悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました5 | 今日もだらだら、読書日記。

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました5

 

「君と彼は運命じゃない。離婚だ」最初の魔王にしてクロードの父・ルシェル。乙女ゲーム4作目のヒーロー兼ラスボスたる彼の一言で、転生悪役令嬢・アイリーンの嫁舅戦争が始まる!ルシェルに嫁認定させるため、アイリーンがあらゆる手段を駆使する中、ハウゼル女王候補・グレイスが襲来。「私は魔王と結ばれる運命」と言い出して!?悪役令嬢とラスボスは世界の運命に逆らえないのか―。WEB発・運命ではない恋物語! (「BOOK」データベースより)

クロードとアイリーンがなかなか達成できない初夜にもだもだしている中、突然クロードの父・ルシェルが現れる。彼はクロードの“運命の相手”ではないアイリーンと結ばれたことでクロードが魔力のバランスを崩していると指摘し、破局を迫ってくる。ただでさえ舅嫁問題でてんやわんやの中、今度はクロードの愛人候補を名乗る女達が大挙してやってきて……!?

とつぜん他所ん家(エルメイア)を舞台にはじまったハウゼル女王国の女王候補選抜試験。その内容は、クロードとの間に子供を儲けろというとんでもないものだった。叩いても叩いてもどこからか湧いてくる自称愛人候補にクロードのストレスがマッハの中、面倒くさい舅を正面から迎え撃ち、大量の愛人候補はルールの隙をついて追い返すというアイリーンの手並みが鮮やかすぎました。聖剣による力押しだけじゃなく、知能戦でもメンタル面でも折れないのがアイリーンの強いところだよね。序盤の鮮やかな手並みといい、結婚式乱入の件といい、今回も最高にかっこよかったです。

クロードの父・ルシェルにハウゼル女王国次期女王候補のグレイスと、600年前のエルメイアを舞台にした過去編である「4」作目を匂わせるキャラクター達が登場。ゲーム4作目の再現を思わせつつも(当然600年前の話なので)これまで以上にゲーム通りとは行かない展開が面白かった。4の悪役令嬢がグレイスであるならば当然正ヒロインであるアメリアは誰になるのか?という話で。リリアの兼ね役?とも考えたけどそんな単純な話ではない気がするし、そのへんの話はクロードの「運命の相手」次巻に持ち越しでどうなるのかとても気になる。というか、原作での悪役令嬢ポジションのキャラが敵に回るのは初めての展開で、本当にどうなるんだろうか。前後編の前編ということで最大の謎は次巻持ち越しという感じなので、どうなるのかとても楽しみ。

今回はその分、メイン以外のカップリングに日があたっていた印象。オーギュストとセレナ、レイチェルとアイザックのどっちの進展具合も楽しいなあ。女に夢見てるオーギュストと恋愛に全く夢見てないセレナの関係、双方アイリーン最優先すぎて全く進展しないレイチェルとアイザック、クソ男に騙されてクソ男だなーって思いつつ見捨てられないけど時折えらい冷めた目線で物事を見てるサーラと、本当にこの人達乙女ゲーのヒロインやライバルとは思えないほどみんな男に夢見てないな……。

あと、出番は少なかったけど相変わらずリリア様最高でした。もうそろそろ彼女もこの世界を「ゲーム」じゃなくて「現実」だと認識し始めてる感じがかなりあるんですけど、それを自覚した上で敢えて自らを「ゲームプレイヤー」という上位存在として規定している感じが大変好き。そんな彼女が時折アイリーンとクロードの関係に対して向ける憧憬の眼差しにとてもそわそわするし、セドリックとの関係もなんだかんだ悪くないと思うんだけど、色んな意味で今後どうなっていくのかな。気になります。

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