“高階 聖人” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:高階 聖人 (12 件 / 2 ページ)

本日の騎士ミロク10

 

「一緒に、戦おう」「たりめーだ」オウガンの鎧に身を包み、赤い羽織をまとったオウガンの将軍―元・騎士ミロクの呼びかけに、ジュジュは力強く頷いた。オウガンとジルサニア、軍は分かれても心は同じ。第八国を蹴散らし、竜の聖地を奪還するんだ!だが、第八国は“魔法を無効化する”という前代未聞の大魔法を発動。わずか6人の魔導士たちは、圧倒的な逆襲を開始した!!―治癒のベトが、技術のツッキーニが、そして孤高の藍山同盟までも…ジュジュとミロクの想いが引き寄せた各国の軍隊は、第八国の陰謀を覆せるか。自分を信じる仲間を率い、ミロクは竜の聖地の中核へとひた走る。圧巻の完結編。 (「BOOK」データベースより)

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 「第八国」の魔導士達にミロク・ジュジュを中心とした連合軍が立ち向かうシリーズ完結編。

 これまで敵味方に分かれてすらいた各国が一丸となって第八国に立ち向かう展開が美味しい。これまで殆ど物語に姿を見せなかった藍山同盟まで加わったオールキャラ具合がアツいんだけど、それ以上にエルガンディアの思わぬ大活躍に腹筋痛い。 あの日和見主義で臆病なエルガンディアが…!とか、あのどうにもならない状況を打破しながら颯爽登場するエルガンディアさんマジかっけー!ってシーンのはずなのにどうしても腹筋痛いwwwwww

 たった6人の魔道士達に翻弄される各国が絶望的ともいえる状況から、魔法に頼らず少しずつ事態をひっくり返していく、そしてひたすら「知識」を追い求めた魔道士達が自らの知識に足元を掬われ、溺れていく展開も凄かったけどやはり終盤のミロクの「名乗り」にはアツいものを感じました。まさかあの局面でそのセリフが出るとは思わなかった!

 同作者の『吉永さん家のガーゴイル』の最終巻での名乗りを思い出したけど、ガーゴイルがあの名乗りによって真の意味で吉永家の家族となったのに対し、ミロクは名乗りを上げながら自分の居場所であった赤目隊に別れを告げるという、対称的な展開がどこか感慨深かったです。

 それにしても短編集が一回出たからドラマガのほうの短編話はあっちで拾いきってると思いきや、未収録短編があるってどういうことですか!文庫派だとトーラットがなんでいきなりそんなことになったのか全く流れがわからなかったので未収録短編をまとめて一冊にしてくれることを全力で希望したいです。面白かったけどあとがきで未収録短編について触れられて盛大に余韻が吹き飛んだよ!なにこれひどい!

 ……その際は是非、書き下ろし後日談の収録をお願いします。っていうか国家総「おとうさん」になったオウガンと多分きっと間違いなく弟バカなゴウト兄様のその後が読みたいです。超読みたいです。


本日の騎士ミロク9

 

「アンタやジルサニアには犠牲になってもらう」迷いのない声で告げ、ツッキーニの王子ゼラは牢獄を去った。「ミロク…」ジュジュは呼ぶ。ここにはいない大切な騎士の名を。本当に助けに来るだろうか。いや、きっと来るだろう。赤目隊はそういう連中だ。案外、すぐ近くにきているかもしれない。そんな楽観的な予想すらしつつ、ジュジュは待った。―姫をさらわれ満身創庚で帰還した赤目隊。必要な情報は得た。一刻も早く第八国の魔手から大陸とジュジュを取り戻すのだ!だがミロクにゴウト殺害容疑がかけられて!?ミロク、決断の時―。 (「BOOK」データベースより)

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 クライマックス目前の第9巻。前巻で姿を現した「第八国」の狙いを知り、長年の諍いを捨てて協調の道を歩き始めた各国。しかし、ゴウト殺害容疑がミロクにあると思いこまされたオウガンの軍勢がジルサニアに襲いかかり……!?というお話。

 第八国が引き起こした脅威に立ち向かう絶望的な戦いから一転、ミロクとジュジュが合流してからの展開の巻き返しが凄かった!ミロクとジュジュを筆頭にこれまで反目しあっていた赤目隊と天尾隊、ジルサニアとオウガンが手を取り合って立ち向かう姿が熱かった。あとゴウト兄様が出番無いのに全てをお見通しすぎて萌えすぎて辛い。なんだこの有能過保護兄……

 しかし、次巻で完結ということだけどイマイチ盛り上がりに欠けるというか、明かされた事実は確かに衝撃だったんだけど、第八国も一部キャラが出張ってるだけで全く全貌見えないし、どうやって絞めるのかなあ。個人的にジュジュ救出でもうちょっと盛り上がっても良かった(いえ、救出後の展開は本当に素晴らしかったんですけども!)

 読書メーターでミロクのオウガン服が地味すぎる的なツッコミがあったけど、あれほんともうちょっとかっこよく描いてくれてもよかったよね……あと、シェンランはなんであんなジルサニアっぽい服装をしているんだろうと密かに…。


本日の騎士ミロク8

 

「あー、もう、わかんねーことだらけだ!なんで戦争なんて仕掛けてんだよツッキーニは!?しかもホラキアに!」頭を掻きむしって吠えるのは、ジルサニアの美姫と名高いジュジュ。ツッキーニが同盟国のホラキアに意味不明な戦争をふっかけたのだ。「誰か事情に詳しいヤツはいねーのか!」その叫びを聞いて、俺、ミロクはふとある考えに至る。(いや、それはナシだろう…。)だが俺の顔を見たビスマルク隊長に気付かれた。「…そういやミロク、お前オウガンの皇子だったな」―情報ゲット&停戦交渉めざして、はるかなるオウガンへ飛び立った赤目隊だが…!?亡命の皇子ミロク、姫を連れて里帰り編。 (「BOOK」データベースより)

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クライマックス目前!!という感じのミロク里帰り@オウガン編。

オウガンに帰ったミロクを待ち受けるミロク一家が皆良い性格しすぎでニヤニヤする!!これまでのお話からなんかもっとヤバい状況を想像していたのにものすごく楽しそうじゃないですかー!ここにシェンランが居たら完璧だったのに!

何より美味しかったのは、悪役かと思ってたら案外ただのにくまれ役苦労症兄貴だったオウガン皇帝ことゴウト兄貴。表面だった態度には見せないけどさりげなく亡命したミロクを気遣ってる風だったり、実は甘党だったり……とギャップ萌えがやばい。ミロクやジュジュとのやり取りにはニヤニヤが止まりませんでした。というか完全にジュジュとの会話のノリが結婚前のご両親へのごあいさつ状態だと思ったのは私だけではあるまい……

自らの気持ちを自覚したジュジュやジュジュの為の騎士であることを心に決めたミロク、修行を終えたアニー達……と、赤目隊全員が一歩前に進んだ印象を受けた一冊でした。次巻からはいよいよクライマックスということで、ミロクが無事にジュジュを助け出せるのか、各国に平和は訪れるのか……と本当に楽しみです。っていうかこれはシェンランとミロクの共闘フラグとか期待してもいいのかな!!

あと個人的に、今回はオウガン王子モードでのミロクの名乗りがあったのがたまりませんでした。

それにしても、なんか今回は挿絵と本文の食い違いが露骨すぎてなんか色々と残念だったなぁ……オウガン国の服装に着替えていると書かれているのに一貫して赤目隊の制服で描かれるミロクとか、明らかに若すぎるミロク母とか、「黒髪」って書いてあるのにトーンすら貼ってないベンジャミン王子とか……いや、まあ今に始まった話じゃないんですけど……オウガン王子モードのミロクが見たかったんだよいわせんなはずかしい(*ノノ)


本日の騎士ミロク7

 

「ジュジュ!しっかりしろ!」「バカ…私は、へーきだ…」「大丈夫だからな!俺が必ず助けるから!」「…」「必ず助かるから!ジルサニアに帰ろうな!」暗い森の向こうから、冷たい風が襲ってくる。吹雪の予感。熱を出したジュジュ姫を背負い、俺、ミロクは走った。どこか、暖かくて安らげるところへ、一刻も早くジュジュを…!大会議に向かう途中で陰謀に巻き込まれ、二人きりで敵国ツッキーニを彷徨うことになった俺とジュジュ。そこで出会った新たな人々、そして初めて聞くジュジュの想い―。問題は山積みだけど、ジュジュ、いつものように笑ってくれよ、俺が絶対守るから!―。 (「BOOK」データベースより)

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敵の思惑により敵国・ツッキーニで孤立してしまったジュジュとミロク。運良くツッキーニのレジスタンスが隠れ住む村にたどり着いたのは良かったが、ジュジュの元気がなくて……というお話。

“ジルサニア王女”ではないただの年相応の女の子としてミロクに接するジュジュが新鮮。ミロクの腕を信じていないわけではないけど自衛手段がないに等しい状態で敵地に晒されたら、弱気にもなりますよね。王女としての重責を背負いながら、その地位こそを使って戦ってきた彼女の脆さが露呈したというか。そして年齢相応の少年少女としてお互いを意識してしまう二人が微笑ましい。

しかし、ページ数的な問題に加えて他の赤目隊メンバーがいないせいもあってか全体的に物足りない感じが。最後の「引き」の為の物語が出来てる感じがした。あとがきに書かれているとおり「ターニングポイント」になるお話なので……というのもあるかもしれないけど。

とりあえず次巻でヴィクトルとディアートの絡みに期待せざるをえません。
あと「あとがき」が……!!これなんてイナイレww


本日の騎士ミロク 6

 

「なに書いてんだ?」「…見りゃわかるだろ」「そうだな、見て分かった。『反省文』ね―って、どんだけあるんだよ!」ディアートに思わず二度見されたほどの原稿用紙の山と格闘しているのは俺、剣バカのミロク。「なんだミロクお前、そんなに学園じゃワルなのか?」ってディアートは言うけど…違う、そうじゃない!俺は、ちゃんと騎士として仕事をしただけだ!後輩の恋路を応援したり、女生徒の水着姿を覗く不届き者を成敗したり。学園でも働きまくりの俺なのに、なんでジュジュは怒るんだ!?てか、なんで俺、走る銅像に追われたりしてんの!?超ユニークな学園で、本日もご愁傷様な学生騎士ミロクの日常譚。 (「BOOK」データベースより)

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ドラゴンマガジンに掲載された「本日の騎士ミロク」の短編集。騎士の仕事の傍ら普段は学校に通っているミロクたちの学園生活を描く番外編。

ジルサニアやらオウガンやらといった国の話が絡まない分、どこかまったりとしたドタバタ話が多くて、気楽に楽しめる1冊。ビスマルクやトーラット、フェリサといった年長組の出番が殆ど無いのは残念ですが、シスコンっぷりを全開にする「お兄ちゃん」なミロクや年相応の少女らしくミロクにヤキモチを妬いたりするジュジュの姿が可愛かったです。

それでも赤目隊で鍛えた「騎士」としての腕前は健在。特に第一話の弁当狩りデスマッチで我が意を得たりとばかりに弁当をゲットしていくミロクとアーニィの姿にはニヤニヤしたなあ。プールの話で新たな魅力を披露しつつ、とんでもない離れ業をやってのけるOGのフェリサ可愛いマジ可愛い。

「——お前ごとき、学園長ひとりで十分だ」


しかし、本編のお話も十分面白かったけど全てが書き下ろしのエピローグ「学園長室にて」とあとがきでふっとんだ。学園長の思わぬ正体にもびっくりしましたが何よりも銅像さんマジパネエッス。まさかの銅像さんの大暴走に爆笑、ノリの良いお茶目な(?)学園長で更に大爆笑、そしてあとがきの短編ができるまでの編集さんとのやりとりで腹筋崩壊の三段コンボでした。「ひめぱらを見習え!」と「くっつけました」も実に酷かったですが、挿絵の高階さんにおっぱいを描かせようとする製作者サイドの息の合いっぷりが素敵です。ていうかこれなんてリアル漫才……


本日の騎士ミロク5

 

「じゃ、行ってくるね」なんでもないことのように言い、ミーヤー姫は戻っていった。一度はなんとか脱出できそうだった王宮―動く死者の群れと、邪悪なベトの魔導士が待つ地獄の中へ。「ミーヤー、俺も行く!」走り寄ろうとした俺、ミロクの腕をディアートがつかむ。わかってる。人質の命を救うためのギリギリの決断だって。ミーヤーの背中は凛としていた。でも、俺は聞いたんだ。祈るような声を。「…必ず、助けに来てよ」ゾンビVS赤目隊、反撃ターン開始。ベト編クライマックス。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

4巻から続くペド編の完結編。

うーん、先月末に出た「魔王城」の方が猛烈に面白かったので比べてしまうのかもしれないけど、なんか盛り上がりに欠けるなあ。面白くないわけではないんだけど、今回は物語の焦点が完全にミロク&ジュジュではなくてミーヤー&ヴィジャに寄ってしまったからだろうか……ミーヤーの「種」の加護を受けたヴィジャが強かった分、主人公であるはずのミロク達が完全に脇役になってしまった印象を受けました。なんか今回のミロク、ヴィジャの後ろでドヤ顔してそうなイメージがあるんだよね……

他にも敵の作り出した「ゾンビ」達の扱いや末路とか、なんか全体的に「らしくない」というか、ちぐはぐな印象を受けてしまった。前巻のラストから胸のすくようなミロクの大活躍を期待してしまっていたせいもあるけど、ちょっと全体的に残念な感じでした。

しかし新たな赤目隊のメンバーとなったディアートはとても美味しいキャラだなあ。悪態をつきながらさらっと隊長の無茶振りをこなしていく姿にニヤニヤします。「なんでもこなす」赤目隊の個々の役割分担の話とかもとても面白かったです。


本日の騎士ミロク4

 

「だーかーらー!俺はジルサニアの騎士なんですってば!」「なんでジルサニアの騎士が竜に乗って来てんだよ!」「そ、それは俺がオウガンの出身だからで」「やっぱりオウガン人なんじゃないか!」だあああああっ!!剣バカの俺に、説明なんて求めんなッ!ジュジュを守って重傷を負ったトーラットを癒してもらうため、飛竜を駆り治癒魔法の発達したベト神聖国に飛んできた俺、ミロクとウサギのビスマルク隊長。でもいきなり不審者扱いされるわ、曲刀剣士ヴィジャにのされるわ、やけに色っぽいミーヤー姫に夜ばいをかけられるわ、案の定の大混乱。しかも翌朝大事件が勃発し!?何なのこの国、ジュジュ、俺、大人の段階上っちゃいそう。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

前巻ラストで重傷を負ったトーラットを治療するためベト国へやってきたミロク&ビスマルクが、守るべき王女の居ない異国でまたもや謎のトラブルに巻き込まれて……なベト国編・前編。

赤目隊の女子組が全員居残り……ということで、なんとも男子率の高いお話だったなあ。ミロクと似たような立ち位置に居るミーヤー姫の護衛の少年・ヴィジャやら、今回意外な活躍を見せるディアートなどなど、メイン以外でも男子の活躍が目立つ巻でした。そして田口作品ではきっと珍しい、女子向けサービスも……!!やべえミロク受に目覚めそうだった勘弁してくださいごめんもっとやって

多勢に無勢な状態でもニンジン1本で切り抜けちゃうミロクはやっぱり凄いんだけど、今回は守るべき王女と、そして本来の獲物がもてない状態で本気を出せずもどかしい展開が多め。次巻ではジュジュとミーヤーの前で思う存分本気を出すミロク&ヴィジャが見たいなあ。あと色々な意味でトリックスターとなりそうなディラートに期待、超期待。あとはっちゃけ度合いが今回もおかしいあとがき……次巻も楽しみにしてます!!正直3巻のBLミロクのインパクトには勝てませんが今回のも散々笑わせてもらいましたw

それにしてもディラートとヴィクトルの関係について詳しく、小10時間ほどkwsk
ジュジュが同性愛説を揶揄した際のディラートの反応の仕方が正直かなりハンパなかったんですけど、いろいろな意味でカップリング的な期待をして良いのですか?


本日の騎士ミロク3

 

「けどさ、隊長だって無罪とは限らないよね?」アーニィの意見に、ジュジュが答える。「…殺人はともかく、爆破って言ってたよな。ビスマルクなら、やりかねないんだよなー」「納涼騎士団祭り」も三日目、最終日。閉会式までヒマなはずだった俺ら赤目隊は、ビスマルク隊長が器物損壊&殺人未遂容疑で逃亡中と聞かされ全員驚愕。隊長が「聖書」を爆破した!?たしかに隊長は魔導球を常備している。だけどこの事件、何かウラがあるって!必死で隊長を捜す俺たちだけど、祭りのあちこちに暗殺者が―。剣バカの俺、ミロクには推理なんて無理。だけど、やるべきことはわかってる。ジュジュ姫を守り、隊長を見つけ出すんだ。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

あとがきやべええええええええええ!!!!!

もう本編にも色々言いたいことがあったんだけど、全部あの「あとがき」で吹っ飛んだ感が!!まさかのビスマルク+トーラット×ミロク……だと……!?本編とはうってかわってしおらしいミロクと、イケメン補正250%なトーラットと渋いビスマルク(※八頭身ウサギ)に超もえた。これは二次創作で見掛けたら全力で萎えるタイプですが原作者がやるとうっかり萌えるタイプのパラレルというか……なんか、普段から作風にそういう色の狙いが無い作品でやるからこその萌えだなあ。というかこの短編を書くために一生懸命資料を漁って悶絶しながら執筆してる田口先生を想像するとものすごい萌える。

第三巻はジルサニアのお祭りを満喫中の赤目隊が罠に嵌められたビスマルクのせいでジルサニアの騎士団「黒鎖隊」に追われ、更にジュジュを狙うオウガンの放った刺客達にも追われて……というお話。

思わぬ形で引き離され、孤軍奮闘を迫られる赤目隊の面々の意外な弱点が見れたのが興味深かったです。誰かを「護る」状況では実力を発揮できないアーニィとか、ゴーレムを使えないトーラットの闘いとか、フェリサの意外な強さの秘密とか。特に同じ前衛でも「誰かが居ると強さが半減する」アーニィと「誰かが居る事で強くなる」ミロクの戦い方の違いは特に面白いものがありました。1巻では彼らの法外な強さがアピールされた感じだったし、2巻では頂点対決みたいな勢いだったので赤目隊の強さばかりが印象に残っていた部分がありましたが、3巻では刺客とはいえそれよりも「格下」の相手にてこずる赤目隊の姿が印象的でした。戦闘には直接参加しないジュジュや赤目隊には属さないミロクの妹・コーニィにも、彼女達にしかできないそれぞれの“闘い”がありました。

しかし、ジュジュを傷つけられてキレるミロクかっこいいよミロク。武器:ニンジンのくせにバカかっこいいよ。本編のミロクがかっこいい分あとがきとのギャップが光るよ(だいなし)

トーラットやフェリサ、ビスマルクの過去も少し明かされて、赤目隊の特殊性が浮き彫りになった巻でした。ビスマルクの負傷は今後への伏線っぽいしなあ…なにはともあれ、続きが楽しみです。


本日の騎士ミロク2

[著]田口 仙年堂 [絵]高階 聖人

赤目隊の作戦が功を奏し、なんとかホラキア軍を退けたジルサニア王国。捕虜となったジュジュの幼なじみにしてホラキア国王子・ベンヤミンの口からもたらされたのは、ミロクの生まれ故郷でもあるオウガンの魔導士がホラキアを陰から操っていたという情報だった。講和条約と姫の講演を行うため、急遽ホラキアに向かう赤目隊の面々だが…
   個人的お気に入り度数
変わり者揃いの王国騎士団「赤目隊」に入隊したミロクが、破天荒な王女様・ジュジュに振り回され、こきつかわれつつも難敵に立ち向かっていくファンタジー第二弾。今回は前巻でも不穏な影を覗かせていたミロクの故郷・オウガンが本格的に「ジルサニアの敵」として登場し、自らの立ち位置にミロクが葛藤するお話。

ジルサニアの王女ジュジュ、ホラキアの王子ベンヤミン、オウガンの皇子であるミロクとシェンラン。肩書きは同じでもそれぞれ違う立ち位置にいる4人が様々な思いをもって自らの国を思い、憂い、互いの護りたい者ため相対していく姿が印象的。たとえそれが未熟な想いでも誤った道であっても、誰も彼もが自分の国やそこにいきる人々のために一生懸命で、その姿が清々しく映る。特に、ヘタレヘタレと思っていたベンヤミンの成長っぷりには驚かされました。ラストのベンヤミンの演説はマジかっこよすぎる。

なし崩しに祖国と対立することになってからはじめて祖国とジルサニアのどちらを取るかで葛藤するミロクは残り3人の王子・王女達の姿と比較するとあまりにも考えなしだなあ、と思うわけですが(もちろんオウガンがジルサニアを攻める可能性自体が元々低かったというのもあるんだろうけど)、迷いを振り切って『どちらも救う』という第三の選択を選び、かつての友と相対する姿の凛々しさといったらない。っていうか名乗り合いのシーンがかっこよすぎなんですけど!!!うわあああミロクかっこいいよミロク!!!(ゴロゴロゴロ)

しかし、シェンランはカラー絵からしてふつうに女の子にしか見えないなあ…どうせならもうちょっと性別不詳系美形キャラっぽく描いてほしかった気が……挿し絵だとふつうにかわいい女の子なので、文章から受けるキャライメージとのギャップに時々戸惑いました。むしろふつうにシェンランでもいいじゃない……確かに「お兄ちゃん」の破壊力は妹萌え属性ない私ですらグラっとくるほどやばかったですが!いやでも、シェンラン×ミロクでもいいじゃない……(いろいろだいなし)

まだまだいろいろな部分で未熟なミロクと、とにかく肝心な所で言葉の足りないジュジュを暖かく見守る赤目隊とジルサニア王家の人々のアットホームな雰囲気も前巻から引き続き最高です。というかフェリサ最高です。あの外見のクールさと、口の悪さ及び中身のえげつなさが醸し出す壮絶なギャップが最高すぎます!!もっとフェリサ目立てばいい…むしろ彼女主役のスピンオフ短編とか超みたい……フェリサかわいいよフェリサ…!!

次巻はいよいよオウガンとジルサニアとの対立が本格化しそうな感じ。というか●●…だと…。物語がどの方向に転がっていくのか、とても楽しみです。


本日の騎士ミロク1

 

生来の気の短さからバイトを次々とクビにされたミロクは唯一の特技である剣を振るう事が出来る職場としてジルサニア騎士団を志す。ところが、配属されたのは「赤目隊」と呼ばれる変わり者ばかりが集められた、剣を持たない部隊だった。ところが憧れのお姫様・ジェルメールの意外すぎる素顔を目の辺りにしてイライラが募るばかり…!?

個人的お気に入り度数

「吉永さん家のガーゴイル」「魔王城」シリーズの田口さんが富士見ファンタジアでおくる新シリーズなファンタジーもの。

血生臭いシーンも多かったですが、それ以上にやたらとアットホームな王族の皆さんとか移民であるミロク達に偏見のないジルサニア国の人々がまるで国ごと御色町(※吉永さん家のガーゴイル)みたいな心地よいご近所臭をかもしだしていて素敵です。もちろん、メインのお話はミロクと「赤目隊」のメンバー達の繰り広げるお話でそこに登場するキャラクターもそれぞれ魅力的なんですが、バイトをクビにしつつもミロクの転職先を提案してくれる食堂の店長さんとか、何かと話し相手になってくれる“騎士”の入団式でお隣だった公園管理人のお爺ちゃんとか、名もない脇役がいい味出してて、それがとてもツボに入る。

しかし、ストーリーはこのテのファンタジーラノベ的には王道中の王道すぎて先が容易に想像できてしまい、少々物足りないものがあったかも…ミロクに隠された過去とか「実は皆有能なんだよ!」な設定のあたりは明かされても「ですよねー」って感じになってしまってました。

そんなありがち感を一気に吹っ切ってしまうようなクライマックスには胸がスっとした!とっさの機転で武器にしたアレを構えてのシーンでも様々な意味で非常にときめいたのですが、返り血スキーとしては263Pのミロクの挿絵とその周辺でニヤニヤせずにはいられない。普段はヘタレバカだけど戦闘シーンではワイルド系有能(+返り血)って、なんだこの燃えキャラ!!!「ガーゴイル」「コッペ」、それに「魔王城」のイメージを加えても意外なほどに血生臭い展開にもびっくり。赤目隊、容赦ねー!

でも個人的には、展開よりもなによりもフェリサにしてやられた気がしてなりません。
銀髪無口娘=「何、このフェリ」とか思っててすいませんごめんなさい!口を開いた彼女の第一声を聞いた瞬間噴出しましたよ!!意外性的な意味でいいキャラすぎる…ひょっとして終盤まで殆ど口を開かなかったのはこのためだったんだろうかとか。

ミロクの過去やジュジュに隠された力をはじめとして、まだまだ色々な謎が残っているのでその辺が今後どういう形で明かされていくのかも気になります。続きがとても楽しみです。