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ラッキーメイド天くん

 

1億円でお金持ちに「買われて」しまった大黒天(あまね)。でも彼を買ったのは小さいころ結婚の約束をした伊集院千早お嬢様だった! 千早は天にメイドとして働くことを強要。メイド服に身を包んだ天は清楚で愛らしい女の子に大変身! その日からメイドとして働く天だが、どうも彼の遺伝子が狙われてるらしく、あちこちから迫られ大ピンチ! 天の運命は!? (公式サイトより)

父親の作った巨額の借金のカタとして売られてしまった男の子が、幼馴染の女の子の家で女装メイドとして働く事になる…というラブコメ。

また昨今の女装子ブームに便乗した男の娘モノか」とあまり期待せずに手に取ったのですが、これが予想外に良かった!ちょっと「女装メイド」になるまでの展開を強引に感じたのですが、女装少年モノとしてはお約束のイベントはしっかりとこなしつつも、意外に天がきちんと「男の子」として描かれているのがポイント高かったです。予想外に可愛い自分の姿見てキュンとなったりしてる一方で、無防備なヒロインの姿に理性と男としての本能が葛藤してる姿が妙にコミカル。

また、中盤から天をめぐって繰り広げられたお嬢様二人の経済戦争がなかなか面白かった。株の話はとんとわからないので普通に知らない世界の話を知る事そのものが興味深くもあったのですが、状況に流されそうになりながらも、千早を護ろうと一生懸命になってる天くんの姿がちゃんと男の子らしい主人公してて、とても可愛い。というか、色仕掛けのシーンが素晴らしすぎると思いました。胸の中で悪態付きながら千早の為に色気を振りまく天くんかわいいよ天くん。賑やかせ&お色気要員かと思われたメイドさん2人組の意外な活躍も面白かったです。

しかし、「ふたかた」読んだ時も思ったけど伏字だらけのド直球エロワードの数々はなんとかならないのでしょうか。今回は特に、内容的に結構直球でエロい展開が出てくるので、いっそ美少女文庫で読みたいと思ってしまう部分もしばしばで、エロ部分をカットしたエロゲーをやっているような気分に…。もういっそ美少女系のレーベルから出してガッツリエロも入れれば良かったと思うんです。女装子受なら、ギリギリ美少女文庫でもOKなはずだ…!!むしろHJなら性的イタズラくらいまでならOKなんじゃないですか、と呟いてみる。

ていうか、あんまり伏字多すぎると、もうエロいを通り越して雰囲気ぶち壊しなんだよー……
「●ックス」を「えっち」と言い換えるだけでも相当受けるイメージが緩和されると思うのですが。
ラノベとしてのわかつき作品に一番足りないのは、地文と女の子の「恥じらい」だと思う。