつ同じ沼の狢…だと…!?そう、これは―教え子を神(絵師)と讃えるイケメン腐男子先生と、とある腐女子の物語。こんな先生に教えられたい!?共感しすぎるオタクラブコメ登場!!!!!(「BOOK」データベースより)

 朱葉の同人誌を買いに来た一見冴えない腐男子は、イケメンと評判の生物教師だった!?それ以来、自分のファンだという桐生先生との交流が始まって……?というお話。「小説家になろう」を原作とした書籍化作品。(→原作はこちら

 面白かった…!!同人の修羅場でテンパる話とかオタクものの定番のお話も盛り込みつつ、SNSやソシャゲや応援上映など最新のトレンドネタをぶっこみつつ、大人のオタクと未成年オタクの資金力の差とかでガヤガヤしたり、ワイワイ盛り上がっていくのがすごく楽しい。特にオタネタの鮮度の速さは原作Web小説ならではですね。「好きなものには末永く課金したい」は金言。

 ふたりの距離感が重くなく軽くもなりすぎず、ラブコメ以上ラブコメ未満という感じでとても好き。学校という空間でいつも一緒にいられる反面、生徒と教師という体面を保つためには色々と関係を取り繕う必要があり、そこにひとかけらの禁断感と、素直に近寄れないもどかしさが生まれていくのが良かった。そしてラブコメっぽい展開になっても先生の面倒くさいオタクぶりが障害になっていくのにニヤニヤする。

 特に個人的に大好きなのが、ライブのチケットを譲渡するのに主人公がわざと本人の目の前でツイッターでの募集をかけ、そこに先生の取引垢(プライベート垢ではない)が初対面を装いチケットの譲渡を持ちかけるというシーン。あくまで先生が個人垢を晒さないこと、目の前で喋っているのにわざと一回SNSを介するところとか平安時代の恋文のやりとりのような軽妙さ、様式美を感じて。桐生が一オタクとしての自分(本音)と教師としての自分(建前)を使い分けてくる感じ、最高に良かったです。

 それでこの後この関係のままゆる〜く続くのかラブコメ方向に行くのか大変気になってて書籍化してない部分を読むか悩んでるんですけど書籍化されてからじっくり読みたい気もして大変悩みます。書籍化部分も未収録のネタとかあるみたいなのでそのうち読みたい。なおpixivコミックではじまってるコミカライズも大変良かったので気になる方はそちらからでもどうぞ。

「けどその代わり、今度から原稿は手伝わせないように」
 返す刀のその言葉に、朱葉はちょっと気まずい顔で笑って。
「や、やっぱ、だめでした……?」
 勝手に一方的に仲間だと思って、やりすぎたかな、と顔色をうかがうように聞いてみれば。桐生は自分の顔を覆うようにして。
「新刊は本の形で読みたいの……」

 ところでこれがわかりすぎて困る……(面倒くさいオタク全開)


【Web版】腐男子先生!!!!!

作者: 瀧ことは

ごく普通の腐女子と、ごく普通の腐男子が出会った。イベント会場で。
ただひとつ、ごく普通と違ったのは、二人は高校の教え子と教師だったの……でした。

2018年3月、高校卒業とともに、完結。
卒業おめでとう。
そして、ありがとう!!!!!
ジャンル:現実世界〔恋愛〕

序盤は「腐男子」と「腐女子」がお互いの趣味や関係を周囲に隠しながら「オタク楽しい!!」する話で、それがだんだん「描き手」と「読み手」の話になり、「教師」と「教え子」の恋のお話、初めて担任になった先生と未来に向けて悩む高校生がお互いの道に迷いながら共に歩もうとする恋愛と青春の話になっていく。タイトル通りにオタクネタをふんだんに盛り込みながら、二人の関係の変化に従って物語も色とりどりに変化していくのがとても楽しかった。

朱葉が同人を一時引退してからは恋愛と青春へのふり幅が大きくなったけど、お互いに一定の線を引きつつ「好きなもの」にどこまでも真摯な二人の姿が印象的でした。あと、書籍版感想でも書いたけどとにかくリアルタイムに流行った作品のネタを詰め込んでいく姿勢がどこまでもWeb小説という今を生きるメディアならではでめちゃくちゃ楽しい。旬を過ぎても一般的なオタクの話として楽しくはあるんだけど、リアルタイムで読むのはテレビアニメのリアルタイムTwitter実況みたいな中毒性あるよね。SideMの2ndライブの話がライブの翌日にアップされてた話をまたする。

それにしてもメイン2人の関係も良かったし、両想い度が上がっていくにつれ残念なオタクでありつつもいちいち良い所を攫って行くふだせんに「そういうとこだぞ!!!!!」するの最高に楽しかったけど、個人的には最初は当て馬的な感じででてきた幼なじみの太一とクラスの軽薄な男子・都築が気になって仕方なかったです。特に太一は都築と同部という繋がりで再登場してからが本当に好きで。もうカップリングになっちゃいなよ!!!と思うがマリカさんと都築くんの組み合わせも好きなので僕は私は。

▼書籍版感想


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