saitom | 今日もだらだら、読書日記。

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どうでもいい 世界なんて -クオリディア・コード-

 
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正体不明の敵<アンノウン>によって、世界が崩壊した近未来。今も<アンノウン>との戦争を続ける防衛都市・千葉に暮らす千種霞は、今日も今日とて「終わらない残業と不毛な営業」と戦っていたーー。成績不振により天然系うっかり女子の蓮華と共に戦闘科から生産科へと出向させられた霞を待ち受けていたのは、しっかり者の上司・朝顔が仕切るブラックな職場環境。TVアニメ放送中の『クオリディア・コード』の「千葉編」前日譚、完全書き下ろし小説として登場! (レーベル公式サイトより)

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 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。(以上東京編の感想ry)

 舞台は防衛都市・千葉。華形である戦闘科に入ったものの成績の振るわない千種霞は同僚の榴ヶ岡蓮華とともに生産科への出向を言い渡される。そこで待っていたのは上司からの理不尽な要求と無茶なノルマをつきつけられるブラックな職場環境だった。そんな中で、霞は生産科のトップ・鶴瓶朝顔が語る「新しい世界」に少しだけの期待を見出すが……?

 あらすじと世界観は近未来学園異能SFだけど8割社畜ラノベだーー!?千葉メンバー特有のインテリヤクザ感とか、登場人物及びやってることの「高校生らしくなさ」とかが、余計社畜ラノベ感高まってしまう。むしろこいつら学生だっけ??って考え始めるまである。

 選挙というシステム自体はあるものの、戦闘科のトップが首席を兼任する時代。生産科という存在を自らブランディングし、地位の向上を目指そうとする朝顔のひたむきな努力と、その本心を知り、力を貸そうとする霞や他の生産科のメンバーが一丸となって行く姿が印象的なのですが……まあ上しか見てないと足元掬われるよな。これだけ周到に根回ししていて、すぐ近くにあった小さな悪意みたいなものに気づけ無いのがなんだかやるせない。

 東京編の悪意は割りと選民思想にコーティングされてるぶんそこそこむき出しだった気がするのですが、千葉編は東京編とは違った意味でどろどろしてるな…。表面上は取り繕いつつ水面下での腹芸と纏わりつくような悪意の応酬が凄かった。神奈川編は腹芸とか全部幼馴染百合で吹き飛ばすやつなので癒やしだな……ヒメかわいい(思考停止)。

 千種兄妹のさらっとしつつも、いざとなるとお互いを立てあってる関係性が好きでした。表面上何を言ってても明日葉は霞のこと大好きなんだよな……。霞もなんだかんだ言いながら、「妹に釣り合う自分」になろうと努力していて、それでも自分とは関係ない部分でそこに届かないもどかしさを感じているのが印象的でした。逆に、だからこそ「妹の足枷にはならない」と言い切る霞が自称「妹の七光り」で千葉次席をやってるアニメ版にどう繋がるのか、とても気になる。良くも悪くもアニメの副読本的な役割も果たしているシリーズなので、早めに続きが出ると良いなあ。

 しかし、アニメ版で成績やランキングなど気にしないと嘯く霞だけど、少なくても千葉編の1巻時点ではめちゃくちゃ気にしてるよね。というか、まあアニメ版も気にしてなかったらあんな微妙な順位即答出来る程度に覚えてないよね……霞が壱弥の事好きじゃないの、別に壱弥が出て来るわけでもないのにこれ読むとひしひしと伝わってきて萌えます。


どうでもいい 世界なんて 2 -クオリディア・コード-

 
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正体不明の敵<アンノウン>によって、世界が崩壊した近未来。今も<アンノウン>との戦争を続ける防衛都市・千葉に暮らす千種霞は、本来の戦闘科としての仕事ではない、出向先の生産科で残業に明け暮れていた。そんな中、生産科の科長・朝顔は、事実上の支配階級である戦闘科に反旗を翻し、首席選挙に立候補しようと目論むが、そのことが戦闘科にばれ、窮地に立たされる。起死回生を狙うため、霞が考えたとんでもない作戦とは!? TVアニメも好評だった『クオリディア・コード』の「千葉編」前日譚、完全書き下ろし小説第2弾!(公式サイトより)

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 千葉首席の座を勝ち取り戦闘科偏重の空気を覆すため、代表選に出ることを決意した釣瓶朝顔。生産科に出向中の霞をはじめ生産科の面々は彼女の活動を後押しするが、それを良く思わない戦闘科から釘を刺されてしまう。圧倒的な戦闘科優位を覆すため、霞はとある作戦を提案するが……?「クオリディア・コード」の前日譚、千葉完結編。

 露骨に霞の中の繋がりの人ネタな「理由あってアイドル作戦」やらやたらと連発される作者繋がりの「勝ったな!!ガハハ」とかこれでもかとぶちこまれるメタネタの数々がテンポよくて楽しい。生産科が一丸となって彼女の選挙活動を盛り上げていく姿がアツかった。それにしても「恋ダンス」とか恐らく米大統領選を匂わせる話とかネタの鮮度が高すぎるんですけどこれ本来の発売日去年の年末じゃなかったっけ!?ものすごくギリギリ進行の気配を感じる……。

 その一方で、前巻からばらまかれていた不穏な伏線がしっかり水面下で根付いていて、時折感じさせる薄ら寒さとそれが芽吹いてからの人間模様は流石だなあと。1巻も殆どバトルおまけみたいな扱いでしたが2巻は完全に人間vs人間の戦いだったなあ。そして、人間同士の心理戦に不確定な<世界>の要素が加わって繰り広げられる心理戦が熱い。選挙活動のシーンとか割と真剣に「政治」やってるのが印象的でした。

 今回明かされた霞の<世界>の真の力とその代償についてはちょっとアニメでも見たかった気がしなくもないっていうかその設定正直美味しいんですけど今ここで明かされるんですかー!!!アニメでの壱弥の「本気を出せ」発言とかどういう気持で受け流してたんでしょうね……。思っていた以上に強力でそれ故に使い所が難しい能力を、自分(達)の思惑の為なら躊躇せず使う霞は本当にかっこよかった。

 霞と明日葉、互いが互いに手を伸ばし合うようにして得たそれぞれの<世界>。二人の立場から見た夢見の世界の風景が、対称になってるのがすごく好きです。

 いろんなことがあったけど、最終的に色々立場も変わったけど、それでもいつも通りの何気ない応酬で終わる物語が、これからも続いていく千種兄妹の物語を感じさせるようで良かったです。ノベライズの方もそうなんだけど、本当に渡先生の描く千種兄妹は何気ないやりとりが偉い甘くてズルい。後は予定されているのは円盤特典小説とダッシュエックス文庫のノベライズの最終巻のみとなりましたが、また機会があれば違った姿の彼らが見られたら良いなあと思います。

 それにしても、終盤の漆原パイセンのかっこよさは異常。このニンジャスレイヤー原先輩、絶対卒業年度になっても内地行かないで3話の電車のアクロバティック脱線とか手伝ってくれてたに違いない。