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1、2の3で恋をする

 

強引マイペースな天才科学者・猫実と、平凡なサラリーマンのサトシは高校時代からの腐れ縁。そんな友人を前に、サトシが乙女みたいにドキドキと恋に落ちていく理由は、猫実が開発した惚れ薬を飲まされたから。実験体として一緒にいるうち、お互いに見たことない相手の一面を知っていき、友人だった関係が変化していく。そんな時、副作用でサトシの恋心が急激に変化してしまい―。 (「BOOK」データベースより)

 高校時代の親友・猫実が開発している惚れ薬の被検体になってしまったサトシ。薬のせいだとわかっていても同性である猫実をみると胸のトキメキがとまらなくて……というお話。

 薬によって作られた気持ちだったり相手が同性であることへの葛藤が、猫実と過ごし、彼に振り回されるうちに少しずつあくまで猫実にとっては惚れ薬の「実験」でしかないだろうとか、いつか実験が終わって薬の効果が切れてしまう事、この気持ちが変わってしまうことへの漠然とした不安へと変わっていくのがみてとれてとてもニヤニヤする!経過観察という名目で頭は良いけど常識や生活能力面で色々お察しな猫実の世話をしながら、)サトシ自身は一方通行だとばかりおもっているけど)完全にイチャイチャバカップル化してるのが可愛くて仕方なかった。

 しかし、このまま薬の効果が切れて晴れて本当の「両想い」になって終わるのかなあとおもっていたら、薬が切れてからの展開が凄かった。ただ恋愛の良いところだけを美味しく戴いていたような状態、幸せ絶頂から突然突き落とされて、自分の気持ちの急激な変化に戸惑うサトシと、サトシを苦しめるくらいなら…と自ら身を引こうとする猫実がすれ違っていく姿が辛かった。直前までの2人が本当に幸せそうだっただけに、よけいに。

 しかし、副作用で…といっても、その期間に育ってしまった恋心は分かりやすいくらいにしっかりと間に根付いていて。副作用が引き起こした生理反応をも超えて再び結ばれた二人の姿に胸が熱くなりました。面白かった!