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スカーレッドライダーゼクスゼノン Scared Rider Xechs XENON

 
pako
 
原作
レッド・エンタテインメント

紅の世界と呼ばれる異世界から現れた侵略者“ナイトフライオノート”。世界を救えるのは、若き司令官・萌黄アキラ率いる第五戦闘ユニット・SR5だけ―のはずだった。過酷な戦いの果てに、次々と命を散らしてゆくライダーたち。世界が終わろうとしたその時、アキラがとった選択とは!?人気キャラクター甘粕ソーイチロウの目線から語られる、もうひとつのスカーレッドライダーゼクス。 (「BOOK」データベースより)

 音楽学院の受験会場で異世界生命体ナイトフライオノートの襲撃に遭い、“音楽”を奪われた甘粕ソーイチロウ。事件の際に出会った対ナイトフライオノート特務機関LAGの教官・萌黄アキラに惹かれ、琉球LAGのスカーレッドライダー候補となることに。彼女の率いる第五戦闘ユニットは様々な戦果を挙げていくが‐‐PS2/Vitaで発売されたニチアサ特撮ドラマみたいな乙女向けゲーム「スカーレッドライダーゼクス」の“一世代前”の戦いを描いた前日譚ノベライズ。

 世界観設定上のネタバレを盛大に含むものの、ゲーム本編以前の話となっているのでゲーム版をやっていない人でも楽しめると思います。本編の真エンディングに続く為のひとつの挫折の物語なので、「Fate/ZERO」とFate本編の関係性に近いかも。あと、原作ゲームからして乙女ゲームの体裁取ってるけどあんまり乙女臭くなかったのが、視点が男性のものになって大体「乙女ってなんだっけ」って感じになってます!乙女ゲー苦手な人にも安心しておすすめできる雄臭さです。

 ゲーム版の特典についてきた用語集がゲームには使われない設定てんこもりで物凄い濃厚で、その設定でもっと話読みたい!と思っていたんだけど、そのゲームで出てこない設定がガッツリ盛り込まれた物語でとてもおもしろかった。第五以前のユニットのこと、決して暖かいばかりの関係ではなかった人間とサブスタンス達の歴史、あの人やこの人の事情など、ゲームをやっていなくても楽しめるけどゲームをやっていると更に楽しめる。特にレスポールに関しては後にゲームで果たす役割を思うと……。

 第五ユニットの、第六ユニットとは似たようでどこか違う空気もとても楽しくて、彼らの戦いをもう少ししっかり見たかった気がする。ヒジリが彼らの元に保護された直後のやりとりとか凄く暖かくてきゅんとする。

 何より衝撃だったのがゲーム本編ではメインストーリーには絡んでこないけど何か事情を知っている雰囲気であったソーイチロウの第五戦闘ユニットでの立ち位置か。赤の世界と青の世界の両方から“選ばれた”が故にどちらに行くことも出来ず、大切な物を二度も奪われたソーイチロウ。そんな彼が、“彼女”を手に入れることが叶わないと知りながら、それでも第六戦闘ユニットの補佐官としてLAGに関わり続けるのが凄く好きです。

 それにしても、甘粕のヒロイン度も大概にひどいけど、エピフォンのヒロイン度が更に突き抜けててすごいな!!だいたいエピフォンのせいで赤の世界と青の世界の衝突が起きてる気がするの、多分気のせいじゃないよな!!