歴史に残る悪女になるぞ 4 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです! | 今日もだらだら、読書日記。

歴史に残る悪女になるぞ 4 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!

 

悪女になりたいのに――皇后にスカウトされちゃった!? 一方デュークは…
ラヴァール国で第二王子ヴィクターにこき使われるアリシアは、さらに兄であるヴィアンの弱点を探れと命を受ける。 兄弟仲を不審に思いつつもヴィアンの下にやってきたアリシアは、彼に異様に気に入られ「皇后にならないか」と誘われ!?  一方、デュークとジルは聖女リズだけが使えるという誘惑の魔法を解除すべく奔走。ついに聖女と直接対決の時が!

アリシア不在の中、デュークとジルは聖女リズの持つ誘惑の魔法を解明しようと動き出す。様々な試行錯誤を経て、いよいよ彼女との直接対決へ……。一方その頃ラヴァール国で第二王子のヴィクターに拾われたアリシアは、第一王子ヴィアンを探れと命じられる。そこで、なぜかヴィアンと意気投合してしまい…!?

聖女キャザー・リズ、アリシア最大のライバルとして再起する!?

これまで色々な意味でその行動に不可解な点が多かったリズの本質とその本音に迫る回なのですが、良くも悪くも彼女って普通の等身大の女の子だったのだよなあ……。生まれた頃から無意識の内に発動していた聖女の能力のお陰で周囲にイエスマンしかいなかった彼女にとって「話せばわかる」という信条はある意味1ミリも間違っていない(話した相手が誘惑されてしまうから)んですよね。つまり、デュークやアリシアと出会うまでまともな「話し合い」をしたことがなかったわけで……確かにそういう環境で育ったらなんでもかんでも自分の考えを無責任にゴリ押しするようになるよね。過大な力を持ちすぎてしまったひとりの善良な少女が、その能力によって歪んでしまった末路がアレであったと。

そんなリズの能力、片思いの相手であるデュークと最大のライバルであるアリシアに限って通用しなかった。歪んだ憧憬や嫉妬が膨れ上がっていくけれど初めて感じたその感情を自分の勝手な妄想を押し付けることでしか発散する術を知らず、袋小路に陥ってしまう。デュークからの寵愛を欲して子供のように泣く彼女の姿が衝撃的でしたが、ある意味こうなっちゃうのも納得なんだなあ……。

そして自分の能力と本当の感情をきちんと自覚したリズが自分の行いに対して責任を取ることを決意し、彼女の事情を暴いたデューク達に対してどこかふてぶてしい態度で対応するのがめちゃくちゃ良かった。だいぶ時間はかかったけどもともとは善良な努力家で魔法に関してはアリシアよりも数段上の彼女。これは良い最強のライバルとして立ちふさがってくれそうですよ、アリシアさん!!

その頃アリシアは隣国で恋愛フラグを立てまくっていた

いやほんとこの状況で第二王子も第一王子もしっかり落としてデュークのライバルを着実に増やしてるアリシアさんマジ何ーーー!?第二王子ヴィクターとのどこか剣呑とした関係性も、第一王子ヴィアンとの恋愛のようでもあり同性の親友のようでもある関係性も、そして彼女の新たな「部下」となる兄弟のとのやりとりも大変良かったですが、デュルキス国での展開が盛り上がってきた今となっては早くアリシアに里帰りしてほしいという気持ちもかなりあるわけで……しかしこれ当分戻ってこなさそうな気がするな。アリシアの手駒集め、デュルキスから追放されたかつての官僚達はどうするのか、そしてデュルキスに残ったウィルの件も含めてまだまだ帰国前に彼女がやらなきゃいけないことが山積みになってそう。ひょっとして国内が落ち着いたからデューク達がラヴァール国に赴く展開もありうる?

デュルキスでは聖女リズに対抗しながらもデューク王子が着実にアリシアの外堀埋めに来てるわけですが、どうなる次巻!!

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