ページ 145 | 今日もだらだら、読書日記。

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図書館危機

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

長いこと憧れ続けた"王子様"が、郁のすぐ傍に居るあの人だった…!?何の前触れも無く知らされてしまった真実に、郁は大パニック。今まで本人を前にして言ってしまった恥ずかしいセリフの数々に赤面する一方、"王子様"の話を露骨に嫌がっていた彼の態度を思い出して、浮かない気分に。悩みに悩んだ末、郁は一つの事を決意するが……
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郁の"王子様"の話や両親の件などに一端の蹴りがつく(?)シリーズ第三弾。

王子様の正体を知って、すっかり恋する乙女モードの郁は可愛いけど、それだけに二人の仲を引っ掻き回してくれた手塚慧が憎らしいなあ。ぐるぐる悩む一方で自分の堂上への気持ちが「王子様への憧れ」なのか等身大の「堂上教官への恋心」なのかわからなくなってしまって沈み込む郁の姿は見ていて痛々しかったです。それでも、そんなモヤモヤを吹っ切って堂々と本人を前に「王子様卒業宣言」をかます姿がとても可愛い。

「ねじれたコトバ」は割と他人事ではなくなっている事例に色々と考えさせられる一方、世相社(折口)と香坂の心意気に呼応して立ち上がってくれた人々の心意気に胸がスっとなる思いでした。床屋・魚屋が軽度とはいえ現実でも規制の対象になってるなんて知らなくてびっくりした。ほんと、こういう知らないところから少しずつメディア規制が侵食していくのかとおもうと、背筋が寒くなる話です。

そして、今回はなんと言っても郁の父親が美味しいところを持っていきまくり。初めて母親に対して郁の味方をしてくれた、最後に県知事と一緒に現れた時の頼もしさは格別でした。他にも見所は沢山あるのですが個人的にはひたすらお父さん(と手塚)に座布団1枚。しかし、母親の過保護っぷりに磨きがかかり、それを父や兄達が歯止めをかけられなくなった理由は………思わず爆笑してしまった。

様々な苦難を乗り越えて以前よりも少し大人になった郁と、彼女に感化されて少しだけ強くなった茨城の防衛員の女の子達の姿も素敵でした。次で本編は最終巻とのことですが、どのような結末を迎えるのか、本当に楽しみです。

……しかし、「内乱」あたりからどんどん手塚が私好みのヘタレになっていくのですがほんとどうしましょう。意外な弱点が透けて見える「昇任試験、来る」もよかったのですが、「ねじれたコトバ」「図書館は誰がために」で柴崎の為に、不器用ながら色々と奮闘する姿に激しくキュンキュンする。特に香坂大地のサインの一件、どんな顔してサイン貰いに行ったのかと考えるともう……手 塚 可 愛 す ぎ ! 兄貴との複雑な関係も健在で、もう今回の手塚には最初から最後までときめかされっぱなしでした。最後は柴崎と幸せになるといいね!!

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ばいおれんす☆まじかる! 核の花咲く日曜日

[著]林 トモアキ [絵]愛媛 みかん

ユキに騙されて誘拐され、ドクターBの本拠地に連れて来られた緋奈。例によってなぜかついてきちゃった由香利とともに見張りのロボットをだまくらかして戻ってきて、彼らの本拠地を暴こうと画策した緋奈達は足の確保の為、なぜか脱衣麻雀で車を手に入れようとするのだが…!?
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……えっとちょっと、これで終わり?
なんていうか、色々と伏線張りっぱなしというかいろんなところが投げっぱなしというか……これってひょっとして打ち切り……だったんですかねえ。なんかやってる事も1巻2巻と比べると半端な感じがぬぐえなくて、うーん。

後作「お・り・が・み」との接点を感じさせるキャラや設定が出てきたり、ドクターB配下の美女・通称ホワイトが怪しい動きを見せたり……と、全体的に次の巻への伏線を張ったまま終了してしまったカンジで、「最終巻」であるという事実を踏まえると、ちょっと酷い出来かも。エピソード自体も無理やりに最終巻らしく、無理やり大きなことをしようとして中途半端になってしまっている印象が否めませんでした。

こればっかりは作者と言うより編集者側の都合なんだろうという予感がするので、残念としか言いようが無いのですが…脱衣麻雀のエピソードとか一般人パワーでBを圧倒する原子力発電所の職員さんとか、小ネタが効いてただけにメインのストーリーが半端になってしまっているのが残念でした。うーん、ミスマルカかマスラヲがひと段落した後でも、こっちの続き出ないものですかね?…色々腑に落ちないというか、なんというか。

ところで、もろに「お・り・が・み」で起きた一連の事件のことじゃないかと匂わせる発言があったけど、緋奈達ってあっちにも出てましたっけ?マリアクレセルさんがちょろっと出てきたのはなんとなく覚えてるんですが…

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ダブルブリッド10

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

ぼろぼろに傷つき、多くの記憶を失ってしまった二重雑種・片倉優樹。“童子斬り”に取り憑かれて正気を失い、童子斬りの本能と自身の妄執によって動く“兇人”・山崎太一朗。かつて“友人”と呼べる関係を築いた二人は互いを認識できないまま遂に対決する。一方、自らの死期を本能的に悟ったキマイラ・片倉晃は自らの望みを叶える為、片倉優樹の元を目指すが…
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今までばらばらに動いていた捜査六課のアヤカシ達・クロスブリード・特高の三勢力が
一気に集結し、すべてに決着をつける最終巻。

9巻まで再読した際、これだけ広げるだけ広げられた風呂敷をどうやって残り1冊でたためるか、どこまで伏線を回収していってくれるかが不安だったり楽しみだったりしたのですが……良い方向で期待を裏切られまくりの最終巻でした。いや、本当に堀内なんて皆が明らかに忘れてるキャラに張られた伏線すら回収しにくるとは思わなかったね!皆さん覚えてますか?4巻で特高に引き抜かれてた優樹の主治医?の堀内さん。私はすっかり忘れてました。

Ωサーキットの目的、“主”の行動理由、片倉晃と優樹の関係などという大きな謎は勿論、クロスブリードの二角である鈴香や千堂が特高を憎む理由、飯田の因縁、キマイラ達が作られた理由など、様々な伏線・謎が一気に種明かしされ、しかもそれが見事に今までばらばら出会ったように見えた人物達と繋がっていく様子は、本当に読みながら息を飲みました。特に4巻後半で登場して以来、イマイチ立ち位置が明確ではなかった晃が自らの死期を前に心を決め、自分の目的の為に動き出す様子には胸を打たれました。今回の物語の前半は見事に彼に持っていかれっぱなしといっても過言ではありません。あと、はぅ?虎司くんかぁいぃよぉお持ち帰りぃぃー!モードの安藤希さんに。(←あながち間違ってないとおもう)

ただ、こういうふうな終わりになるならなおさら間をおかずに出してほしいというのはあるんですけどねー…正直、この最終巻の凄さは、9巻までの内容がほぼ完全に把握できてないと実感できないと思う。とりあえず、最終巻読む人はその前にやっぱ9巻まで再読されることをオススメしたいです。私のまとめエントリも結構参考にしていただけたようでありがたい限りですが、結構穴ありますからー…。

メインである優樹と太一朗については、もうこの二人が最後の最期で普通に会話する様子が見れただけで私満足といいますか……9回裏ツーアウトから状況をひっくり返されたような心境で。“主”とか浦木とか、ラスボスになりそうだった存在があまりにも色々とあっけなかったのがちょい(いえ、だいぶ!)ご都合主義を感じてしまわなくもないのですが、もうとりあえず最後の会話が見れただけで満足ですとも。記憶を失った優樹さんの無意識の一言が太一くんの魂を揺さぶったってだけでもう、無条件になんかボロボロ出ましたとも。優樹さんの「あの一言」見た瞬間、「やったよ太一くん!!!」と叫びながらまたボロボロなんか出ましたとも、しょっぱい食塩水が目から。もうごめん、大好きだ、この二人。優樹さんと太一くん、大好きだーーーっ!!!

余韻を残したちょっと寂しいエピローグが、どうしようもなくこの物語に相応しいように思えて、また泣けてきてしまいました。もう本当に、4年半待ってよかったと心から思えるエンディングをありがとうございます。この物語の結末をちゃんと見届けることが出来て、本当に嬉しい。二人が最後に少しだけでも言葉を交わせて、本当によかった。もうなんていうか、そんな言葉しか出てきません。最高の物語と、最高の結末をありがとうございました。

…ところで、ダブルブリッド本編はここで終了だけど、電撃hp等に掲載された分で短編集が1冊出るのを、信じていいよね…?まとめて読みたいので電撃文庫MAGAZINEとか買ってないんですが…

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最終巻発売前に「ダブルブリッド」をおさらいしてみる(シリーズ既読者向)

4048670654ダブルブリッド (10) (電撃文庫 (1588))中村 恵里加


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??待ち人は、ここに居た。

本編最終巻となる「ダブルブリッド10」の発売まで、遂に10日をきりました。しかし、実に4年半ぶりの新刊ということで、「内容を忘れた」「そもそも“●●●●”って何だっけ?」という方も多いのではないでしょうか。というわけで、備忘録を兼ねて、未熟ながらも5巻以降の「ダブルブリッド」各キャラクターの動向を箇条書きでまとめてみました。再読が間に合わなかった方の一助となれば幸いです。


※注意※
このエントリは、シリーズ9巻までの重要ネタバレが満載です。
シリーズ未読者の方は閲覧を御遠慮くださいませ。



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花に嵐の喩えもあれど 魍魎の都

[著]本宮 ことは [絵]眠民

勿忘草の花を見るため、諾子の屋敷にやってきた渡辺頼光四天王の碓井貞通と平季武。貞通には、勿忘草とともに思い出すとある女性の思い出があった。かつて彼が愛し、そして自ら殺したという女性・百合姫。季武の小さな失敗から端をなした、彼女に関する思い出とは…
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「魍魎の都」の番外編シリーズ第二弾。四天王の一人、貞通と平将門の忘れ形見の姫・百合姫との間に起こった恋物語について語られます。

なんか、貞通というキャラは既刊を読んだ際にはそこまでツボにこなかったのですが、この本を読んだら物凄く私好みの女装キャラで、心底困りました。3月に女装まとめエントリ書いた時は私の中では女装キャラっつーより「オカマキャラ」扱で、それで除外したんですよね確か…。シリアスモード入ると喋り方が男言葉に戻る辺りのギャップがとてもツボでした。

単なる趣味で女装しているのかと思いきや、様々な複雑な育ちの関係で意図的にそういうキャラを自分で作っているというギャップが良い。ギャップ萌えとしてはたまらないです。なんていうか、女装逆ツンキャラはこうでなくちゃね!!!

「ならず者に名乗る名なんて持ち合わせちゃいないけどね……でも、ほら、決まりみたいなもんだし」
「碓井太郎貞通———まいる」

勿論、メインとなる百合姫との恋物語や、妖怪退治話も好きなんだけど、とにかく感想を書けといわれると見事に貞通の女装に関するコメントしかでてこねえ!!や、なんか良くも悪くも普通に面白かったのであまり語ることがないというか、ちゃんとやることやってくれてるから特にコメントする必要もなく普通に満足というか…?

あ、貞通と季武の凸凹しているように見えて調和の取れた関係もとても素敵でした。
個人的には、次は季武と姫松のドタバタラブコメが見てみたいです(笑)

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今月のオススメと面白検索キーワード[2008年4月分]

4月の読了冊数は18冊でした。それなり。

2008年4月の人気(?)感想4選

「とらドラ!」に始まり「生徒会の一存」「彩雲国物語」「“文学少女”」…と注目作品の乱発でここ数ヶ月続いたバカテスバブルに漸く陰りが見えてきました。とはいうものの来月はバカテスは新刊発売なわけですが。

とらドラ7!
⇒感想

彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく(⇒感想

バカとテストと召喚獣
⇒感想

“文学少女”と神に臨む作家
⇒感想

アニメ化が決まり、最新刊の内容が月初めから大きな反響を呼んでいた「とらドラ!」がぶっちぎり。そしてそのぶっちぎりのアクセス数の倍半分強をたった3日で稼いだ「彩雲国物語」は相変わらず新刊出るたびにアクセス爆発起きすぎです。1月のバカテス、2月のフルメタのような大爆発は起きないのですが、新刊が出た前後1?2ヶ月は高確率でアクセスランキングが彩雲国で占拠されます……。

3位、2007年12月以来、うちのアクセスランキングトップ3から一度も落ちたことがないバカテス。来月は最新刊発売なので、間違いなくバブル再到来でトップ圏内にどーんと食い込むことでしょう……まあヤフーの検索結果上位という点を差し置いても、ここんとこ毎月、派閥表作ったり2巻感想書き直したり、女装まとめエントリ作ったり動画作ったり…と何かしらバカテス関連でネタ記事書いてますから、その影響か。来月は基本的に「感想記事は本の感想のみ」という原則まで破ってドラマCDの感想書く気マンマンだ!!明久は瑞希の婿で雄二の嫁!

あやうくバカテスがワンツーフィニッシュ決めてしまうところだったのですが、ギリギリで4位浮上してくれた「“文学少女”」。ファミ通文庫は毎月微妙な時期に出るからこういう統計取ると結構損してる気がします……流人くんはヤンデレ。

2008年4月に読んで面白かった本


L 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説(感想

黄昏色の詠使い6 そしてシャオの福音来たり(⇒感想

生徒会の二心 碧陽学園生徒会議事録2(⇒感想

図書館内乱
⇒感想

今月は富士見Fが豊作すぎました!

その月の新刊を3冊買って3冊全部オススメとか初めてじゃないだろうか。「黄昏色」は女装ネイト補正が多大に入っていることは否定しませんが。とりあえず新シリーズということで、今月一番オススメの1冊は「L」と言って見ますよ!!続編楽しみだ?。

残りの1冊は、「衰退しました」と「図書館シリーズ」で悩んだ挙句、手塚兄弟萌えパワーで「図書館内乱」が制覇しました。……俺、魍魎の都読み終わったら図書館シリーズの続き読むんだ……

2008年4月の面白検索キーワード


今月もバカテス自重。

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恋姫・無双外伝 紫電一閃!華蝶仮面2 ?赤壁は燃えているか?

[原作]BaseSon [著]御門 智 [絵]水月 悠

長坂坡で魏の軍勢と闘っている最中、仲間とはぐれてしまった本郷一刀。華蝶仮面の助力を得て、なんとか逃げ延びたのはよかったが、たどり着いたのはなぜか呉の都!?貂蝉と諸葛亮といういつものメンツが勢ぞろいした所で仕方なく(?)喫茶店で資金を稼ぐ事にしたのだが魏が呉にも戦争をしかけてきて…
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「恋姫無双」で熱血系「特撮美少女モノ」という、外伝ノベライズ第二弾。今回もエロゲのノベライズとは思えないほど素敵に熱い方向に暴走しております。

今回は呉に舞台を移し、有名な「赤壁の戦い」を舞台に華蝶仮面が大活躍。三国志の内容殆ど関係なかった1巻よりも三国志好きが脊髄反射できる内容になってます(多分)。もちろん、怒涛のような「燃え」展開も健在です。矢を筋肉で跳ね返す二号とか!うちのめされ、絶望した少女達がそれを乗り越えて力強く立ち上がる姿とか!巨大ロボいっぱいとか!!無茶苦茶な戦闘力計算式とか足りない分は気合と根性で補うとか!!一触即発状態だった呉勢力と蜀勢力が、一つの目的を前に団結して爆弾解除とか!悪役なのになんかポイントが(百合方向に)ズレてる曹操様とか!!!(あれ?)(特に曹操と鳳統とのやりとりにはコーヒー噴いた)……とにかく、前回以上にアツい展開が目白押しになってます。

主人公の一刀が現実の三国志と照らし合わせて策を先読みしようとするところとかは上手くやっているなあ。ただの高校生が御輿的な役割だとしても何故一国の王としてやっていけるのか、エロゲとはいえ結構無茶な設定だなあと思っていたのですが上手い具合に納得できました。この辺は原作設定の妙だなーと感心してしまいました。ますますいつかやってみたくなってきたよ(笑)そして片っ端からであった女の子とフラグをたてまくる姿は、さすがエロゲの主人公といわざるを得ない。

しかし、呉のギスギスフィーリングっぷりは、もうちょっと掘り下げて読みたかったな?と思わなくも無かったり。「三國無双」シリーズの超アットホームな呉の姿に慣れてると、ギスギスしてる呉はとても新鮮でした。

3巻は舞台が魏になるようなので、巻毎に舞台を変えていくみたいですね。とても楽しみです。

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バカとテストと召喚獣のキャラにウマウマさせてみた


以前から水面下で作っていたものがようやく完成しました。
ドラマCD発売記念なカンジで。
画質がとても荒いのは初心者クォリティということで御容赦ください。
あとなんか、凄い読み込み重い……orz

…と、こっそりこちらのブログでも宣伝してみる。

4/30 軽量化+画質向上版アップしましたー。

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“文学少女”と神に臨む作家 上

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

ななせと付き合い始めた心葉はそれなりに幸せな日々を送っていた。ところが、そんな二人の間を流人が裂こうと画策し始める。一方、かつての“井上ミウ”の担当編集をしていた男性も心葉に接触を図る。そんな最悪のタイミングで、遠子先輩から激しい“裏切り”の言葉を向けられ、愕然とする心葉に追い討ちをかけるように事態は動いていって…
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本編完結編となる卒業編にして“文学少女”天野遠子の物語、前編。

そうかぁ?シリーズ最強のヤンデレは流人くんだったのかー。
今まで文学少女界のヤンデレ代表だった朝倉美羽のとってきた行動が子供の悪戯に見えるほど本気で怖いよ本気の流人くん。心葉の行動を読んで常にタイミングバッチリに行動を仕掛けてくる流人くんの姿に、もうホラー的な恐ろしさすら感じる。更に“死にたがり”こと竹田さんがサポートに回って、なんというか最悪のコンビが結成されてしまいました。もうなんていうかあれですね、男のヤンデレって流行ってるんですか?(違う)

流人くんの手の上で思うがままに転がされ、みるみる追い詰められていく心葉が不憫でなりません。やめて流人くん!心葉のヒットポイントはもう0よ!! また、遠子先輩の“裏切り”の言葉もなんというか……もうちょっと言うにしても、タイミングや言い方があるでしょう、としか言いようがない。ただ「読みたい」という以上に深遠な理由があるんだろうけど、あまりにもあのタイミングは心葉がかわいそう過ぎる。

遠子先輩の両親と、彼女を引き取った流人の母親・櫻井叶子の3人がかつてたどった道、そして叶子描く物語『背徳の門』、そして現在の心葉・ななせ・遠子の関係の奇妙な一致がとても不吉な何かを指し示しているようでなりません。物語は次回で完結・最終巻とのことで、「月花を孕く水妖」でのエピローグを信じれば…非常に重いラストが待っているようにも。少しでも3人が幸せになるような結末が訪れますように。

…それにしても、遠子先輩の「本を食べる」性質とか、流人くんの最後の爆弾発言とかって、実際のところどうなんでしょうね。本を食べる遠子先輩という設定からして、ある程度の不思議要素が世界設定に織り込まれているであろう事はなんとなく想像つくんですが…。

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彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

秀麗達が藍州に出向いている間に吏部の調査を進めていた清雅は、絳攸を投獄してしまう。師と慕う絳攸を救うため、調査と御史台で開かれる御史大獄での弁護を申し出る秀麗だが、上司である葵皇殻は意味深な言葉を彼女に突きつける。更に、縹家の策略が絳攸を襲い…
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秀麗の就職以降、ずんずん重い方向に驀進する彩雲国物語シリーズ。
楸瑛に続き、絳攸に苦難が降りかかる「紅」家編。黎深・絳攸親子の親離れが描かれます。

今回も、面白かったけどとにかく重いなあ……。劉輝が真の意味で楸瑛・絳攸の二人を手に入れるためには絶対に避けては通れない道だったというのは理解できるのですが、メインである筈の劉輝と秀麗の恋路については話が進むほど先行きが暗くなっていくのはどういうことだろう。二人が頑張れば頑張るほど、二人の距離が決定的に離れていってしまうのが見ていて辛い。

姪バカ担当の黎深さま、癒し担当のうーさままでシリアスでなんだか重苦しいキャラになっちゃって、私どこで息抜きをしたら良いのか……唯一、近頃秀麗に構ってもらえなくて本性全開モードな静蘭がこの作品唯一のギャグキャラとして頑張っておりますが。親友に弟に、挙句の果てには楸瑛や絳攸にまで先を越されてすっかりふてくされ気味で暗黒面全開の元王子様に、様々な意味で笑いが隠せません。特に、「再就職」を果たした楸瑛との手のひらを返したようなやりとりには爆笑しました。「劉輝のため」とかっこいいところを見せた楸瑛の立場全くなし。貴族派はまず先にこの元王子様を追い落としたほうが良いと思うんだ。次代をしょって立つ彩雲国ギャグの星・静蘭に栄光あれ。君が居ないと重苦しい雰囲気がどんどん加速してしまうよ!!

今回は黎深の捻くれまくった親子愛にもじーんとしましたが、やはり最後の、絳攸の夢に登場する二匹の文鳥に関する小噺が良かった。ある意味ベタだけど、彼らが未だに絳攸の原点というか、支えになってくれているという事実に胸が熱くなりました。

しかし黎深様は本当にツンデレだなあ……絳攸の名前をつける際のやりとりとか、彼の姓が「李」である意味・理由とか、そもそも絳攸を拾おうと思った理由とか。不器用すぎる愛情が、とても愛しい。そして次回からはどーんと出番が減りそうな予感なのがとても悲しいです。

ラストで遂に明かされた、秀麗が劉輝からの結婚を拒み続ける理由。もうなんていうか、その理由を踏まえると劉輝は自分で自分の首をキュっと絞めちゃってるんですけど。まだまだ重苦しい展開が続きそうだけど、そろそろ序盤のようなご都合主義全開なスッキリ円満解決的展開が懐かしくなってきたなあ…。

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