旧生徒会メンバー卒業後に1人碧陽学園生徒会に残った杉崎が、新生徒会メンバーとのフラグ構築の為に奔走するアフターストーリー上巻。
これまでの既にフラグが互いに構築された状態ではじまった旧生徒会時代と違い、1からフラグを構築する羽目になった杉崎が驕ったり凹んだり間違えたりする姿は、本編とは打って変わってかなり「かっこわるい」んだけど、そんな杉崎が旧生徒会メンバーや幼なじみや家族、元宿敵や親友達に後ろを支えられ、なんとか孤軍奮闘していく姿が新鮮だった。不器用ながらもかつて旧生徒会メンバーにそれぞれフラグを立てられた杉崎が今度は彼女達にされたことを新メンバーに対して返していくという構図が面白い。
新生徒会メンバーもそれぞれ魅力的なんだけど、個人的にはむしろ新しい新聞部部長・風見めいくとの共犯者関係が大変美味しかった。こう、時折フラグを立てられそうになりつつ基本的には部外者位置から利害の一致でいっしょにいるという関係性が美味しい。あと、まさかの枯野先生のポジションにニヤニヤが止まらないのですが。本当にこの人はいいツンデレだよ!!!あと、水無瀬の親父さん笑うしかなかった。
彼女達の抱える事情や歪みを「解決」するのではなく、折り合いを付けさせて少しでも気持ちを軽くしてあげる程度の「お手伝い」をする。そして生徒会という居心地の良い場所を与えてあげる。そういう場所としての「壁陽学園生徒会」をいまいちど実感するような物語でした。
新メンバー4人のうち2人を説得した所で残りは下巻へ。色々な意味で上巻で落とした二人よりも難易度の高そうな二人が残ってしまっているので、彼女達を杉崎がどうやって攻略していくか、とてもたのしみです。あと、次巻では新メンバーでの「いつもの生徒会会議」も収録されるらしいのでそちらにも注目ですね。
枯野先生ツンデレ可愛い(大事なことなので2回言いました)
「お前のやりたいことや、やれることを代わりに見付けてはやれねぇけどさ!それでも……」
「お前の電池くらい、すぐに満タンにしてやんよ!」