科学アドベンチャーシリーズ第三弾「ROBOTICS;NOTES」の物語をヒロインの一人・神代フラウの視点から追うノベライズ。角川スニーカーのノベライズでは定番ですが原作を知っているの前提+原作の隙間を補完するタイプのノベライズになっていますので原作未プレイのかたはご注意ください。(特にこの物語の場合、フラウは物語の途中から現れる設定のため序盤のシナリオはかなりすっとばして描かれてます)
フラウ視点のメディアミックスはウルトラジャンプではじまったコミカライズの第一話も読んだんだけど、地文でじっくり心理描写の入れられるノベライズのほうがしっくり来る気がする。原作でも「ツイぽ」や彼女自身の発言でぽろぽろ露出していた腐萌え語りがだだもれになっているのはもちろん、典型的な非コミュオタな彼女が@ちゃんねる用語で覆い隠している本音がだだもれ状態になっているのが楽しくてたまらない。ロボ部の中で一番自由奔放な発言をしているようにみせかけて、単に他人とコミュニケーションとるのが苦手なだけだったり、結構うろたえたりしているのが可愛くて堪らない。
海翔視点からはなかなか見えてこない、母や『ガンヴァレル』や『キルバラ』への強い思い入れが透けて見えるのも良かった。「キルバラのリーダーボード5位」というのは自分が作り上げた大切な作品にどれだけ思い入れを持っているのかの証というわけで。母の手がかりを追うための人脈作りといいながら必死にその繋がりを維持しようとして、どうしたらよいかわからなくて内心テンパる姿が可愛すぎました。
しかし、一番このノベライズで面白いなあとおもったのは原作でも登場する「ツイぽ」の扱い。ゲームと同じフラウの発言に、ゲーム中では見えることの無いフラウのフォロワーからの反応(主にフラウのサークル仲間からのレス)がついて海翔のそれとは全く違うTLになっているのが面白かったです。