とある口論をきっかけに、お互いに気まずくなってしまった優毅と勇生。そんな中、勇生の先輩・雨月鎮が文学賞を受賞して、一躍有名人となる。それは最後の「ブレスレス」事件のはじまりで……ブレスレスの最初のひとりの正体、謎の美少女ベネトナーシュの秘密などすべてが明らかになる完結編。
最初のひとりの正体については2巻の時点でもう半分バレてたようなもんなんですけど、予想以上にエグい展開の連続で凄かったんですけど、この人いちいち(勇生に対して)仕草がえっちすぎませんか?監禁BLかな!?あと口絵の主人公ズが最高ですねありがとうございます!!
色恋沙汰一切抜きでひたすら主人公(男)二人の「相棒物」を読ませてくるのがもうその時点で楽しすぎて、本当に手にとることが出来てよかった。思い返せば最初から最後まで、一貫して主人公ふたりの関係性とそれぞれの「迷い」を描くための物語だったんですよね。成り果てる時に抱いた「願い」に特化する存在、迷わない存在であるブレスレスに対して、迷い続けた二人が「迷うからこそ良いのだ」と自分の迷いを肯定して、その禍根を断ち切る展開が印象的でした。特に勇生は、1巻の頃から一歩間違えたらブレスレス側になってたよなという危うさを感じていたので、自分がずっと忌憚してきた「弱さ」を受け入れて前に進む展開が熱すぎる。
一度は通じ合ったふたりがやはり同じ道は歩むことはなくて、でもかけがえのない「友人」として折り合うことはできると、確かな絆を胸に別々の道を歩んでいくことを予感させるラストが最高。3巻できれいにまとまっていたのも良かったなぁ。