“紫 真依” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:紫 真依 (5 件 / 1 ページ)

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6

 

クロードが竜化し魔王として覚醒、破滅ルートが解放された。世界は“正ヒロイン”アメリアの言う、「正しい運命」に向かい動き始める。味方は傷つき絶望的な状況で、それでもアイリーンはクロードを取り戻したかった。悪役令嬢やラスボス、割り当てられた役割とは関係なく、諦められないくらいただ貴方を愛しているから。―だから持てる全てで足掻くしかない。WEB発・運命ではない恋物語、愛で一発逆転の最高潮へ!! (「BOOK」データベースより)

ハウゼル女王国の女王候補の手によって魔物堕ちしてしまったクロード。聖剣の乙女としての力を振るうヒロイン・アメリアに対して聖剣を失ったアイリーンは圧倒的に不利な戦いを迫られる。果たして、無事クロードを取り戻し、ハッピーエンドを迎えることが出来るのか。

オールスター状態の最終決戦が楽しい!!
これまで登場した歴代ゲームのヒーロー・ヒロイン達が勢揃いで繰り広げる、バトル主体の展開がとにかく楽しい!中盤から物語に大きく関わってきたセレナやレイチェルはもちろん、引っ込み思案というか保身第一だったサーラの活躍に思わずニヤリとしてしまう。

リリアが「プレイヤー」から「ヒロイン」になるまで
アイリーンがクロードと愛を貫くための物語であると同時に、「プレイヤー」として物語を一つ上のレイヤーから俯瞰し続けたリリアが愛の力で真のヒロインになるまでの物語だったなと。彼女が少しずつセドリックに心奪われていく様子はそれとなく描かれていましたが、その彼女の想いが「聖剣の強さ」という形で昇華されていくのは胸が熱くなる思いでした。

自らがプレイヤーであると嘯きながら、大切な「ヒロイン」達を──「一番推せるヒロイン」であるアイリーンを守るために彼女が、自らの「愛」を武器に敵に立ち向かう姿は文句なしの「ヒロイン」で、もう本当に涙なしには見られないんですけど!!あと電子書籍版の特典SSずるいんですけど!!!???(めちゃくちゃ泣いた)

個人的にリリア様の株は1巻の空気ヒロインからプレイヤーとして覚醒し、後半に行くにつれ爆上げ状態だったんだけど今回は特に本当に最高すぎてもうね……もう……。

「乙女ゲーム」であることに拘った展開も良かった
「ヒロイン」としてのリリア様の話をした直後に言及するのもアレなんですが、なんというかクライマックスを打開する鍵になるのが「プレイヤー」としてのリリア様の考察厨としての一面だというのがまた最高なんですよね。一連の出来事を紐解き、理論的に解法を導き出すのはまさしく「プレイヤー」である彼女にしかできなかったでしょうし。最後は乙女ゲームの世界らしく「愛」が鍵となり現実を覆していく展開が大変に胸アツでした。

最高に熱いクライマックスから念願の年齢制限フィルタ突破な幸せいっぱいのラストシーンまで、全部盛り感が本当に楽しかったです。本編はここで完結なのかな?なろうの方にそれとなく短編とかもあるようなので、もう一冊くらい短編集が出てもいいのになと思ってみたり。

ところでリリア様の結婚式では新婦の希望通りにアイリーンがリリア様の手をとってあげて欲しい。超みたい。


悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました5

 

「君と彼は運命じゃない。離婚だ」最初の魔王にしてクロードの父・ルシェル。乙女ゲーム4作目のヒーロー兼ラスボスたる彼の一言で、転生悪役令嬢・アイリーンの嫁舅戦争が始まる!ルシェルに嫁認定させるため、アイリーンがあらゆる手段を駆使する中、ハウゼル女王候補・グレイスが襲来。「私は魔王と結ばれる運命」と言い出して!?悪役令嬢とラスボスは世界の運命に逆らえないのか―。WEB発・運命ではない恋物語! (「BOOK」データベースより)

クロードとアイリーンがなかなか達成できない初夜にもだもだしている中、突然クロードの父・ルシェルが現れる。彼はクロードの“運命の相手”ではないアイリーンと結ばれたことでクロードが魔力のバランスを崩していると指摘し、破局を迫ってくる。ただでさえ舅嫁問題でてんやわんやの中、今度はクロードの愛人候補を名乗る女達が大挙してやってきて……!?

とつぜん他所ん家(エルメイア)を舞台にはじまったハウゼル女王国の女王候補選抜試験。その内容は、クロードとの間に子供を儲けろというとんでもないものだった。叩いても叩いてもどこからか湧いてくる自称愛人候補にクロードのストレスがマッハの中、面倒くさい舅を正面から迎え撃ち、大量の愛人候補はルールの隙をついて追い返すというアイリーンの手並みが鮮やかすぎました。聖剣による力押しだけじゃなく、知能戦でもメンタル面でも折れないのがアイリーンの強いところだよね。序盤の鮮やかな手並みといい、結婚式乱入の件といい、今回も最高にかっこよかったです。

クロードの父・ルシェルにハウゼル女王国次期女王候補のグレイスと、600年前のエルメイアを舞台にした過去編である「4」作目を匂わせるキャラクター達が登場。ゲーム4作目の再現を思わせつつも(当然600年前の話なので)これまで以上にゲーム通りとは行かない展開が面白かった。4の悪役令嬢がグレイスであるならば当然正ヒロインであるアメリアは誰になるのか?という話で。リリアの兼ね役?とも考えたけどそんな単純な話ではない気がするし、そのへんの話はクロードの「運命の相手」次巻に持ち越しでどうなるのかとても気になる。というか、原作での悪役令嬢ポジションのキャラが敵に回るのは初めての展開で、本当にどうなるんだろうか。前後編の前編ということで最大の謎は次巻持ち越しという感じなので、どうなるのかとても楽しみ。

今回はその分、メイン以外のカップリングに日があたっていた印象。オーギュストとセレナ、レイチェルとアイザックのどっちの進展具合も楽しいなあ。女に夢見てるオーギュストと恋愛に全く夢見てないセレナの関係、双方アイリーン最優先すぎて全く進展しないレイチェルとアイザック、クソ男に騙されてクソ男だなーって思いつつ見捨てられないけど時折えらい冷めた目線で物事を見てるサーラと、本当にこの人達乙女ゲーのヒロインやライバルとは思えないほどみんな男に夢見てないな……。

あと、出番は少なかったけど相変わらずリリア様最高でした。もうそろそろ彼女もこの世界を「ゲーム」じゃなくて「現実」だと認識し始めてる感じがかなりあるんですけど、それを自覚した上で敢えて自らを「ゲームプレイヤー」という上位存在として規定している感じが大変好き。そんな彼女が時折アイリーンとクロードの関係に対して向ける憧憬の眼差しにとてもそわそわするし、セドリックとの関係もなんだかんだ悪くないと思うんだけど、色んな意味で今後どうなっていくのかな。気になります。


悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました3

 

何者かに襲われ魔王クロードが記憶と魔力を喪失。乙女ゲーム世界に転生した悪役令嬢アイリーンとの婚約も忘れる。王不在で暴走を始める魔物と人間との緊張は高まり、アイリーンは皇太子の婚約者の肩書きも失いかけ…まさか破滅フラグ再び!?「だったら、またクロード様の心を取り戻すわ―何度でも」FDのラスボス・エレファスを仲間にし、転生聖女リリアの妨害も振り払い、WEB発・悪役令嬢がつかみとる物語の結末は!? (「BOOK」データベースより)

ある日突然、魔力と記憶を失ってしまったクロード。ただの人間に戻ったクロードを魔王に戻すまいとする国王や皇太后を中心とする一派により、アイリーンは再び婚約破棄の危機に立たされることに。彼の心を取り戻すため、アイリーンは行動を起こすがクロードの横には前世の記憶を取り戻したリリアの姿が……。

一度はアイリーンに完全敗北したリリアが、アイリーン以上の記憶を持つ『転生者』として立ちふさがる展開が熱い。ゲーム内で起きたの事件を自ら起こすことで、キャラクターたちを現実のシナリオで都合の良いように動かしていくというリリアの手口が巧妙すぎる。記憶を取り戻したことでこれまでの偽善者然とした行動ではなく、アイリーン以外をすべてNPCとして「使い捨てて」いく彼女の行動はすっかりラスボスじみてきて、ほんと初登場時の小物臭が嘘のような大活躍だった。

そんなリリアの目論見を、窮地に立たされたアイリーンがこれまでに「現実」で培った絆の力でひっくり返していく展開が最高に楽しい。というか何より記憶を失い家族のために人間たろうとするクロードと、そんな彼を再び魔王に戻し自分の元に返して貰おうとするアイリーンの攻防戦が楽しすぎる!やっていること自体は1巻とほぼ同じなんだけど、今回ははじめからアイリーンが本気でクロードを好きなわけで……ウブで純情なクロードの反応にニヤニヤする反面、セドリックに捨てられた傷がいまだに根深いアイリーンのどこか必死な様子に胸を打たれました。

その一方、リリアの本心に触れて揺れ動く第二王子・セドリックの姿が印象的なんですけど、最後まで読んだらこの人本当にクロードの弟だーーー!!ってなるのがズルい。いや、なんていうかこの物語に登場するどの「悪役令嬢」よりも悪女な彼女のパートナーになるならこの男くらいのキャラでちょうど良いのかも!?色んな意味でリリア嬢の今後が気になります。

セドリックもそうですが堂々と悪女しはじめたリリアといい、打算的でふてぶてしい本来の性格を隠さなくなって損得で動くセレナといい、そんな彼女を許しもしないけれど同情もしないレイチェルといい、今回は敵も味方も最高に魅力的で楽しかったです。これまでの物語が全て今回のラストに持っていくための伏線という感じで、とても良い最終回でした(※終わってません)。あと今回のヒロインは文句なしにアーモンド。1巻から可愛いがすぎると思っていたけど3巻完全にヒロインだったよね……!

それにしてもリリアとアイリーンのゲームに対する記憶量の違いを「プレイスタイルの差」として理由付けしているの、乙女ゲープレイヤーあるある感あって上手いなあ。私はハマったら全ルート潰しプレイするタイプなんですけど、前世のアイリーンみたいに「好みのキャラ以外のルートはやらない」人、一定数いるよね。というか前世のアイリーンって本当にセドリック好きだったんだな…。


悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました2

 

「わたくしが続編のラスボスで生徒会長・ゼームスも飼えば、クロード様の破滅ルートが回避されるわね?」ミルチェッタ公国で起きた魔物の反乱で、皇太子として窮地に立つ魔王・クロード。乙女ゲーム世界に転生した“悪役令嬢”アイリーンは、魔物と人間が敵対する続編シナリオが開始されたと感じ、婚約者の破滅フラグを折るべく、2の舞台・ミーシャ学園に男装して乗り込むけれど!?悪役令嬢、第二のラスボス攻略なるか!? (「BOOK」データベースより)

乙女ゲーム『続編』のシナリオを舞台に、アイリーンが続編の攻略キャラたちを巻き込みつつ旦那様から逃げ回りつつ、事件の解決(=ラスボス攻略)を目指すシリーズ第2巻。「ゲームで置きた事件の記憶」を足がかりにしつつ、前作ラスボスであるクロードや悪役令嬢アイリーンが生存していることで大幅にシナリオの変わった「現実の事件」を紐解いていく展開が面白い。前巻と違って「破滅目前の悪役令嬢」というバッドステータスのないアイリーンの持ち前の行動力と破天荒な男前っぷりが、男装していることも相まって輝くこと輝くこと。

例によってゲームの主人公側が悪で、悪役令嬢側が善という展開なんですけど、ゲームヒロインのセレナよりもむしろ味方であるはずの魔王様のラスボス感がすごい。旦那様の目をかなりの力技で切り抜けていくアイリーンと、確信犯か偶然なのか紙一重な行動で彼女を追い詰めるクロードの駆け引きがめちゃくちゃ楽しくて、始終ニヤニヤしてしまった。嫁バカを炸裂させつつも嫉妬深くドSなクロードとそんな彼にベタ惚れだけど旦那様の「お前を泣かせたい」系の発言には恐怖しか感じないアイリーンの恋の駆け引きが楽しすぎました。特に電書版書き下ろしでのやりとりは必見すぎるので電書派じゃないひとも読んで欲しい。

そして、そんなクロードの大暴れっぷりやらなにやらで割を食っている感のあるのが今回の敵役であるセレナ。前巻も敵側の小物感が結構すごかったんですけど、今回のセレナはもはや障害にすらなってない感があって、クロード&アイリーンの手のひらで踊らされてしまった感。セレナ本人も無自覚のまま、憎きアイリーンによって憧れのリリアの「足かせ」として仕立て上げられてしまう姿はどこか滑稽であり、身内には寛容なアイリーンの冷徹な策略家としての一面を見ているようで印象深かったけど。

前巻で登場したゲーム正ヒロイン・リリアが前世の記憶を取り戻したことで、物語は二人の「転生者」によるゲーム知識をフル活用した人材獲得合戦の様相に。今回は試合で負けて勝負に勝つみたいな状態だったけど、その間にリリアもしっかり地盤固めは行っているので今のところ戦力は互角か。乙女ゲームのシリーズ作品はまだあるようだし、王位継承権争いもセドリックにも十分目はあるわけでまだどう転ぶかはわからない。どうなっていくのか続きが楽しみです。


悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

 

婚約破棄され前世の記憶が甦り、乙女ゲーム世界へ転生したと自覚した令嬢アイリーン。でも前世の記憶は不完全で、破滅フラグが立ったのに、回避方法がわからない。確実なのは、全ての破滅フラグの起点が、ラスボスの魔王クロードだということ。「ではクロード様をわたくしのものにすれば死なないわよね?」かくして魔王の愛を得るために、求婚したり、魔物を助けたり、起業したり…悪役令嬢が狙う、一発逆転ハッピーエンド!?(「BOOK」データベースより)

婚約者から婚約破棄を言い渡されている最中に前世の記憶をわずかに取り戻した主人公。ゲームの通りであればこの後彼女を待っているのは平民落ちと雑すぎる死亡エンドのハズで!?破滅フラグを回避するためには、自らの死因である魔王・クロードを自分に惚れさせ、魔獣化を阻止するしかない!!と思い立ったけど……。

これは楽しかった〜!!賢いけれど気が強い性格のヒロインが、自らの破滅エンドを阻止するためにラスボスと恋仲になろうとして孤軍奮闘する。ビジネス的に割り切って婚約を迫っていたはずの彼女の歯に物を着せぬ言動が頑なだった魔王の心を解し、最初は攻撃的だった魔王に従う従者や魔物達も少しずつ彼女を慕うようになっていく。

最初は振り回されていたクロードがアイリーンに本気になってしまうたび、今度は逆に恋愛初心者のアイリーンが振り回されてしまう姿が可愛かった。「魔王」ならではのスケールの大きな口説き方ににまにましてしまうし、他の男達と仲良くしているのを見て不機嫌が天候に出ちゃうところとか破壊力が高すぎる。

彼女たちと対立する元婚約者の皇太子&ゲームの正ヒロインとの対決も楽しかった。元婚約者である皇太子は無能だし、正ヒロインはかよわいご令嬢を装った腹黒で、序盤は本当に彼らの言動や行動にもやもやしてしまうんだけど、どんな搦手を使われても真っ向から跳ね返していくアイリーンと、そんな彼女を放っておけないクロードと、二人が集めた信頼出来る仲間たちの姿に胸が熱くなった。

というかこの作品の場合、アイリーンの「悪役令嬢」という評価はなんというか、本人が強キャラで悪目立ちしててしかも損しやすい性格ってだけなんですよね……。正直、リリア(ゲームの正ヒロイン)に体よくいろいろ責任転嫁されて色んな所で評判落としたんだろうな〜みたいなのが透けて見えるのがなんというか。ここまでがっつりゲームの正ヒロイン側が悪ー!!って感じの悪役令嬢モノの作品を読むのは初めてだったんでびっくりしたんだけど、それ以上に元婚約者(とその取り巻き)の無能っぷりがヒドかった。婚約破棄から始まるので仕方ないといえば仕方ないのだけど、正直アイリーンはこの男のどこに惚れてたの??感が半端ない(フられた後も割とあっさり切り捨ててしまっているのでますますわからない…)ので1つくらい良いところが描かれてもよかった気はするなぁ……味方側が魅力的なキャラクターばかりだったので、温度差がすごい。

アイリーンを押し倒して無理やり手篭めにしようとした無能皇太子と終盤でクロードをたぶらかしに来る腹黒ヒロインはまだ悪役として見せ場があったけど、あの本当に皇太子カップルの取り巻きしてるだけのやつ(名前忘れた)とか、悪役としても見せ場なかったよなあ……あいつ今後どっかで活躍するんだろうか……。

1巻で綺麗にまとまっていたので2巻どう続くのかわからないんですけど、アイリーンとクロードが大変に好みのカップルなので続きが楽しみです。