死神姫の再婚シリーズ短編集第二弾。過去編を除き、基本的に時系列順になっているのが興味深いというかカシュヴァーン様が少しずつ残念な嫁バカになっていくのがとてもわかりやすい短編集。+「オトキュン!」に収録された学園パロディ短編が掲載されています。
最初の2編はFBオンラインに掲載されたせいもあるのか、序盤のまだまだラブラブには程遠い2人の話。「お手軽新婚旅行」ではまだまだツンツンしてるカシュヴァーン様が大変新鮮でしたが「恋も剣技もお代次第」では既に色々仮面がはがれまくったあとという感じが大変美味しい。剣のお稽古にかこつけてアリシアのキスを強請るカシュヴァーン様まじ残念。
個人的に一番好きだったのはカシュヴァーンの少年時代から『怪物』とよばれるようになるまでを描いた「成長痛」でした。父に疎まれ、トレイスの姉・リリアを父に奪われたカシュヴァーンが少しずつ思いつめていく様子が痛々しい。暴君の道を歩みながら、そして唯一の理解者となってしまったトレイスに依存してそれ故にすれ違っていく。口ではどんな風に言っても最後は自分を信じてくれると思っていたトレイスすら神に奪われたカシュヴァーンが静かにトレイスと決別する姿が、どんなに強がっても父親のように大事な人間を切り捨てる事だけはできないカシュヴァーンの甘さが、切なかったです。
しかし「成長痛」の後に読む「今さら王子様総選挙」の、なんてカシュヴァーン様どうしてこうなっ幸せそうなこと!!シルディーンの内乱を乗り越え、今まで以上に強い絆で結ばれたカシュヴァーンとアリシアの幸せそうなバカップルぶりにニヤニヤがとまらないんですがもう今すぐアリシアを押し倒したくておいしく戴きたくてたまらなそうな、発情期まっただなかなカシュヴァーン様マジ残念!!!