しょっぱなから「黒ストやぶりっこちゃん」で死ぬかと思った。
このラノベ、前から思ってたけど妹と黒スト啓蒙ラノベすぎてやばい。ニーソ派だったのにすっかり黒スト派ですよどうしたらいいの……!!
ギンがクロハを選べば、未来が変わる。そして本来の歴史通りにユズを選べば、クロハはこれまで通りの未来を望む「未来人」たちの手によって消されてしまうかもしれない……。あまりにも重い選択をその手に託されて一度は流されそうになったギンが、ユズとクロハ、二人からの思いを受け止めて、自分の二人への気持ちを見つめなおし、未来人と語り合って目の前に提示された2つの選択のどちらでもない『第三の選択』を模索していく姿が凄くかっこよかった!序盤の他人の考えに流されまくりの、鈍感主人公を地でいってたギンを思い出すと本当に精神面での成長が顕著で、胸が熱くなる。ちょっと最後は状況に流された感なくもなかったけど。
中盤では完全に空気と化しかけていたユズさんがヒロインの一人としてちゃんと活躍してるのも感無量だったなあ。一時はSM趣味(?)ばかりが強調されて「この娘はどこへいってしまうんだ…」状態だったんですが、23世紀で自分の居場所を確保しながらも自分のしたいことをみつけた彼女の姿はとてもかっこよかったです。そして安定のクロハかわいい。
とにかく綺麗に伏線拾って完璧すぎるくらいの綺麗な完結編でした。
作者さんの次回作も楽しみにしたいです。
キーワード:皆村 春樹 (3 件 / 1 ページ)
僕の妹は漢字が読める2
23世紀の授業風景が想像以上だった。
すっごい楽しそうだけどマジで歪まないな23世紀の萌え文化ェ……
23世紀の未来から失われた「萌え」を取り戻す為、再び21世紀に戻った一行が歴史を変えるきっかけとなった原稿を取り戻す為に奔走するお話。相変わらず23世紀の「現代文」の尖りっぷりは半端ないんだけど、文学がそういった形へと変貌していったきっかけとか、なんだかんだでしっかり理由付けられていて面白かった。終盤の犯人との“文学論”のやりとりとか納得してしまうような部分もあって、興味深い。
何よりクロナがギンに惚れる切っ掛けになったエピソードが本当に可愛い。お互いの文学の好みを互いに「相容れない」「面白くない」と思ってそれを言葉に出せる気安さと、それでもその言葉を聞くことは出来るという二人の関係性にとてもニヤニヤした。まあその割には主人公の1巻での正統派文学以外に対するdisっぷりはどういうこっちゃとか思わなくもないのですが……今回はその辺の主人公の考え方もかなり軟化して、1巻よりも読みやすくなっていたなあ。
しかし、ヒロインに関してはクロナの可愛さが鉄壁過ぎる分、正直ユズさんの存在意g(強制終了)2巻では変なキャラ付けされちゃったけどこれどうなるんだろう。
オオダイラ先生曰く「神」なあの人や、ギンの未来の姿など垣間見えながらも過去にはきっちりと決着をつけて綺麗にまとまった感じなんだけどまだ続くの?2巻までが面白かったので楽しみなような、綺麗に終ってるから今度こそ蛇足になりそうで怖いような……
僕の妹は漢字が読める
凄い久しぶりに読んだ気がするHJ文庫の新人さん。冒頭部分の立ち読みが一部で超話題になった問題作な何か(笑)萌えが進化しすぎた23世紀。萌えるラブコメで「正統派」文学作家を目指す主人公が妹2人と日本文学を代表する文豪・オオダイラ先生(※度し難いHENTAI)と共に謎の現象に巻き込まれる……というお話。
ものすごいネタ枠だと思って7割地雷を踏むつもりで読んでみたら普通に面白かった!立ち読みで色々な意味で波紋をよんだ23世紀の「正統派文学」こそとんがっているし、オオダイラ先生の救いがたいロリコン(というか妹萌え)具合は正直相当ヤバイのですがなんだかんだでニヤニヤしながら物語に引き込まれてしまいました。
主人公のありえないほどの物分りの悪さ・頭の悪さは23世紀のグローバルスタンダードと考えてよいのでしょうか。正直あまりの現実曲解能力に頭を抱えることがおおかったんですが、なにしろ「漢字が読めない」未来の話だからなあ……。23世紀で「漢字が読める」ということがどれだけ凄い事なのかイマイチ伝わってこなかったのが残念です。23世紀の普通の人間たちの営みをもうちょっと描写してくれれば……!!
あと2、30Pあれば綺麗に落せそうな話な気がするのに、完全に「次巻へ続く」なのか。個人的に物語のオチが気になるので次巻は読むと思うけど、これ次どういう風に転がるのかちょっと気になるなあ。