ページ 98 | 今日もだらだら、読書日記。

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ファンダ・メンダ・マウス

 

おれはマウス。しみったれた倉庫でくそったれな監視システム相手に終日ダラ?っとすごす。家に帰ればネーネがべったり張りつく、そんな毎日。でも、おれは今の自分にかなり満足。人生がこれ以上でもこれ以下でも今いる自分になれないのならそんな物は願い下げだと、心の底から思っている。いい女はべらして万ケンシャンパンドンペリジャンジャンBMベンツにPMゲッツーみたいなことが必要だとは思わない――のに!「嫁に!」とか言い出すジャリ娘の登場から怒涛の急展開だよ!!独特で中毒性の高い文体、鳥肌ものの展開。全選考過程で物議を醸した作品が登場!

宝島社様より献本をいただきました!
これはなんというか、文字通りの「怪作」。

「マウス」を自称する主人公が高校時代の恩師の娘を救う為、様々な伝手を使いながら横浜港を奔走するお話……なんだけど、読み始めて10Pもいかないうちに、主人公の装飾過剰気味な一人称文体に耐えかねて投げ出しそうになった。ほんとうに、目が滑って仕方なかった……

このままずっとこの文体が続くなら最後まで読みきれないかも……と思っていたんだけど、少しずつ他のキャラクターが出てくるたびに、不思議と読みやすくなっていく。分かり辛かった物語が段々はっきりと、クリアになっていく。正直序盤と終盤では文章を書きなれてきて読みやすくなったという印象もあったんだけど、それだけじゃなかったとおもう。少しずつ物語の全体像が見えてきて、面白くなっていって、少しずつ目が離せなくなって来る。特に、マウスの独白だけでは中々見えてこなかった彼の不器用な愛情・歪んだ優しさが、彼の居ない所で、他のキャラクターの目線を通すことで段々と見えてくるのが良かった。なんて懐の広い男なんだ、マウス。

そして最後の展開は、信じられないほどに熱い。最初に読み始めたときに感じた斜に構えたイメージからは想像も付かないような終着点に、ワクワクした。

とりあえず、この物語を手に取った人は決して最初で挫折しないように。最初10P、20Pのところでやめてしまうのは勿体無いです。1冊全部、とは言わないけどせめて2?3キャラ出てくるところまで頑張って欲しい。ほんと、途中で印象変わるから。



テンション上がってしまったので追記。

何気にこの「ファンダメンダ」、良い男子萌え作品だと思うんです。
ホモとかオカマとかそういう過剰装飾を排除してよく見るとなんだかんだで良い「親友」なマウス&ミチルとか。ネーネを挟んだ奇妙な三角関係を築きながらもなんだかんだで共闘していく「悪友」関係なマウス&ぴがろとか、大変美味しいと思うのです。特にミチルちゃんの過去話とクライマックスでのぴがろとマウスの信頼具合はやばかった。

……何がいいたいかというととりあえず誰か腐女子属性の人はこれを読んで私と男子萌えを語れ。

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B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない

 
kona

「まぁ、どちらにしろ、退屈な話だけれどね。ボク好みの要素なんて欠片もないよ」欠伸をしながら黒いゴシックロリータを纏った少女・繭墨あざかは言った。“動く落書き”の犯人を捕まえる。いつも通りの馬鹿げた事件は、僕と繭墨を異能の一族・水無瀬家の誇りと絶望と裏切りの渦中に巻き込んでいく。自らの矜持のため、人の命を踏みにじる彼らに僕は怒りを覚えるが―。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー、大反響の第2弾。 (「BOOK」データベースより)

異能の少女・繭墨ととある事件をきっかけにして異能を孕み彼女の「助手」となった普通の青年・小田桐が様々な怪奇事件と遭遇して解決……したりまぜっかえしたりするお話第二巻。

1巻に引き続き、悪趣味で醜悪な物語……なのは変わらないんだけど、全体的には1巻よりもややマイルド、のように思えてしまったのは新キャラ・白雪のお陰か。異能の一族の若き長でありながら、この面子に混ざると全然普通の女の子に見えてしまうから恐ろしい。あとカラーページのふくれっつらが可愛すぎて困りました。あと可愛いといえば幸仁の書いた「神」のカサカサッぷりがたまらなく可愛いんですがどうしたらいいですか。

もちろん、今回もなんともいえない醜悪さ・悪趣味さは健在。細かい所からチクチクくるようないやらしさを各所で感じました。「金魚」マニアのあの人のお話とかはある意味テンプレ的なんだけど、それ以上に七海と繭墨のやりとりにゾクっとくるものが……ちらっとしか出てきませんでしたがあれって明らかに……ですよね。

そして最後の最後で3巻への特大の爆弾が落ちてきたわけですが、あの人復活とか3巻に期待せざるをえません。あとラストの展開はエグいと思う。さりげなくとてもエグいと思う。3巻楽しみです。

……余談ですが雄介が小田桐のストーカーにしか見えなくなってきました。

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ココロコネクト キズランダム

 

“人格入れ替わり”現象を乗り越え、太一たち文研部員はおだやかな日常を取り戻した。そんなある日の放課後、突如稲葉が太一に襲いかかる!さらに唯が見せた、机を叩き割るという過剰な行為。そして太一と伊織には奇妙な感覚が湧きあがった―体が、勝手に、動きだす?そんな矢先、太一は青木と唯が補導されたと聞かされて…!?再び現れた“ふうせんかずら”と新たな試練。それは五人の絆を打ち砕く!愛と青春の五角形コメディ、痛みと涙の第二弾。 (「BOOK」データベースより)

<ふうせんかずら>と名乗る謎の存在に観察対象(?)として目をつけられてしまった高校生5人組が様々なトラブルに巻き込まれるお話、第二巻。

今回は不定期に欲望が丸出しになってしまい、自制がきかなくなる『欲望解放』が起こるようになって……というお話なのですが、「入れ替わり」が起こっていても表面上はマイペースだった前回と違ってしょっぱなからとても余裕が無い。様々な部分で齟齬を生んで、最終的には5人組離散の危機にまで陥ってしまうのですが、それも元はといえば5人が「欲望解放が起きた時に5人のうちの誰かを傷つけてしまったらどうしよう」という優しい想いから来ているのだと思うと、なんともやりきれないものがありました。

それでもなんとか元の関係を取り戻していくのですが、最後まで意地を張り続ける稲葉にはとある秘密があって……5人の関係を壊したくないと思うからこそ何もかもに臆病になってしまう稲葉と、そんな彼女に喝を入れ手を差し伸べる伊織のやりとりがとてもよかったです。前回の「入れ替わり」の影響を最後まで引きずった伊織が太一を立ち直らせ稲葉を立ち直らせて……と今度は5人を助ける鍵となっていく展開は本当に良かった。

というか開き直った稲葉の、エピローグの独白にはニヤニヤが止まらない!!稲葉と伊織の爽やかライバルっぷりにニヤニヤします。あと藤島かっこいいよ藤島。1巻の百合キャラから一気に姐御キャラへの転身を果たした彼女の今後の活躍に期待せざるをえない!!!

しかし、個人的に一番ツボにはまったのは太一と青木の仲直りでした。なんだこの青春具合ふざけてるの萌える。夕方の川辺、なんてもうシチュエーションだけで卑怯すぎる!!!

「なぁ太一。ちょっと座ろうぜ。河川敷で夕日を見ながら男二人で話すって青春全開だろ?青春しようぜ」

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空色パンデミック2

 

あの結衣さんの「劇場型」発作の日以来、僕は確信を持てずにいた。僕の彼女への好意も、彼女の空想の産物なのかもしれない―。そんなある日、教室で今井さんという子に突然声をかけられた。「あなたに話がある。私の名はブーケ・ザ・ボマー」新手の空想病患者?もう本当に勘弁してほしい。だが彼女がもたらした世界改変をめぐる真実に僕は驚愕する。そして再び世界の命運を賭けた戦いが始まった!狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」第2巻。 (「BOOK」データベースより)

発作的に自らの空想の世界の住人になってしまう「空想病」の少女・結衣と彼女に気に入られてしまった普通の高校生・景が繰り広げるボーイミーツ「空想少女」第二段。今回は前巻からの続きで、解決していた結衣の「空想病」による影響が実は未だ現実世界に影響を及ぼしていて、景は再び世界を救う為水面下で奮闘することに……というお話。

前巻以上にどこまでが空想でどこからが現実か判らないお話になってきました。最後でキレイにオチはついたけど、「実はやっぱり●●でした」ってオチにはなったもののどこまでそのオチで解釈していいのか全く書いてない!読んでいる側からすると同時に物凄く煙にまかれた感が否めませんでした。いえ、この煙に巻かれる感じこそがこの作品最大の魅力なわけですが。

こんな、空想と現実の境界線がつかめない状態で結衣への恋心が「結衣自身によって強制されたものではないか」と不安になってしまう景なのですが、そんな景の不安を打ち払うような森崎との会話が凄く良かった。1巻のエピローグから、森崎はマジでいい男すぎる!!「俺に構わず先に行け!!」なやりとりも好きなのですが、「その方がかっこいいじゃん」な理論展開にはとてもにやりとした。

そしてまた最後の一行で爆弾が投下されてるよ!!とりあえず3巻も凄いらしいので楽しみです超楽しみです。

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闇の皇太子 宿命の兄弟

 

「光があれば影もできる―この世を支えている“影=闇”の世界があるかもしれない」人好きされる后に紹介された、主神言という少年が告げた言葉。謎の言葉を不思議に思いつつ、なぜかとても懐いてくる言を京都案内していた后は、今まで目にしたこともなかった異形のものに襲われる!さらに“安倍晴明”なる(名前以上に行動が!)怪しげな人物が后を追いまわし始め…。后の周りに続々と集結する12神将とは?そして言の正体とは―!?個性的すぎる闇の後継者たちの物語が今、始まる。 (「BOOK」データベースより)

噂には聞いていたけど予想以上にBLだった。

なんていうか、必要以上に物語に女子が絡んでこない不自然な世界観、という意味で大変BLだった。女子がいないわけじゃない(でも2人しかいない)けど、基本的にキャラクター相関がほぼ同性同士により構成されてることにびっくりした。というか開始100Pもいってないのに主人公がいつ押し倒されてもおかしくない気がする(ただし男に)というのもなんかすごいな!

愛情に飢えたブラコンヤンデレ弟×人の良いおにいちゃん、という組み合わせは大変美味しいんだけど、とにかく開始直後から弟→兄への愛情度MAXな上、その後かなり早い段階で兄もデレモードに突入してしまうのが個人的にはちょっと物足りず。特に言はギリギリ「一目ぼれ」ではないわけだから、もう少し激的な変化が欲しかったなあ。

后のデレに至っては、もう超常的な何かで説明しないと説明がつけられないレベルで……うーん。いくら困ってる相手をほっとけない性分とはいえ、弟とはいえ、初対面の相手に対してここまでデレてしまうのは不自然に思えるというか……ややデレ方が不自然だったので何らかの裏設定的な理由がありそうな気がするんだけど……あったらいいな…。とりあえずキャラクターの関係は結構好みだし、聞いた所によると結構巻を重ねると面白くなるらしいので2巻以降に期待してみます。

……后を女の子にしたらまだ乙女ゲー的展開で無理が無いのに、って突っ込みは野暮だよね?

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機巧少女は傷つかない 1 Facing "Cannibal Candy"

 

機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。その最高学府である英国ヴァルプルギス王立機巧学院では、人形使いのトップ「魔王」を決める戦い、通称「夜会」が開催される。そして今、二つの影が学院の門をくぐった。日本からの留学生・雷真と、そのパートナーたる少女型人形の夜々である。「夜会」参加資格を得るため、雷真は参加予定者との決闘によりその資格を奪おうとする。標的は次期魔王有力候補で、暴竜の異名をもつ美少女・シャル!しかし雷真が彼女に挑んだところ、思わぬ邪魔が入り…?シンフォニック学園バトルアクション。 (「BOOK」データベースより)

家族を殺された少年・赤羽雷真は彼等の仇を討つため、自動人形の少女・夜々と共に機巧魔術の最高学府・ヴァルプルギス王立機巧学院に入学する。そこでは成績優秀者のみが参加を許される、「魔王」を決める戦い・通称「夜会」が催されており、雷真達も夜会への参加を目指すのだが……というお話。ぶっちゃけドラマCDのキャスティングがまんま某ラノベの主人公とヒロインだったとか、そんなのにつられてなんかすいません一生懸命頑張ったんだけど下野ボイスで雷真のセリフが再生できません色々な意味で明日のラジオ配信が楽しみなような不安なような!

前世紀ヨーロッパで魔法学校という舞台に「人形」で戦うというファンタジーでゴシックな題材・そしてヒロイン・夜々の和ゴスに代表される和風なトッピングがピリっときいてて、もう個人的には世界観だけでニヤニヤできるレベルなのですが、ちょっと押しが強くてヤンデレ入ってるヒロイン・夜々と主人公・雷真の掛け合いが(シリアス・コメディ合わせて)ツボすぎてとてもニヤニヤした!雷真のためならたとえ火の中「お布団の中」な夜々の猛烈ラブアタックがとてもかわいいです。そしてもう1人のヒロインといえるクラスメイト・シャルのツンデレっぷりが可愛すぎて……。

重い過去を持ち才能を秘めた主人公、魔法を扱う学園、人間と人ならざるもののパートナーが繰り広げる異能バトル……と良い意味でも悪い意味でもかなり「王道」な作風の作品なのですが、ストーリー以上にキャラクターや世界観が魅力的すぎて最初から最後までニヤニヤしながら読んでしまいました。というか、良い意味で「ベタ」な作風で、それが逆に好い。物語としての盛り上がりは2巻以降だと思われるので、続編も楽しみにしたいです。

雷真は背後からの問いかけを無視して、かたわらの相棒に言った。
「行けるか、夜々」
「雷真が望むなら、地の果てまでも」

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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!  Fandisc

 

絶対!! ギャルゲ主人公宣言!?  ハーレムここに極まる!!
咲と愛子の友情のはじまり「いつか花咲く、愛もある」。武紀にゆうきから意外な提案が……「梅雨が明けるころに」。悩める春姉、危機一髪?「姉のちときどき胸さわぎ」。どうしても一緒にお風呂に入ると言う夏海に武紀は!?「俺の妹のばあい」。意外なあの娘とアキバデートっ!「すくぅ?るメイド」。そして訪れる武紀最大の正念場――奮い起こせ主人公力!!「攻略仕様のアンチノミー」の全6編でお贈りする『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』珠玉短編集!!

? 都築さんマジ一級フラグ建築士!!! /

ギャルゲーのヒロイン達を現実世界に「投影」してしまった主人公・都築武紀と彼の呼び出したヒロイン達+αが織り成すラブコメ、今回は物語の隙間の物語を集めた短編集。ヒロイン達のたわいも無いお喋りという形で過去のエピソードを語るという形式なのですが、全体的にシリアス度の高い本編よりもお色気メインのちょっとエッチなエピソードが多くて軽く楽しめる感じ。特に春海と夏海メインの短編は某富士見のお色気ラノベを思い出させるギリギリ具合。

しかし、武紀がフラグ建築しすぎでやばい。本編を読む限り落ちてるのはゆうき除くヒロイン4人にせいぜい高橋愛子くらいだと思っていたらそれどころじゃなかった!!むしろ落ちてない女子キャラいないんじゃないの位のいきおいでほとんどよりどりみどり状態だった!!高橋愛子さんのデレはまだしも、よもやのゆうきデレに噴いた。本当にびっくりした。こいつ、こんなにジゴロなキャラだったっけ……?

個人的に一番好きなのは咲と愛子の友情が描かれる「いつか花咲く、愛もある」とラストの「攻略仕様のアンチノミー」。前者はとにかく不器用な愛子さんが可愛くて可愛くて!!愛子好きなら必読の一編。攻略仕様の?は、エターナルイノセンスをプレイした武紀が当時攻略した順番を知りたいとヒロイン達が言い出すお話なんですが、すっかりヘソを曲げたヒロイン達のご機嫌を取る為に武紀がエターナルイノセンスのゲーム内でヒロイン達を攻略した際に言う主人公のセリフをヒロイン達に言う…という話なのですが、歯の浮くセリフに舞い上がるヒロイン達の姿が可愛かった。そしてゲーム内のセリフ覚えすぎな武紀さんマジパネエっす。

「投影前」のゆうきに関しては、このまま本編とは関係ない扱いでスルーされるのかな、と思っていたんだけど最後を読む限り今後の本編で触れてきそうな感じ。個人的には「実は投影前は男だった説」を推したいんだけどそうじゃなくても何かひと波乱ありそうな予感。次巻が楽しみです。

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STEINS;GATE─シュタインズゲート─ 円環連鎖のウロボロス(1)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

秋葉原の地を舞台に、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」…を自称する厨二病大学生、岡部倫太郎の時空を超えた物語が始まる。過去に送信できる「Dメール」が引き起こす、原作ゲームと似て非なる世界線の目撃者となれ!―ああ、すべては「運命石の扉」の選択のままに。―エル・プサイ・コングルゥ―。発売以来、絶賛と熱狂をもって迎えられた想定科学ADV『STEINS;GATE』が小説として再臨。(「BOOK」データベースより)

Xbox360で発売されたADV「シュタインズゲート」のノベライズ。原作はクリア(というか実績1つ除いてコンプ)済み。

原作の展開に忠実なノベライズ、かとおもって読んでいったら少しずつ行動によって引き起こされる「結果」が変わっていって、その違和感にゾクゾクする。最初は小さな違和感だったのが段々大きくなっていって……フェイリスがDメールを送るくだりでは予想外の展開に呆然とした。

基本の展開は原作に忠実にChapter6の途中のあそこまでなのでPC版を買うかどうか悩んでいる人はとりあえずこれを買って気になったらノベライズ後半を待ちながらPC版をプレイするのもアリかも。フラグをじっくり立てていって、お膳立ては整ったさあフラグ回収するぞ!とトリガーを引いた瞬間に終るようなものなので多分これ、原作未読で読んだら居ても立ってもいられなくなりますよね…ニヤニヤ。

同時に、前半でたてられたフラグの内容が結構変えられているので当然解決法も変わってくるはずで……原作プレイ済の人でも(帰結する場所は見えていても)先が見えないという展開がニクイ。ちょっと分厚い上に序盤は大体原作と同じ展開なのでハードル高いかもしれませんが、原作プレイ済の人でも新しい気持ちで楽しめる内容になってますので、オススメ。

しかし「知りすぎた」のメールはやっぱり添付画像がないとインパクト薄くなるなあ……。

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バカとテストと召喚獣8

 

ドキドキ一つ屋根の下? 姫路さん、がんばります!玲の提案で瑞希が吉井家で暮らすことに。今まさに明久の眼前に広がるのは魅惑の同棲生活!? だがしかし! それは同時に異端者の終わりなき逃避行の始まりでもあり……「おい明久! お前――」もう万事休す!? と、明久の生命が危機に晒される中、再び幕を開けた試召戦争がFクラスを未曾有の大混乱へと突き落とす! 昨日の友は今日の敵、あれ? あなたはどちら様?? 「ズボンだけは残しておいて下さい!」(by明子ちゃん)波乱の予感が吹き荒れる第8巻!!

「ま、こうなったからには仕方がないか……。雄二、今だけは協力してあげるよ」
「ぬかせ。王様(キング)に協力するのは歩兵(ポーン)の義務だろうが」


ずっと悪友のターン!!!!!!!!!!!!

姫路さんと明久のドキドキ同棲生活……とか思っていたらどうしてこうなった……どうしてこうなった!!同棲の話を隠そうとしているうちに噂が噂を、誤解が誤解を呼び……更に試召戦争と同性愛疑惑と足の引っ張り合いの結果めでたく手と手を堅い手錠で結ばれた僕らの悪友コンビがFクラス(異端審問会)+αを相手にガチバトルを繰り広げるという……なんだこれ!なんだこれ!!どうしてこうなった!!

もちろん姫路さんと明久の甘酸っぱく初々しい同棲生活もやばいのですが、一緒に逃げる羽目になった雄二と明久が奏でる不協和音と、そんな二人の目的が一致した瞬間に発揮されるうってかわった以心伝心具合。そしてナチュラルストレートなツーカー具合がやばすぎました。2巻・6巻・7巻のような王道燃え展開でなかったですが、良い意味で二人の「悪友」ぶりが強調された話ではなかったかなあと。もうわたくし、玉野さんと優子さんといっしょに二人の仲をいつまでも見守りたい所存であります。

それ以外では久しぶりの暴力っぷりを存分に発揮する美波の大活躍にもニヤニヤしましたが、今回誰よりも凄かったのがサブキャラ昇格の玉野さん……淑女ヒロインの姫路さんを軽々と飛び越える淑女という名の変態ぶりに噴き出しました。優子さんとはまた別の、オープンポジションな腐女子キャラではないかという予想は以前からあったのですが、ここまでオープンに淑女っぷりを発揮されると……なんていうか……すごいな……。

久しぶりに最初から最後までバカばっかりな展開だったせいもあり、最後の姫路さんと玲のやりとりがたまらなかったです。自らの身を顧みずに暴走してしまう明久を心配する姫路さんと、同じように心配に思いながらも明久のまっすぐな所を尊重してあげようとする玲の「姉」としての想いに胸が熱くなりました。

ひとつ積極的になった姫路さんの行動が、次巻以降また波乱を呼びそうな予感。いつぞやのインタビューで提示された「本編10巻で一区切り」説を信じるなら物語もそろそろ終盤だと思われるので、明久を巡る恋の鞘当てもそろそろ決着してしまうのか?(バカテスだったらどっちつかずな終り方でも美味しい気がしますが…)
さりげなく裏で暗躍する3年生の姿も気になるところ。次巻が本当に楽しみです。

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