[著]新井 素子
1週間後、巨大隕石が地球に衝突して地球が滅亡するというニュースが流れる。地球最後の一週間、電車も止まり無法者が横行する狂乱の中…「あたし」こと圭子はひとめ逢いたいと江古田から鎌倉の恋人の家まで歩いていくことを決意するのだが…
巨大隕石がどうの人類滅亡がどうのというとハリウッドばりのパニック小説を想像してしまいそうですが、その人類最期の一週間の人間達の心理を描いたラブストーリーです。人類を滅亡から救う為に正義の味方がいっくぞーとかその幻想を打ち砕くとかそういう話ではありません(笑)1週間後、巨大隕石が地球に衝突して地球が滅亡するというニュースが流れる。地球最後の一週間、電車も止まり無法者が横行する狂乱の中…「あたし」こと圭子はひとめ逢いたいと江古田から鎌倉の恋人の家まで歩いていくことを決意するのだが…
とりあえず「チャイニーズスープ」最強って感じなのですが。甲田学人さんの作品のような描写的肉体的なグロさではなく、心理的なグロとでもいうのか…。鼻歌交じりに自分の旦那を解体して煮込んじゃうシーンの印象が強すぎて何度読んでも他の話が印象に残らない(笑)
読んだ直後だとチャイニーズスープよりも「走る少女」の方が印象に残ってるんだけどな。誰もが自分達の運命を悲観する中「あたし、幸せよ」といって死んでいった少女の姿が妙に綺麗に思えた。
どこか狂ってるけど儚くて綺麗な物語。
季節も夏なのでこの機会に推してみますよ!