私はご都合主義な解決担当の王女である 5 | 今日もだらだら、読書日記。

私はご都合主義な解決担当の王女である 5

 

王女権力で無双する―― これが正しい権力の使い方! 政略結婚回避ラブコメ第5弾!
クリフォードにかかった濡れ衣を晴らすため兄セリウスと城下視察に出た私――王女オクタヴィア。 実はこの視察、裏で王族暗殺計画が動いているオプション付き! 危険は百も承知で敵の正体を暴くべく揺さぶりをかけたところ、待っていたのは衝撃の結末だった――。 「何故、殿下は傷ついておられるのですか?」 再び、彼を頼ることになるなんて……!?

シル様襲撃事件の容疑者として投獄されたクリフォードの冤罪を晴らすため、お互いの従者を交換してセリウス王子と市政の視察に赴いたオクタヴィア。ところが、視察の裏では王族の命を狙う計画が動いていた…!?全てを白日のものとするため、囮として様々な揺さぶりを賭けていくオクタヴィアだが……。

セリウスとの兄妹関係が良かった

視察編決着。前巻から引き続き、冷戦状態でこれまではぶつかり合うだけだった兄王子との絡みが良かった。従者の横入りも入らず一緒に過ごす内に少しずつ以前はそうだったであろう、気のおけない関係性に近くなっていくのがたまらない。そしてそんな兄妹の仲の良い様子に正体不明の感情を抱くクリフォードの姿にニヤニヤしてしまった。

その反面、視察で明らかになった事実は色々と衝撃的なことばかりで。麻紀が知る「原作小説の世界」とは食い違っていく関係性や展開、予想外の所から出てきた襲撃の真犯人。父王の伴侶・エドガー様の実家で行われたやりとり、そして襲撃事件の裏にいたのは思いもよらぬ人物で……と、次々と明かされていく終盤の展開には思わず息を飲んでしまう。いや、かつてのセリウス王子って本当に妹のことを大切に思っていたんだな……もちろん「オクタヴィア」が「麻紀」になったことも大きな要因ではあるんでしょうし父王の様子から不穏なものを感じ取ったことはあるのでしょうが、麻紀のあずかりしらぬところで原作小説の展開を捻じ曲げてしまうくらいに彼女のことを大切に想っていたんだな……と思うと。

2巻の時も思ったんですが今回うっすらと明かされた王家の話も含めて、世界観の「ご都合主義」部分に塗り込められた創造神からの悪意が半端ないんですよね。今回のラストで明かされたセリウス王子の記憶を奪った張本人が本当にその人だとしたら、完全にオクタヴィアの心を折りに来てるじゃないですか。今後の展開が楽しみだけど不安しか無い。小説家になろうのあとがきによると次巻で第一章完みたいな展開らしいので、いろいろなことに決着が付きそうでとても楽しみです。面白いんだけど設定が複雑な割に進みが遅い物語なので早めに次巻出ると良いなあ……!!(あと最初の人物紹介の所もうちょっと拡充して欲しい4Pくらい使って欲しい)

そんな中で読者も若干忘れかけてたオクタヴィアの婿取り話がサラっと蒸し返されてて笑った。そして王女なのにばっさり斬られすぎててもう一回笑う。相手は王女なんだからもうちょっと手加減してあげて!!でも本編でこれだけイチャイチャしてるのにクリフォード以外の相手を婿取りするのはやっぱり無理がありますよ!!!(はよくっつけの旗を振りながら)

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