兄の腹心の部下・ヒューが起こした事件を追って、父王の元を訪れたオクタヴィア。そこで自分に政略結婚の話が持ち上がっていると聞かされる。護送されたヒューの行方を知るには──そして政略結婚を回避するには、口から出任せで兄に言った「恋人」の存在を本当に証明するしかない!?空振りしまくってきた偽恋人探し、ついに決着!?
もうクリフォードにしちゃいなよ!!!……とはいったものの
混迷を極めた偽恋人探し、ついに決着。いやこれはネタバレしないほうが楽しい話とおもうのでぼかすんですけど本当に最後の最後まで混迷を極めたし、予想外に予想外を重ねて結局そこに落ち着くとは思ってもいなかったんだよなぁーー!!!!(色んな意味で)という展開でした。いやもうほんとうに最初からずっと「もうクリフォードにしちゃいなよ」状態だったんですけど結局……うん。兄セリウスの記憶、不穏な動きを見せる弟アレクシス、仲が良いはずだったのになんかギスギスしてる父王イーノックとその王配エドガー、それらの影で蠢く「例の人」。更に突然生えてきた政略結婚の話、他国の影も見え隠れしはじめて……これまでの伏線が詰まった盛り盛りの一冊でした。第一部クライマックスという触れ込みだったしセリウスの記憶の件も明らかになっていたので、ある程度しっかり落ち着くところに落ち着くのかと思ったんですが……そこから今巻のどんでん返しにつぐどんでん返しで先が見えないままとりあえず偽恋人探しが一件落着したところで幕引き、という感じに。
そして偽恋人はなんとか決まったものの、この流れだと逆に今後「両思い」になるまでの障害にもなりそうな展開だったなあ……『命令』に対する認識がお互いにすれ違ってそうな気がするんだよなあ……。とはいえ、色々な意味でこのくらいの土壇場じゃないと「彼」には決まらなかった気もするというのもあり。ふたりの前後を含めて物語がどう続いていくのか、とても楽しみです。
それにしても、推しカプを眺めるオタクのような顔のシル様笑ってしまった。この人地味に癒やし枠だなあ〜!!