生前に大好きだった百合ゲームでヒロイン達にちょっかいをかけてどのルートでも悲惨な末路を迎えてしまうお邪魔男子キャラ・三条燈色に転生してしまった主人公。迫りくる死亡フラグを回避し、最前列でヒロインたちの百合を鑑賞したい!!と破滅回避を狙いつつ襲い来る死亡フラグを躱すためにゲーム開始前から努力を重ねていくが、始まる前からゲームとは違う展開になっていって……!?
こんなかっこいい主人公ならハーレムラブコメでも仕方ないよな
大好きな百合ゲーの世界の「百合に挟まる男」に転生して破滅回避して百合カプのあれこれを楽しく眺めたいだけなのになぜか自分中心のハーレムが形成されてしまって頭を抱える主人公を中心としたハーレムラブコメ。(※百合要素はほぼありません)破滅は回避したいのでゲームヒロイン達と出来れば直接関わりたくなく、でも「推し」だから彼女達には絶対に幸せにはなってほしくて、転生した以上対等な人間である彼女達がゲームシナリオ通りの不条理な展開で悲しむ姿を見たくなく、いずれはゲーム通りに主人公によって救われると知っていてもその救いの手が今ないのなら自分が体を張って助けるしかなく、救われたヒロイン達が何故か自分に好意を向けてくるけど百合厨なので自分に恋愛感情を向けてほしくない。主人公の行動原理とその結果として付いてきたハーレムラブコメが完璧にハマっているのが気持ち良すぎた。いや、こんなのヒロイン側から見たら主人公に惚れないはずないし、百合厨である主人公からみたら何故かハーレムラブコメになってしまって「そうじゃねえんだよ!!!」ってなるのもわかりすぎるんですよね。
主人公が転生後の世界をかつて愛したゲームの世界であると認識していると同時に「自分が今生きている現実の世界」としてもきちんと認識できていて、かつて「推しキャラ」であった彼女達と対等の人間として、しかして推しであった頃と同じように愛着を持っている……という絶妙な距離感も良かったな。いやこの距離感、簡単なように見えて結構難しいと思うんです……なんかこう、自覚無自覚に関わらずとりあえず初手は自分のレイヤーが世界から1枚上になりがちなんだよなこの手の話……。
そんなわけで様々な問題を抱えるヒロイン達を救いまくって百合ルートどころかハーレムエンドしか見えない現状だけど、どうなっていくんだろう。回避しないといけない破滅エンドってヒロイン由来・主人公の人格的な問題・百合の間に挟まった罪だけじゃなくてどちらかというと実家周りのあれこれが原因で暗殺されるルートが一番面倒くさそうでありそこは解決できてないどころか妹の問題に出しゃばって行ったりして悪化しているまであるのでまだまだ完全回避とはいかなさそうだし。いろいろな意味でデバフばかりの設定から死亡フラグをどう打ち砕いていくのか、とても気になります。