白 馬 で 来 た(攻が)
うまくいかなかった合コンの帰り道、幼稚園の先生をしている晴夏の前に現れたのは、文字通り白馬に乗った王子様だった。歯の浮く台詞の数々に最初はただただ困惑していたが、彼の正体がかつて晴夏が大学の課題で制作し、未完のままとなっていた子供向け絵本の主人公であると気づいて……。
王子の歯の浮くような言葉の数々に爆笑していたら最後はきっちり泣かせる展開にもっていくのがズルい!中盤のアクシデントからはじまる展開で一山越えたかとおもったら、絵本の結末に関してでまた一波あって。最初はただ迷惑していたのに、人懐こくて良い人な王子に段々愛着がわいて、そのうちかけがえのない大切な相手になっていく課程にニヤニヤが止まらなかった。
性格は男前なんだけど「いっそ王子に迎えに来て欲しい」なんてボヤきだしちゃうハルカ先生の行動がほんとかわいかった。そして、王子にはちゃんとした「お姫様」と幸せになってほしいと嘯くハルカ先生にきっちり気持ちを自覚させちゃう王子、ズルい。本人も言っている通り、決して綺麗なだけの純粋王子ではないところがよかった。
カラー挿絵が女装受だったのでどうなるのかとおもっていたら最後の展開で爆笑。(女装が)似合わないからこそかわいいんだ!と言い切る王子とは美味しい酒が飲めそうです。あと、女装エロは脱がせちゃだめなので!!!素敵な挿絵ごちそうさまでした!!
…それにしても、サブキャラだった晴夏の通う幼稚園のおませな園児・蓮君とシルキーの出番がもうちょっとみたい。もういっそこの2人で番外編とかありませんか。蓮君は良い年下攻(属性そのままで実際は男前受だとなお美味しい)になれるとおもうんですがどうですか。
キーワード:御山 ひわ (2 件 / 1 ページ)
放課後カタオモイ
クラスでも目立たないオタクの順にマンガなど殆ど読まないイケメンサッカー少年の丹羽が声を掛けてきた。漫画研究部の部誌に載せた順のイラストに一目惚れしたという彼の言動に最初は戸惑っていたが、段々と丹羽が好きなのが「自分の描いたイラスト」だということにモヤモヤしはじめて……というお話。以前読んだことある作者さんということで手に取ったのですが、同じくらいに表紙のデザインやイラストがツボでやばかった。自発的にBLを衝動買いしたのは本当に久しぶりでした(これまでのラインナップは大体誰かに薦められて手に取ったものだったので)。
序盤から既に出来上がってるじゃないですかー!という感じの二人が自分の気持ちを自覚しないでモヤモヤしたり、「男同士なのに…」って思ってもだもだしたり、お互いに勘違いを繰り広げてもだもだして中々両想いにならないこのもどかしさが可愛くてもうたまらない。なんかお互いがすれ違ってても全然心配にならなくて、ひたすら「お前らかわいいなー!!」って気持ちになる。むしろもっとやれという気持ちになる。これは良いほもゆり。
ひたすらほのぼのと可愛いお話でこれにエロは蛇足じゃないかなあと思ったんだけど、本番前くらいで終ってるあたりがまた美味しかった。というかこれはもう逆でもいいなー。わんこ系で押せ押せに見えるけど大事な所で押しが弱い丹羽に対して、恋心を自覚した後もそれはそれこれはこれで漫画家になるという夢に向かって一生懸命な順が案外男前で。丹羽が順に惚れたきっかけのエピソードの(丹羽視点からの)順が(一応)受(のはず)なのになんだかかっこよくてニヤニヤする。
個人的に、あとがきに書かれていた社会人エピソードがツボすぎるので是非ともそのネタで続編を書いて欲しいです。今度は最後までアリで。わんこ可愛かった丹羽君の成長エピソードが見たいです!!
あと、その際は当て馬可哀想だった斎藤さんの救済を是非……BLだからこういう展開になるのはわかってたけどツンデレ可愛かったのに結局ふたりが両想いになるためのダシに使われた感がすごく…!!