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オタクな俺がリア充社長に食われた件について

 

「すごいよ、倖太郎。何回もいってるね…」―十八禁美少女ゲームのシナリオライターにして童貞の倖太郎は、行きつけのメイドカフェでイケメン社長の泉田と出会う。泉田はなぜか倖太郎を気に入り、仕事の参考になれば、とあらゆる風俗へと連れまわす。どんどんエロスで頭がいっぱいになっていく倖太郎。しかしSMクラブを訪れた際、プレイのなりゆきで泉田に後ろを犯され、めちゃくちゃに感じてしまい―。(「BOOK」データベースより)

 表紙につられて買った。後悔はしていない。
(だって凄く良い女装メイドさんのフトモモだったんだもん…!!)

 独占欲の強いリア充社長×童貞オタで社畜なエロゲーシナリオライター。ひょんなことから知り合った泉田から自分の担当したエロゲーのシナリオの駄目だしをされ、エロシーンのリアリティを上げるためと風俗を連れまわされているうちに何故か美味しく戴かれてしまって……というお話。

 しょっぱなから攻の泉田の態度には違和感ありまくりでこいつ絶対最初から倖太郎狙いだろうとおもっていたけど思っていた以上に用意周到な根回ししててやばい。泉田の独占欲が割と犯罪レベルで、読んでいるともう「倖太郎逃げて超逃げてー!!!」って感じなんだけど、受の倖太郎がそもそも性癖・ドM持ちかつチョロい性格なので泉田に反感を抱くよりもむしろ悦んじゃってる節があり、なんかもう本当にあと一歩踏み外したら犯罪かつドロ沼だろうというギリギリの所でコメディとして成立しちゃってるのが凄い。嫉妬を向けるのが恋愛関連ではなくて倖太郎の社畜ぶりだったのも凄いギリギリ感ある。

 女装に関しては、一応話の流れとしては「似合う女装」に分類される流れになっていて、どうせ童貞オタク受なんだからもうちょっと劇的な変身展開があってもよかったんじゃないかと思う。挿絵が割ときっちり童貞ガリオタになってる分、泉田の言う「綺麗」は妄想フィルター通してのものだみたいな想像をしてたら、第三者から半陰陽疑惑とか出てきて驚いた。結局どっちとも判明しなかったので若干この半陰陽疑惑あたりの展開いまいち必要性わかんなかったんだけど……。あと実際の所、明らかに童貞くさいシナリオ書いてたライターが突然ナマナマしい尻の描写描きはじめるってどうなんですかね。童貞臭いシナリオが好きで買ってた人もいるんでは……いや、そういう面子が少なかっただけなのかもしれないけど。エロゲの中でも完全な抜きゲーっぽかったし。

 個人的には受にはもうちょっと男としての矜持と反抗心を持っていただきたい派なので好みのタイプの受ではなかったんですけど、攻の執着心と独占欲の強さはさすがあの「義兄」を書いた人の作品だなというかんじで、知らない間にどんどん逃げ場をなくして行く感じとか好きでした。そして色々な意味で、受は倖太郎でないとどうにも収拾つかなかっただろうからこれでよかったんだ……エピローグ見て思わず真顔になったけどこれでよかったんだ……(真顔)