アニメが面白かったので手を出しました。殺し屋が市民の3%を占めると言われている街・福岡を舞台に、様々な『殺し屋』たちがそれぞれの獲物を求めて暴れまわるお話。
「これは好きそうな気配がするぞ」とおもって思わず原作読み始めたら予想以上に馬場と林の関係性が大好きなやつだったのでとても満足しました色々な意味で。林が女装している理由とか、予想以上に過去の自分へのコンプレックスやらなにやらを拗らせてる感じで大変好きです。幼い頃から与えられることを知らないで育った林が、はじめて見返りなしに何かを与えてくれた馬場に対して段々懐いていくのが大変ニヤニヤするし、それを踏まえてのクライマックス後のやりとりは反則じゃないですかね……エピローグで完全にただのケンカップルになってるのなんなんだ……ファンサービスかなんかかな(誤解)。
普段は普通の人間でありながら仕事を請け負えば淡々とそれをこなしていく『殺し屋』たちの裏表のある世界。ひょんなことから殺人請負会社に就職してしまった一般人・斉藤が自分の過去を思い悩みながらも慣れない福岡の街と彼等が裏の世界で巻き起こす事件に翻弄されていく姿が楽しかったです。アニメでは今の所(確かまだ3話)軽くしか触れられていない、登場人物それぞれの事情がわりとしっかり描かれているのでアニメから入っても楽しめんじゃないかと。(というか斉藤の過去の話はわりあい1巻のキモだと思うんだけど触れないままでどう落とすんだろう…)
それぞれが追いかけていた別々の事件が、最終的に一つの大きな事件へと流れ着いていくという流れがとても好きで。色々な所でニアミスしていた彼等が少しずつ同じ目的の為に集まっていくのに、とてもわくわくする。そして、一件落着とおもいきや、一気にこれまでの展開を疑い返す羽目になるような終わり方。「どこまで」が「誰」の手のひらの上だったのか?最後の最後で煙に撒くようなおわりかたがとても良かったです。
受賞作ということもありわりかし綺麗に1冊で終わってる感じなので2巻はどう続けるのかな。続きも楽しみ。