“さがら総(Speakeasy)” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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「好きなライトノベルを投票しよう!! 2016年上期」投票します。

企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! - 2016年上期

 今年もまたギリギリなんですが投票します。今回からツイッター投票がやりやすくなったので最後の1時間ですが好きな1冊があるかたは気軽に投票できるようになりましたよ!

amazon.co.jp:そんな世界は壊してしまえ 2 ‐クオリディア・コード‐
さがら総(Speakeasy)「そんな世界は壊してしまえ 2 ‐クオリディア・コード‐」(⇒感想
テレビアニメ放送中の「クオリディア・コード」の前日譚・東京編。歪んだ選民意識や醜い蹴落とし合い、先の見えない敵との戦いの毎日の中で、「人類を愛する」と豪語するすこしいびつで真っ直ぐな少年が、様々な出会いを経て迷いながらも少しずつ変わっていくのが良かった。2冊ですっきりと終わって続きのアニメがちょっと気になる終わり方になっているので、アニメが気になってる人も気軽に読めるのもポイント高いかと!
【16上期ラノベ投票/9784040683188】
amazon.co.jp:最強喰いのダークヒーロー
望公太「最強喰いのダークヒーロー」(⇒感想
異能力を持ってはいるが、ぶっちぎりで「最弱」の男が持ち前の観察眼とエグい戦略を駆使して成績優秀者達を次々と蹴散らし、頂点を目指す物語。タイトルとおり悪役のような男が、正統派な強者達や彼を潰すためには手段を選ばない大人たちを手玉に取って“大物喰らい”をしていく姿が爽快で、楽しい!正反対のように見えて似た者同士のヒロインや、薄暗い依存を覗かせる共犯者なもう一人のヒロインとの関係も楽しかったです。
【16上期ラノベ投票/9784797387384】
amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と追想日誌
羊太郎「ロクでなし魔術講師と追想日誌」(⇒感想
シリアス展開の本編6巻も凄く良かったのですけど、短編集のグレンの魔術講義話がとても好きなのでこちらに。学ぶことの楽しさ、面白さがビンビンに伝わってくる授業風景はこのシリーズのキモだと思うのです。後半に織り込まれていたシリアスな過去話も良かった。
【16上期ラノベ投票/9784040708676】
amazon.co.jp:甘城ブリリアントパーク8
賀東招二「甘城ブリリアントパーク8」(⇒感想
6巻の頃から表面化していた難題に一応の落とし所を見出した最新刊。そこに至るまでの展開がとにかく容赦なく、ちょっとラブコメ展開しつつもスリリングな展開がたまらない。というか中盤のリアルホラー感ほんとキツイので面白かったんですけどきつかったです!!相変わらず本編はしっかりハードな展開持ってくるよなあ……それが好きなんですが。
【16上期ラノベ投票/9784040707020】
amazon.co.jp:(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜
夕鷺かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜」(⇒感想
長いこと追いかけてきた「仮花嫁」シリーズも遂にクライマックス。妖精王と黒龍夫妻の最終決戦も良かったですが、それ以上にクロウの両親・ウーベル帝とイグレイン妃の愛憎模様の結末がとても好きでした。最後の最後でクロウの“母親”だったイグレイン妃の行動にぎゅっとなるんですが、正直色んな意味でウーベル帝の一人勝ちだったよねこれ……。
【16上期ラノベ投票/9784047309708】


そんな世界は壊してしまえ 2 ‐クオリディア・コード‐

 

人類の『敵』―“アンノウン”と戦う近未来。防衛都市東京に所属する朱雀壱弥は、初めての問題に直面する。狂っているのは自分か、それとも世界か。あるいは―「いつもにこにことなりでスマイルピース!あなたのカナリア、みんなのカナリア!毎度おなじみ、宇多良カナリアです!」―この女か。水着で無意味にぴょんぴょんするカナリアに、朱雀の正義が揺れ動く。逡巡の末、新たな仲間たちを指揮するが…「教えてあげる―その気持ちが、恋だよ」「おまえ、もしや目が腐っているのでは?」TVアニメ『クオリディア・コード』7月より放送開始!原作プロジェクトにして、『変態王子と笑わない猫。』コンビが贈る青春ラブコメの最前線、待望の第二弾! (「BOOK」データベースより)

 東京主席の少年との一件以来、自らの“正義”に疑問を感じ始める朱雀壱弥。働きを認められ、戦闘科の配属になった彼はカナリアと共に、学園からドロップアウトして防衛都市の外で暮らす生徒たちと接触する。彼らを鍛え上げて、学園に復帰させようとするのだが、思わぬ事態が待ち受けていて……というお話。

 1巻からもうこの物語の世界観や登場人物達の歪みっぷり本当に凄いんだけど、2巻は更に輪をかけて凄かった……特に戦闘科の生徒たちの選民思想というか歪んだエリート意識ヤバイ。こんな狂った世界でそうしなければ生きてこれなかったみたいな部分もあるんだろうけど、強いものにへりくだり、隙あらば蹴り落とし、弱い者やドロップアウトした者を見下す彼らの姿勢が清々しいまでにゲスくて直視できなかった。しかも、狂っていたのは上に居る彼らだけではなくて。

 これまでとは違う道を模索しようとして、少しずつかつての当たり前の少年らしさを取り戻しつつあった壱弥が最悪の状況で手ひどく裏切られて絶望して、それでも最後に少しだけ光が垣間見るという終わり方がとても好き。壱弥って確かに歪んだ人格ではあるんだけど、きちんと自分が認めた相手にはそれなりの敬意を払っているのがどこか微笑ましい。

 それで、私はラブコメ的には正直カナリアよりもつぐみ派なんだけど、つぐみは原作のここで脱落っぽい感じなのが残念。終盤の彼女のモノローグと諦観の混ざった心の動きが、どこか切なくて好きです。

 終盤は少し駆け足感を感じたのだけど、良くも悪くも「アニメに続くための物語」で逆にこの後の物語をアニメできちんと見たいと思わせる終わり方だったと思う。2冊で綺麗にまとまっていて、アニメでは描ききれないキャラクターたちの事情や感情を理解することが出来て、良かった。

 余談なんですがエピローグの電話の件、なんだかんだで彼らのことを気に掛けてるのがまるわかりでめちゃくちゃにやりとするんですけどアニメの1話でしっかりその『彼』が戦闘科で生徒たちをまとめる役割っぽいポジションになってるんですよ!!!アニメのクォリディアで防衛都市の細かい話をやるのかどうかはわからないけど、未来の彼らの姿も少し期待してしまう。


そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐

 

人類の『敵』―“アンノウン”の襲撃により世界が崩壊した近未来。湾岸防衛都市東京の学園に所属する朱雀壱弥は―人類を愛しすぎていた。全人類の発展のため、美少女の告白をバッキバキに叩き潰し、戦わない同級生の心をボッキボキに叩き折る。デート?カップル?それはこの世界でどんな意味が?なにもかもを論理で語れ。自分の正義を信じてやまない朱雀に、謎の転校生少女の調査任務が与えられ…?ポジティブクズとドM天使が出会い、新たなる変態ストーリーの幕が上がる―!『変態王子と笑わない猫。』コンビが贈る青春ラブコメの最前線!刮目せよ!(「BOOK」データベースより)

 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。

 舞台は防衛都市・東京。高い戦闘能力を持つが飛翔する“世界”を持たないゆえに最前線の戦闘科から外された朱雀壱弥。人類を愛するあまりに個人への恋愛感情を理解できない壱弥とそんな彼に告白して以来すっかりセット扱いされているつぐみの2人は、東京次席の鷹匠からとある依頼を受けることに。全人類の可能性を信じるが故に戦闘科の劣等生達の心をバキバキに追っていく壱弥の前に、初恋の少女とそっくりな少女・宇多良カナリアが現れて……?というお話。

 しょっぱなから朱雀壱弥という人間の歪みっぷりを思い切り出してきて、そんな壱弥に周囲が振り回されるお話かな?とおもったら次から次へともっと歪んだ登場人物達が出てきて東京がヤバイ。ラブコメ的な軽いノリの世界観かとおもいきや、思った以上に深い所から歪んでいて最高に楽しい。東京住みという優越感やら微妙な選民意識を闇鍋で煮詰めてどろどろにしたやつに、得体のしれない敵との先の見えない戦いとかほぼ子供達だけの閉じた世界とか、それがうみだす社会の歪みとか一緒くたにぶちこんで一見学園異能ラブコメの皮かぶせてました!みたいな。

 どこか虚ろな狂気をもって世界全てに無償の愛を注ぎ続けるカナリア。壱弥の理想を体現したような歪んだ男・東京主席の少年との出会いを経て、少しずつ自分の考えに疑問をいだいていくのが印象的。アニメの前日譚ということで、壱弥とカナリアの都市内での立場もかなり違うんだけど、ここからどうやってアニメの物語につながっていくのかも気になる。

 よくも悪くも壱弥がどう「変わっていく」のか、楽しみです。