『星』と呼ばれる異能を見込まれて学園に入学したものの、毎回試験のたびに不幸なトラブルに巻き込まれて万年六等星の座をキープしていたエリッセ。能力の底上げを図ろうと禁呪に手を出したら強力な能力を持ち、そして封印されていたかつての一等星・ディガンが現れ、彼女を拉致してしまう。ディガンにより、自分のこれまでの不運が『不幸の星』と呼ばれる禁呪が原因であるといわれたエリッセは呪いを解除するためディガンとともに王宮へ向かうが……というお話。「死神姫の再婚」の小野上明夜さんの手がける新シリーズ。
落ちこぼれでなにかと騒がしいけど前向きなヒロイン・エリッセと俺様系ナルシストな暗黒星・ディガンの凸凹カップル具合がとても微笑ましい。穏やかで優しいエリッセの恩師・グラシカルとの微妙な三角関係もよかったなあ。旅路を進むにつれ、だんだんグラシカル先生LOVEなエリッセへのモヤモヤを隠しきれなくなっていくディガンのヤキモチっぷりが可愛い。
しかし、個人的には天才少年ハーシエルが残念過ぎてやばかった!先生への恋愛フラグはなんとなく見えていたけど、自分に正直になったハーシエルの甘え全開の発言に最初はにまにましたものの、その後どんどん発言が残念になっていく彼の言動にはもう笑うしかなかった。見た目クールでナマイキな天才系ショタなのに甘えた通り越して残念とかある意味新しいよ!!可愛いよ!!
ディガンとエリッセの関係がどうなるかもとても楽しみだけど、2巻以降は色々な意味で脇役組の活躍にも期待したいです。グラシカル先生とかハーシエルくんの活躍を是非!お願いします!
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2010年6月/7月の読了記録(今更)
6月・7月原稿に追われすぎてて月初恒例のまとめ記事作れなかったので
超今更読書メーターのログだけ一応。
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魔女っ子サラリーマン
[著]高将 にぐん [絵]さらちよみ ある日突然、父親から少女趣味全開な魔女っ子ステッキを手渡された普通のサラリーマン・津島弘文。どうやら死んだ母親はホンモノの魔法少女で、その力が弘文に受け継がれちゃったらしい!?しかも取引先の社長・江南誠が、変身した“彼女”に一目ぼれしたといい出す。魔法少女を辞めるには処女(処男?)を喪失するしかないのだが… |
飛び出すピンナップといいタイトルといい、色物臭しかしないこの作品ですが、読んでみたら意外過ぎるほど正統派(?)なラブコメでした。変身後の弘文(=るりか)に一目ぼれしたという江南とデートしたりしていくうちに、ヒラ社員と取引先の社長というだけの関係の時には見えてこなかった意外な一面が見えてきて、でもその笑顔を向けているのは“本当の自分”じゃなくて…というのはTSものの王道展開ですね!多分!(あんまりそのテのものはBLじゃなくても読まないけど)
そして、るりかの“ガーディアン”(=マスコット)としてパンダに変身してしまう従兄弟のトーヤが実にいいキャラだった。元々主人公の事が好きで、弘文が魔法少女を継いでからは「魔法少女を引退させるために」と言って処男を狙ってくる彼が、なんだかんだと江南との仲を取り持ってあげちゃうという展開がとても好きだー。そして割合ノリノリに魔法少女やってるらしいトーヤくんの今後がとても気になりますw
TSとはいえ二人の関係の障害として異性が登場してくるせいか、BL小説を読んだ時に毎回感じる独特のファンタジー感覚(というかないない感)も薄く、すんなり「ああ、この二人は本当にお互いが好きなんだなあ」と世界観に没入できたかも。軽いノリで楽しく読めました。
…唯一、個人的に行為のシーンでいきなり、弘文の一人称で展開されていた地文での江南の呼び方が「彼」になったのは凄い違和感だった。それまで本当にBL小説を読んでいる時特有の違和感薄い作品だったので、特にかも。…え、いや普通、男→男の呼び方で「彼」とか言わないよね…?たいしたことではないんだけど、そこだけが物凄い引っかかった…。
しかし付録の「飛び出すピンナップ」は…どうなんですか実際BL読みの人的に……正直、読む時にすごい邪魔だったんですけど…