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キーワード:村崎 久都(キャラクター原案:福田知則 ) (1 件 / 1 ページ)

ROBOTICS;NOTES プロジェクト・プレアデス

foca
   
原作
5pb.×ニトロプラス

「次は僕が優勝します!」自作ロボットを闘わせるROBO‐BAN。その優勝者・天川碧衣にそう宣言したものの、日高昴は失意の底にいた。中学校で起こしたトラブルにより、父にロボット製作を禁止されてしまったのだ。尊敬する父に逆らえず、進学した高校の「ロボ部」にも失望する日々。しかし、碧衣のロボットへの熱意と「決着をつけよう」という言葉に、昴は彼女との再戦を決意する!大人気ゲーム『ROBOTICS;NOTES』より日高昴の情熱を描くノベライズ登場。 (「BOOK」データベースより)

 科学アドベンチャーシリーズ第三弾「ROBOTICS;NOTES」の登場人物・日高昴を主人公にしたスピンオフ前日譚。スニーカーのノベライズは原作プレイ前提でしたが、こちらは前日譚ということもあり原作未読者でも楽しめるお話です。

 ホビーロボを一緒に製作していた親友との決別、父親からのロボット製作禁止……と、一介の高校生としては絶望的な挫折を味わった昴が、ライバルの少女・天川碧衣の言葉に奮起し、周囲からの協力を受けて再び「ROBO-BAN」で優勝する為に立ち上がる姿がアツい。ギリギリの後の無い状態から身を削って優勝を目指す姿は、奇しくも昴がバカにしていた先輩・瀬乃宮あき穂が後に辿る道にも重なっているようで……なんていうか、やっぱ似たもの同士だよなあ、あの二人。

 そして、ゲームをやった時点では色々な意味でネタすぎた“ミスター・プレアデス”誕生の経緯にニヤニヤせざるをえなかった。確かに、あの発想は昴自身からはでてこなさそうだし、テレビ局が全てをお膳立てするのは頑張りすぎだよなあ……とは思ってた!恥ずかしい台詞がいえなくて噛み噛みだった昴が、段々周囲のテンションもあいまってノリノリになっていくのが微笑ましい。ゲーム版の「ミスター・プレアデス」を思い出すとますます微笑ましい。そして、大ピンチになった彼のもとに駆けつけたあの人の姿に胸が熱くなった。

 頑なに自分の中に閉じこもっていた昴が周囲の協力を経て、次第に良い方へ良い方へと変わっていき、ライバルとの“約束”とかけがえのない友人達を手に入れる、大変良い青春物語でした。クールに見えて実は熱血!な昴のキャラも物凄く良かったです。

 ただ、物語がこれ単体なら文句なしに面白いんだけど、これを「ロボティクス・ノーツ本編の前日譚」といわれてしまうとちょい違和感がある。一応最終的に、「その後も親密な関係を維持したわけではない」みたいな軽い捕捉があったけどこれだけの絆を築いた仲間がいるのであれば、本編で昴が完全にぼっち扱いなの違和感あるよなーと……なんというか、後付け設定臭が強いというか、一見繋がっているようで本編に繋がりきれていない感じがある。

 ヒロイン毎に完全に展開と解決方法が違う個別ルートが存在したカオスヘッドや世界線分岐にかこつけて好き勝手物語を枝分かれさせられたシュタインズゲートと違い、世界線もルートも1本しかないロボティクスノーツはその辺難しいんだろうなあ…。