レナードの豹変。
かなめに隠された重要性。
そして何故この世界が“フルメタの世界”となったのか…その秘密。
崩壊するはずだった国家が、崩壊しなかったかもしれない。
統一を保つはずだった国家が、分裂してしまったかもしれない。
そして、もしかしたら——米ソの冷戦が終わっていたかもしれない。
そしてそれを変えたのは、間違いなく“ウィスパード”と呼ばれる存在で。
ブラックテクノロジーという「呪い」を受けた子供達だった。
お母さん。
あと一分早く産んどいてよ……。
明かされた事実がとにかく重過ぎて、しかし同時にそして作品に仕込まれた様々な仕掛けにただただ、驚きを隠せませんでした。今の世界とフルメタ世界の歴史が違う理由やウィスパードの存在なんて、フルメタを“フルメタ世界”たらしめるための前提設定であるとしか思っていませんでした。それが一気にひっくり返された衝撃といったら…。
正直、難しい説明が続く中盤は今までの熱い展開から比べるとぜんぜんだるいし、前に出た2冊の強烈なカタルシスを考えると、説明だらけの文章は読み進めるのがちょっときつかった。個人的に中盤までで印象に残っているのは、もう最初で最後になるであろうと思われる宗介&レナードの共闘シーンくらいです。だから、中盤の読みづらさを差し引いて、評価自体は少しだけ減らしてます。
でも、何もかもが、最後の最後で一気に打ち砕かれました。
(※以下、本物語の結末に関する記述があります。未読の方はご注意ください。)
露骨な「フラグ立て」の様子に、序盤から「まさかな…」と思いました。
でもなんか、彼ならば大丈夫のような気がして。
そんなフラグへし折って、なんとか生き延びそうな気がして。
今だって、どこかからへらへら笑って、出てきてくれそうな気がする。
なんか、もう、本当に読み終わったあとは涙が止まらなかった。
正直、以後の展開は殆ど覚えてません。
涙が止まらなくて、本の文字が読めないなんて経験初めてでした。
エピローグでの各キャラクター達の行動が、また痛々しい。
自分を責めるテッサ。
感情を露にするマオ。
そして、泣けない自分を憂う宗介。
無意識に流れた、かなめの涙。
シリーズ中でも最大級に能天気だった短編が、こんなフラグにつながっているなんて…。
現実って、虚構の世界であっても残酷だ。
前に温泉に入ったのは、いつごろだっただろうか?
だれと行ったっけ?
だれが発案して、だれが大騒ぎを起こしたんだっけ?
コメント
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さて、フルメタもクライマックスに迫って参りました。 つどうメイク・マイ・デイでテ...
うーむ、うーむ、むむむむむ・・・という感じの読了感でした・・・。本当に困ったシリーズですね、これは。
今回は本当に色々な意味で「コメントに困る」巻でしたねー…
何を書いてもネタバレになりかねないし、正直評価も不能という印象を受けました。
暫定で☆4つつけてみたものの、☆1つともいえるし、☆5つともいえるような、そのどちらでもあるような…
『フルメタル・パニック!せまるニック・オブ・タイム』感想
『ああ、いやだな。もっと遠くても狙えるのに———』
もはや「ライト」ノベルとは思えない重さ・・・満を持して出た『フルメタ』最新刊、「...
最後にかけつけたロシアの空挺部隊にあの人がいたならば、
まだ希望は!
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
確かに、読み直してみるとまだ生存フラグの望みはそれなりにありそうですね!
最終巻でかっこよく復活して美味しいところを総取りしていくような展開を密かに期待してみます!
[ラノベ]せまるニック・オブ・タイム
せまるニック・オブ・タイム (富士見ファンタジア文庫 92-20 フルメタル・パニック) 作者: 賀東招二 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2008/02/20 メディア: 文庫 「ついにいろいろな伏線が明らかになってきたなあ、でもあの人が!」 と思った最終巻の一つ前の話です。