ドタチンが何者かによって車に撥ねられたのを切っ掛けに池袋の様々な人たちが動き出すシリーズ第10巻。
ダラーズ内の内部分裂らや杏里を「親」としない罪歌の一団をはじめとして、独自勢力が次々に増えてきた所に彼らを利用しようと動き出した『大人たち』の思惑が絡んできて今まで以上にわかり辛い構図になっていた気がする。彼らの動きに火をつけた門田はなんだかんだでとても愛されてるよなあ。
一方、ダラーズを“元のように”戻そうとして元ブルー・スクエアの面々と共謀しながら一人で迷走する帝人は本当になんというか……紀田や杏里が本気で心配しているのが見えるだけに、もう少し彼らのことも振り返ってあげてと言いたくなる。色々と結局空回りのまま終りそうな気配がひしひしとするのがなんとも。わざと“元のようなダラーズ”を壊すような動きをしてるのは、“一度壊して”のための伏線なんですよね。わざとなんです……よね……?っていうか“一度全部壊して僕の理想のなんちゃら”って完璧に最後に倒される悪役のセリフだよ帝人!!
これまでのように我武者羅にただ暴れるだけじゃない、静雄の「静かな戦い」がかっこよかったです。
デュラララ!!×10
「最近のダラーズ、おかしいとは思いませんか?半年前、黄巾賊に起こっていた事が、今度はダラーズに起こっているかもしれない…」東京・池袋。この街からダラーズに関わる者たちが徐々に消えていく。それは、かつての親友同士がお互いを想いながらも自らの信じる道を突き進み、加速した混乱のせいなのか。もしくは、街の中に渦巻いている、粟楠会、闇ブローカー、情報屋など大人たちの謀略のせいなのか。それとも、ダラーズの顔役として頼られる男気溢れる青年が陥った意識不明の重態のせいなのか―。様々な思惑を抱えた事件が始まる中、首無しライダーが取る道とは―!?さぁ、みんな一緒に、デュラララ!!×10。 (「BOOK」データベースより)