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えでぃっと! ライトノベルの本当の作り方?!

 

中学生にして新人賞を受賞し、一迅社でライトノベル作家をやっている高校生・羽沢雛太。彼の元にやってきた新しい担当編集は同じ高校一年生の女の子と自称「神様」なミニチュア狐耳少女だった。しかも新シリーズを担当する事になった絵師さんは同じ学校の同級生で…!?

現役高校生ラノベ作家の担当が現役高校生編集者の女の子になり、挿絵が現役高校生イラストレーターでさらに主人公の幼馴染とちょびっと不思議要素とかも絡みつつ展開するラノベ業界ラブコメ。

ラノベ業界ラブコメというとGAの「ばけらの!」を髣髴してしまうのですが、そちらとはまた違った方向から描かれるラノベ業界の様子と、主人公たちの恋愛事情が中々楽しかったです。実際の作家をモデルにしたと思しきキャラクターも出てきますが、あくまでそっちはエッセンス程度の扱いでメインは主人公たち3人(+α)の関係が中心。終盤は典型的なハーレムラブコメの様相を呈してましたが、私は美少女高校生イラストレーターの宝泉院さんが一番好きでした!

個人的に一番楽しかったのは、編集会議のシーン。作家と編集が二人三脚で物語を面白くしていく様子がとても楽しそうで、物凄いワクワクする。編集さんとの相性とかもあるだろうし、こうも上手くいくことは稀なのかもしれないけど、やはりこういう形で作品を「高めて」いけるというのは「自由に好きなものを描く」同人とはまた一味違う商業創作活動の魅力なんだろうなあ。特に一人で同人をやっていると、なかなかこういう形の指摘をして貰える事は中々出来ないので、そういうのを忌憚なく言ってくれる相手が居るということには物凄くうらやましく感じる。いや、実際本当に忌憚無いツッコミをバリバリされたら、凹むのは目に見えてるんだけどさ…!!

一方でその「二人三脚」の創作活動に魅力を感じるからこそ、その後の宝泉院さんさんのトレス疑惑の話が恐ろしい。「あれ」が真実であるとはどうしても思いたくないけど、本当にそういう事がきっかけで沈んでいった絵師さんがいるのではないかとか考えると…。最近は特に、ちょくちょくトレース疑惑問題が取りざたされていた事もあって、本当に恐ろしく感じました。

青春ラブコメとしても創作活動モノとしてもとても面白かったです。しかし、個人的には創作活動モノとしての方向に高い比重の魅力を感じていたせいか、イツキの異能能力設定は余計に思えなくも無かったり……彼女自身凄く良いキャラだとはおもうんだけど、物語の出来に彼女の能力が影響を与えているということに、どうも抵抗を覚えてしまう。まあ「運を引き寄せるのも実力のうち」って返されるとそこまでなんだけども。