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艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆 2

 

数々の出会いと激戦の末に、“艦娘”として戦う決意を新たにした正規空母・瑞鶴。その一方で、榛名ら金剛型四姉妹を擁する主力艦隊は、“陸棲型”深海棲艦「飛行場姫」を攻略するためにルンバ岬海域で死闘を繰り広げていた。敵味方の鉄屑が海底に沈み、「鉄底海峡」と呼ばれる戦況になってもなお打破できぬ事態を重く見た“提督”は、瑞鶴にある命令を下す。だがそれは、艦隊決戦の切り札である戦艦・大和のみならず、多くの艦娘にとって過酷すぎるものだった―。“幸運の空母”瑞鶴の視点から大人気ブラウザゲーム『艦これ』の世界を描く本格“戦記”小説、発艦! (「BOOK」データベースより)

 枯渇する資源…枠開放しても足りない入渠ドッグ…ハズレルートで大惨事…旗艦だけ残して終わるボス戦…
 秋イベント第四海域「アイアンボトムサウンド」  あのトラウマが蘇る!!

 四方海域を鎮めた鎮守府の元に「飛行場姫」と呼ばれる深海棲艦が発見されたという知らせが舞い込む。金剛姉妹を中心とした夜襲作戦が発動し瑞鶴達も支援艦隊として作戦に参加するが想定外の事態が続出し作戦は失敗。鎮守府に帰還した瑞鶴は提督からとある命令を受け、存在を秘匿されていたひとりの艦娘と対面する。

 秋イベント「鉄底海峡を越えて!」をベースにしたストーリー。主にE4(+E5)の攻略がメインなんだけど、無謀な出撃による疲労の蓄積とか少しずつ底をついていく資源とか、戦艦でも重巡でも続々大破したり羅針盤にツンツンされてボスにたどり着けないもどかしさとかもう色々とあの時のトラウマを思い出してしまってやばい。まさに“鉄底海峡”と呼ぶにふさわしい激戦で、体力的にも肉体的にも疲弊していく彼女たちの姿にもだもだする。秋のE4は最終的に、試行回数が3桁届いてましたよねー…。

 普段は明るく振舞っている艦娘達だけど、誰もがかつての「戦争」の傷痕に誰もが傷つき、苦しみながら戦っている。不幸な最期を迎えた艦娘達はもちろん、戦争の後まで生き抜き「幸運」の名を得た彼女達だって傷つかないわけが無い。でも、その傷を受け止めて新たに立ち上がり、迷いながらも戦っていく姿がアツかったです。

 特に史実の比叡がどうなったかはよく知らなかったので、彼女の最期には衝撃でした。かつての己の無力を悔やみながらも明るく笑う比叡がすごく愛しく、そんな彼女の脆さを心配する金剛・榛名と比叡と同じ想いを抱きながらも長姉とともにある霧島がとてもかわいい。

 そして、坊ノ岬沖海戦で多くの犠牲をだし、鎮守府の中で誰よりもかつての戦いで傷つき、いまだ人間を信じられずにいる大和の頑なな心を溶かしたのは同じ立場に居る「艦娘」達の熱い想いと、そしてかつて運命を共にした「仲間」への誇りと、戦うために生まれてきた「戦艦」としての心。比叡とのガチの殴り合い展開が熱すぎるんですが、その後の金剛とのライバルとかいてともと呼ぶ雰囲気には思わずニヤニヤしてしまいました。

 夜戦メインのマップであるだけに今回は主役の瑞鶴はじめ空母組の活躍は少なめでしたが、出番は少なくてもしっかり存在感を見せてくれていたというか、ちょっと出のキャラクターたちもそれぞれ魅力的なのが楽しかったです。あと相変わらずこのノベライズの提督さんは、現場と上層部の軋轢を一人で背負い込んで無理しながら艦娘にはそれを悟らせないようにしようとするあの偽悪者っぷり、本当にたまりませんやっぱりど受けだと思う

 個人的には滅多にこの手の創作にでてこない長波(当鎮守府のファースト嫁艦)が活躍してくれたのがうれしかったです!!長波可愛いよ長波!!


艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆

 

「どうして私、人間の女の子に…?」激闘の末に轟沈したはずの空母・瑞鶴が目覚めると、彼女は“艦娘”と呼ばれる少女の姿になっていた。かつての戦いの記憶と能力を持つ“艦娘”となった瑞鶴は姉・翔鶴と再会し、“提督”と呼ばれる男から人類の敵・深海棲艦の存在を知らされる。彼女は懐かしの地によく似たこの世界を守るために再び戦うことを決意するが、それは自身の過酷な宿命と向き合うことも意味していた―。“幸運の空母”瑞鶴の視点から大人気ブラウザゲーム『艦これ』の世界を描く超弩級“戦記”小説、ここに抜錨! (「BOOK」データベースより)

 「艦隊これくしょん」のノベライズ、富士見ファンタジア文庫版は瑞鶴を主人公にして、かつての「艦」としての記憶をはっきりと持ちながら『艦娘』としての二度目の生を送る少女達の物語です。

 オリジナル設定と史実・ゲーム要素の絡ませ方が物凄く面白かった!艦これの舞台が「あの戦争」が起こった世界とは似ているようであらざる世界として位置づけられていて、過去の戦いの記憶を持ったまま新たな戦いに臨む彼女たちが、切り離すことはできない過去の因果・宿命を背負いながらも懸命に戦っていく姿がアツい。かつて“幸運の空母”と称された瑞鶴と、彼女とは対照的に“不幸艦”と呼ばれる姉の翔鶴を中心に、ゲームではきわめて不確定なステータスである幸運値を史実であった出来事と絡ませてくるのが興味深かったです。

 そしてある時は軽薄に、そしてある時は冷徹に彼女達の戦いを支援しながら、幸せを願う提督がまた地味に良いキャラしてる。「勝利のため」と時には冷徹に艦娘達を戦場へ駆り立てながらも、その裏には艦娘達を護りたいという強い意志と、艦娘達を「兵器」として扱う軍上層部との間で板ばさみになっているような言動がみられるのにとてもニヤニヤする。あと、あふれ出るイケメンオーラ。

 自らを憎まれ役に貶める事で苦労を背負い込んでしまう不器用さがほんとこの人、生き辛そうな性格しているなあという感じで大変妄想が膨らみました。 軍上層部に弱み握られて掘r