こちらも表紙につられてホイホイ購入。性格の違う悪魔2人がバディを組まされて殺人事件の謎を追う、ハードボイルドなミステリー小説。様々な人間と人間ならざるものたちの思惑が絡み合っていく展開が面白かったです。
人間として生まれ、悪魔としての二度目の“生”から抜け出そうと足掻き、未だ後悔の中にあるバドと、悪魔として生を受けてその職務に忠実な男・リッチ。生きかたも性格も対称的な2人が本当にちょっとだけコンビらしくなっていくのが楽し……いのですが、個人的にはもうちょっと主人公2人は絡んでもいいのよ!?と思いながら中盤までもだもだしていました。あんまり絡む(深い意味は無い)とハードボイルドじゃないのかもしれないけど。最後の背中合わせの挿絵でとてもテンション上がったので満足ですありがとうございます。
ピアニストのシェリにかつての自分を重ねて助けたいと葛藤して後手後手に回ったり、犯人の思惑に乗せられてピンチに陥ったり……とイマイチ有能ぶりの伝わってこないバドなんだけど、最後の犯人との対決には思わずにやりとしてしまう。彼の“有能”さは決して戦闘でも能力的な方向でなく、良くも悪くも人間らしい「生き汚さ」にあるのではないかと思ってしまうのでした。
大変どうでもいいはなしだけどこれ、一般レーベルから出るかニトロプラスあたりのエロゲだったら絶対シェリとの濡れ場があるなと思ってすいませんでしたそういう話じゃない。