“神野 オキナ” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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シックス・ボルト

 

異星人から突然の「宣戦布告」を受けた人類は彼らの指定したとおりに子供達を戦士として育て、戦争に備えた。そして2015年、日本で初めての戦地として楯岡市の高校が選ばれるが、戦場に赴いた556人の学生達がそこで見たのは想像を超えた凄惨なもので…

Twitterで「暗黒ラノベ」として話題になっていて、懐かしくなったので引っ張り出して再読。否応なしに異星人との戦いに巻き込まれた高校生達が、異星人たちから与えられた強化装甲服に身を包み、「絶滅戦争」と呼ばれる凄惨な戦いに身を投じていくというお話です。

戦争に駆り出された生徒達は、生まれた頃からその戦いのために訓練を受けてきたという経緯はあるもののあくまでどこにでもいるような普通の高校生たちで、そんな彼らがなすすべもなく志半ばで倒れていくのが凄惨さを掻き立てます。死んでも生前と同じ記憶を持ったクローン達が彼らに取って代わるので「事実上誰も死なない」という設定になっているのが逆に悪趣味に感じる。クローニングで“生き返った”としても、当人にとってはやはりその自分が自分自身であるとはいえないわけで……。

そもそも対抗するための武器からしても異星人が用意したもので、彼らに逆らった人間たちの末路も明確に提示されており、とにかく最初から最後まで異星人の手の上で踊らされているような閉塞感が息苦しい。一応この巻で行われる楯岡市での戦闘自体は「勝利」という形になっているのですが、それすらも彼らによって掴まされた勝利という印象が否めず、とにかくすっきりしない。ラストの終わり方も消してハッピーエンドとは言えず、「名目上死者0人」の戦闘が残した傷跡がどれだけ大きかったかをはっきり胸に残していきます。

異星人達の“攻撃”がまた、酷く悪趣味で……人間の生理的嫌悪感に働きかけるような気色悪さがあります。一方で、敵の生み出す“蒼”が奇妙な美しさをかもしだしていたり。序盤でルールを破って滅ぼされた街の描写や、少しずつ楯岡市の日常を彼らの“蒼”が侵食していく描写は、何年も忘れられない程のインパクトがありました。

物語は一応3巻まで出てますが、結局イマイチ異星人側の思惑が判らなかったのは残念…というか、覚えてる限り、結構いろいろと微妙な終わり方をしたような記憶が。第二部完、という形で締めくくられているけどさすがに続編は無理かなあ。1巻と2巻の刊行にかなりの間があいたので、よもや…とか思わなくもないのですが。

生与剥奪権を謎の存在に握られて、限定条件で戦闘という名の「ゲーム」をやらされるというコンセプト自体は最近のラノベだと「扉の外」に近いものがあるかも。あちらは極限状況に追い込まれた人間同士の醜い感情をまざまざと見せ付けられるような気味の悪さがウリでしたが、こちらはとにかく人間が感じる生理的嫌悪感を限界まで追求したような印象が。「落ちてない、落ちてないよ!」な3巻ラストも共通点といえば共通点か(いえ、「扉の外」のほうがまだ落ちてましたが…)

「扉の外」が好きだった人にはオススメかも?


4840237174扉の外 (電撃文庫)
土橋真二郎、白身魚
メディアワークス 2007-02

by G-Tools


「私の好きな」ライトノベル・オールタイムベスト・75(草稿)

ラノベオールタイムベスト100の話題を見かけてからずっと「自分のオールタイムベスト100を作りたい」と思っていたのですがいつもの調子で紹介入りで記事化すると地獄のように長い記事になるので体力があれば夏コミで本にしようかな……と思っていたのですが、そのうち普通に「自分のオールタイムベスト100」の流れが界隈に来たので取り急ぎ出します。コミケで紹介本……というのは割と真面目に考えているのでもし覚えていたら夏コミ1日目のFC小説島をチェックしてみてくださいね(まだ本が出るとは言ってない)

なお、100タイトル選ぶつもりで85まで選んだところで「これは無理に100にするよりもここから少し削ってまとめたほうが正しいな……」という気持ちになってきたので75に削って出します。夏コミで本当に本にするなら改めて100にするかもしれないし50くらいまで更に削って出すかもしれない。そして好きな順・刊行順ではなくだいたい私が読んだ年代順です。

1990年代

1:神坂一「スレイヤーズ」「このジャンル」を認識した始まりの一作
2:山本剛「魔導物語」良きノベライズ
3:神坂一「闇の運命を背負う者」
4:新井素子「グリーン・レクイエム」続編の「緑幻想」が特に好き。
5:あかほりさとる「セイバーマリオネットJ」
6:久美沙織「MOTHER2 ギーグの逆襲」MOTHERがBROTHERになってしまう。
7:北条風奈「小説TWINSIGNAL」シンガポール行きたくなる!!!2巻が特に好き。
8:神坂一「ロスト・ユニバース」
9:庄司卓「倒凶十将伝」

2000年代

10:時雨沢恵一「キノの旅」
11:中村恵里加「ダブルブリッド」オールタイムベストスリーには余裕で入る
12:椎野美由貴「バイトでウィザード」
13:甲田学人「Missing」
14:神野オキナ「シックス・ボルト」
15:杉原智則「頭蓋骨のホーリーグレイル」
16:有沢まみず「インフィニティ・ゼロ」
17:鈴木鈴「吸血鬼のおしごと」
18:木ノ歌詠「カラっぽの僕に、君はうたう。 フォルマント・ブルー」
19:川上稔「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル」電子書籍化待ってる…
20:賀東招二「フルメタル・パニック!」
21:岩井恭平「消閑の挑戦者」
22:岩井恭平「ムシウタ」
23:三上延「シャドウテイカー」このへんの三上延作品セット買い。
24:後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」この本があったから18年待てたんだとおもう
25:藤原祐「レジンキャストミルク」殊子先輩が好きだ
26:風見周「殺×愛 ─きるらぶ─」
27:高殿円「カーリー」
28:土橋真二郎「扉の外」
29:喬林知「まるマシリーズ」三男派
30:虚淵玄「Fate/Zero」
31:林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ」
32:井上堅二「バカとテストと召喚獣」
33:水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
34:菊池たけし「アリアンロッド・リプレイ・ルージュ」TRPGリプレイの中ではこれが一番好き。
35:神坂一「ドアーズ まぜこぜ修繕屋」神坂一挙げすぎってそろそろ思ってるよね。わかるよ。
36:小野上明夜「死神姫の再婚」
37:葵せきな「碧陽学園生徒会シリーズ」正式名称を使うめんどくせえオタク
38:田口仙年堂「吉永さん家のガーゴイル」最後の名乗りのカタルシスよ
39:平坂読「ラノベ部」平坂先生のリレー小説描写は神
40:田口仙年堂「魔王城」電子書籍化して!!!!!!!!
41:杉井光「さよならピアノソナタ」火目の巫女とどっちにするか悩んだ
42:田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」
43:うえお久光「紫色のクオリア」
44:壱月龍一「ラ・のべつまくなし」
45:渡島健康「魔王様げ〜む!」

2010年代

46:本田誠「空色パンデミック」こっちも電子書籍化して!!!!!!!!
47:あざの耕平「東京レイヴンズ」
48:海羽超史郎「STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐」続編「比翼連理のアンダーリン」が特に好き
49:柳実冬貴「Re(アールイー): バカは世界を救えるか?」
50:森 美紗乃「奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター」
51:かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」異色の萌えディストピアSF
52:和ヶ原聡司「はたらく魔王さま!」
53:大樹連司「ボンクラーズ、ドントクライ」甘酸っぱくてほろ苦い青春の三角形。
54:夕鷺かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情」
55:渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」
56:榎宮祐「ノーゲーム・ノーライフ」
57:賀東招二「甘城ブリリアントパーク」続きが読みたい……
58:壁井 ユカコ(GoRA)「K -Lost Small World-」男二人の依存関係とすれ違いと
59:ツカサ「銃皇無尽のファフニール」
60:羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
61:望公太「最強喰いのダークヒーロー」
62:speakeasy(さがら総・橘公司・渡航)「クオリディア・コード」前日譚も本編も全部違う味わいがある
63:望公太「ラノベのプロ!」良い幼馴染ラノベだった
64:瀧ことは「腐男子先生!!!!!」書籍版完結してよかった……
65:師走トオル「ファイフステル・サーガ」
66:瘤久保慎司「錆喰いビスコ」3巻までしか読んでないんだけどその3冊がメチャクチャに好き
67:衣笠彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」

2020年〜

68:二月公「声優ラジオのウラオモテ」
69:七夕さとり「悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜」
70:有象利路「サキュバスとニート」このへんの有象利路作品も著者セット枠。
71:紫大悟「魔王2099」
72:七斗七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」
73:鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」令和になってから読んだ。
74:南野 海風「魔術師クノンは見えている」
75:とくめい「アラサーがVTuberになった話。」