アラビアンズ・ロマンス ?花嫁は王の腕で微睡む? | 今日もだらだら、読書日記。

アラビアンズ・ロマンス ?花嫁は王の腕で微睡む?

[著]仁賀奈 [絵]南條 パピ子

北海道の片田舎で父親と二人、小さな牧場を営む妙楽寧々。ところがある日偶然テレビに映ってしまったのがきっかけでアラビアの石油王国・ウラディスの王子カルディールに見染められてしまい、半ば売られるような形でウラディスに連れて行かれてしまう。ハーレムに閉じ込められた彼女の元に第二王子のラシードが現れて脱出の手伝いをすると言い出すが…
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ティアラ文庫の話題になった時に、「そういえばBL世界には“アラビア物”ってひとつのジャンルがあるらしいよ!」って話になって「そんなジャンル手を出した事が無い!」と思ったので手を出してみたよ、なアラビアもの。そういえば「ハーレクイン」を「ハーレムクイーン」のことだと勘違いしてた時代が私にもありました…

平凡な女の子がアラビアの王子様に見染められて、ハーレムに囚われて色々されてるうちにだんだん情が移ってきて……という、ある意味脳内に思い浮かべていた「アラビアもの」の展開そのまんま、ストレートどまんなか展開が個人的には読み慣れてない分面白かったです。っていうかこれなんて少コミ。脱走した所を別口のやつらに捕まって奴隷として売られそうになって?とかとても典型的だなあと思いつつ読んでました。

もっと問答無用で調教系にエロエロなのかとおもったら、段階を踏んでて意外に紳士的な王子様。それまで頑なに拒んできた主人公が、可愛がっている子馬のサチの話を起点にして少しずつ心を開いていくのも結構良かったです。そしてカルディールの忠実な執事である和真がまたいい味出してる。最後まで行くのは数えるほどしかないのですが、その前にわんさかあるエロイベントの数々が雰囲気満点で、エロ的な意味でも満足。

しかし、二人が結ばれた後の展開は微妙に蛇足だった気も……ラシードの話をもうちょっとしっかり引っ張ってほしかったのですが、他のティアラ文庫と同じくやはり途中でライバル側がよくわからないうちに態度軟化してハッピーエンド、ってオチなんだよなあ…特に今回の話は、ラシードと寧々の間には元々利害関係以外の関係がないので、ラストの展開が猛烈に不自然に思える。ほんと、ティアラ文庫はもっと強烈なかませ犬を出すべき。色々美味しい展開が妄想できるだけに、結局たいした活躍もないまま終わってしまうのが残念なんだよ、どのシリーズも。

しかし、個人的にオチには盛大に笑った。序盤からずっと思ってたけど、寧々、馬好きすぎだろ!!!ラストのオチを読んで、「典型的BL小説風味少女系エロ小説」という評価が「BL系エロ少女小説にみせかけた壮大なギャグ」という評価になりました。いや、もう序盤から明らかに「こいつ、父親よりも間違いなく子馬のほうが好きだよな……」とか思ってましたけど!!ないわー、そのオチはないわー。いい意味でないわーwwwwww
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