「艦隊これくしょん」のノベライズ、富士見ファンタジア文庫版は瑞鶴を主人公にして、かつての「艦」としての記憶をはっきりと持ちながら『艦娘』としての二度目の生を送る少女達の物語です。
オリジナル設定と史実・ゲーム要素の絡ませ方が物凄く面白かった!艦これの舞台が「あの戦争」が起こった世界とは似ているようであらざる世界として位置づけられていて、過去の戦いの記憶を持ったまま新たな戦いに臨む彼女たちが、切り離すことはできない過去の因果・宿命を背負いながらも懸命に戦っていく姿がアツい。かつて“幸運の空母”と称された瑞鶴と、彼女とは対照的に“不幸艦”と呼ばれる姉の翔鶴を中心に、ゲームではきわめて不確定なステータスである幸運値を史実であった出来事と絡ませてくるのが興味深かったです。
そしてある時は軽薄に、そしてある時は冷徹に彼女達の戦いを支援しながら、幸せを願う提督がまた地味に良いキャラしてる。「勝利のため」と時には冷徹に艦娘達を戦場へ駆り立てながらも、その裏には艦娘達を護りたいという強い意志と、艦娘達を「兵器」として扱う軍上層部との間で板ばさみになっているような言動がみられるのにとてもニヤニヤする。あと、あふれ出るイケメンオーラ。
自らを憎まれ役に貶める事で苦労を背負い込んでしまう不器用さがほんとこの人、生き辛そうな性格しているなあという感じで大変妄想が膨らみました。 軍上層部に弱み握られて掘r